7/13（土） 岸本聡子杉並区長就任2周年イベント「岸本区政の2年、新たなステージへ」 参加型・対話型の行政、公共の再生を志向する動きは、地方自治のオルタナティブとなれるか
7月13日（土）午後、杉並区へ🚃 #岸本聡子杉並区長就任2周年イベント 「岸本区政の2年、新たなステージへ」＠ワイム貸会議室荻窪に参加しました。ソシアルサトコズ（岸本聡子後援会）主催のイベントです。
オランダ、ベルギーなどで公共政策研究者として活躍していたところ擁立され、4選をめざした現職を187票差で破り、衆院選で立民新人が自民現職を破った「#杉並の奇跡」の再現と言われた区長選挙から2年。大田区出身で私と同い年でもある、#岸本聡子 ・杉並区長の区政を知りたいと思い参加しました。
定員200名ということでしたが、年齢も性別も国籍も多様な皆さんが会場いっぱいに参加されていました。私のように杉並区外の方も多かったです。
まず、岸本区長から、この2年で実現した政策、実現に向けて取り組んでいる政策について紹介。
区民参加型予算「防災×○○」やグリーンインフラなどを通じた防災・減災の取組み。選挙の争点となった、児童館・ゆうゆう館の再編計画見直しとワークショップ、都市計画道路についての「（仮称）デザイン会議」、また、無作為抽出による気候区民会議など、住民参加の取組み。前区長時代に制定された公契約条例の報酬下限額のアップ、会計年度任用職員の報酬額・待遇の改善などによる公共の再生。性の多様性が尊重される条例の制定に基づくパートナーシップ制度の創設と今後は事実婚カップルへの適用の拡大。
実現に向けて動いているものとして、子どもの権利に関する条例の制定と子どもの居場所づくり基本方針の策定、家賃補助制度やセーフティネット住宅の整備、自転車フレンドリープロジェクトなど。
いずれも大田区では、議会や陳情などでの提案・要望はありながら押し留められてきた政策、また、やるにしても住民参加ではなく行政主導で進めている政策ばかり。区長が変わり、また、昨年4月の区議会議員選挙を経て男女同数の議会となったことで、こうも変わるのだと思いました。
次に、住民の皆さんが、都市計画道路、児童館と子どもの居場所、学校改築と施設再編、都の善福寺川上流調節池事業など、様々なテーマについて現場の当事者として発言。どれも提起された方の意見がそのまま通るわけではありませんが、参加型・対話型の進め方により住民が関わっていく方法が岸本区政ではとられているのがよくわかりました。
何人かの方が、岸本区政になって職員が住民の声を聴く姿勢に変わったと発言されているのが印象的でした。質疑応答で、区職員が聴く姿勢に変わったのはなぜと問われて、岸本区長は、すべての部課長に「対話の区政ってなんだろう」と問い、「政策は区民のためにやっている」ことを地域に出て体験しているからではないかと答えていました。
後半は、グループに分かれてのワークショップでした。私は、「グループワーク①課題別」では「7．若者をエンパワメントする政策」、「グループワーク②活動別」では「6．杉並区以外の自治体・運動との交流・ネットワーク」に参加しました。
先だっての #令和6年第2回大田区議会定例会 での代表質問でも、区長が参加する対面型の広聴の取組みを提案しましたが、私の調査では、23区中少なくとも16区で同様の取組みがあります。なかでも、品川区、杉並区はグループワークを取り入れたワークショップ形式で行っており、杉並区は「聴っくオフ・ミーティング」という名称で行っています。また、上記の岸本区長の話でも紹介されたように、様々な参加型・対話型の取組みがワークショップ形式により行われています。
そのような雰囲気を体感できたグループワークでした（ファシリテーターを生業としてきた私には、手順の提示や時間配分に工夫の余地があると思いましたが、進行役経験のある方も多いと見受けられたのはさすがです）。
区議会議員になる前から地方自治コンサルタントとして、全国各地で参加型・対話型の行政や地域づくりを進めるお手伝いをしてきましたが、2000年の地方分権改革を機に盛り上がった住民自治の機運はいったんはピークアウトしたと思っています。
ただ、岸本区長や #保坂展人 ・世田谷区長をはじめ、いま「#地域主権主義（#ミュニシパリズム）」を掲げて、参加型・対話型の行政、公共の再生などを志向する動きが現れ、首長・議会・市民によるLIN-Net（Local Initiative Network）というつながりも生まれています。こういった動きが、効率やスピード感の重視、公務労働の民間化や非正規化が本流として進む中で、地方自治のオルタナティブとなれるのか。
常に自分の肌感覚を信じる私としては、何事も鵜呑みにすることはありませんが、参加型・対話型の系譜にある区議会議員として、杉並や世田谷の取組みを見つつ取り組みたいと思います。
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