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11/30(土) 保坂展人政治スクール第4回「産業・労働」 公共工事の質や区民サービスの向上につなげる公契約条例を学ぶ

11月30日(土)③、#第9期保坂展人政治スクール の第4回を受講4️⃣ 今回のテーマは「産業・労働」、具体的には「#公契約条例」。

公契約、つまり、行政が発注する公共事業において、契約した事業者が労働者に支払う賃金の下限となる「#労働報酬下限額」を定め、最低賃金よりも高い賃金が支払われるようにする、といった内容を盛り込んだ条例です。
こういったルールを設けているのは、東京都内では14区、3市の17自治体となります(理念型の1区、要綱の1区を含む)。

#世田谷区公契約条例 も、平成27(2015)年4月に施行されています。
予定価格3,000万円以上の工事については、労働報酬下限額として、東京都の工事労務単価(51職種)の85%相当額がそれぞれ定められています(熟練労働者。見習い等については、軽作業員の単価の70%)。
予定価格2,000万円以上の業務委託、物品購入、指定管理協定などについては、労働報酬下限額が、令和6(2023)年3月現在で、1時間あたり1,330円となっており、東京都の最低賃金1,163円を上回っています。この金額は毎年見直されており、世田谷区では、高卒初任給を基準に割り出し、#公契約適正化委員会 #労働報酬専門部会 の意見書を受けて区長が決定しているとのことです。
なお、これらの予定価格を下回る契約であっても、予定価格50万円以上の契約については、#労働条件確認帳票(チェックシート)の提出を事業者に求めています。

今回、情報提供してくださったお二人も、上記の委員会、また、専門部会で委員を務められています。
元日本大学教授で、公契約条例のあり方検討委員会の委員でもあった #永山利和 さんからは、公契約条例の考え方や国内の公契約条例の制定状況などを解説いただきました。憲法、地方自治法、労働関連法などに違反していないかという議論についても、反論を含めてご紹介いただきました。
東京土建一般労働組合世田谷支部書記で、公契約推進世田谷懇談会の #兒玉奈輔 さんからは、公契約条例の動きは保坂区長就任前からあり、平成13(2001)年に公契約条例の制定を求めた請願は継続審議とされたものの廃案となり、平成22(2010)年に公契約条例に係る検討委員会設置を求めた請願は全会一致で採択され、その後の条例制定につながっていった経緯が説明されました。この2つの請願の間に、対象を建設や土木だけでなく、業務委託など、公契約条例の対象となる事業を広げていったとのことです。
条例ができてからも #公契約条例シンポジウム を毎年開催し、今年10月には第15回を迎えたとのこと。令和4(2022)年4月から施行された #建設工事総合評価方式入札制度 もテーマとなり、評価項目の50%に当たる価格以外の評価点では公契約に係る項目も含まれているとのことです。

公契約条例は、労働報酬、つまり、賃金を上げる効果がありますが、区が発注する事業の予定価格にもそれが反映されていくことになります。世田谷区の財政の負担が増えることにつながらないか、とグループワークの中で質問させていただいたところ、兒玉さんから、区民サービスの向上のために必要なことであるとお答えいただきました。また、現在、賃上げの課題とともに、人手不足の課題もありますので、労働報酬下限額を上げていくことで、人材確保にもつながっていく効果があるとのことでした。

最後に、まとめのコメントがありました。兒玉さんからは、総合評価方式での公契約に係る項目の評価などを通じて、区民がこういう事業者を選びたいと決められる仕組みなのだということ。永山さんからも、行政にお任せではなく、希望する行政のあり方を打ち出してきたのが公契約条例であること。#保坂展人 区長からも、実は公契約条例も「#参加と協働の区政」の一環なのだとのことで、非常に腑に落ちました。

なお、大田区においては、長年、区議会で民主党系会派によって提起されてきたものの、いまだ公契約条例はありません。令和5年第4回定例会における #立憲民主党大田区議団 の代表質問に対して、令和2(2020)年4月に制定した「#大田区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する実施要綱」に基づき、一定規模以上の契約については、書面の提出により、労働基準法や労働安全衛生法、最低賃金法などの関連法令を基準とした労働環境を確認している旨の区長答弁でした。
ただ、これが、公契約条例と似て非なるものであることは言うまでもなく、大田区との公契約のもとで働く皆さんの賃上げを進め、公共工事の質や区民サービスの向上につなげるためにも、公契約条例の検討を提起していく時機に来ていると考えます。

#働く人と産業
#チクメン #一所懸命 #とことん現場主義
#あなたと共に政策実現
#大田区議会議員 #庄嶋たかひろ #庄嶋孝広

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