TikTok業績に陰り 広告収入40%減 ライブコマースも振るわず(バイトダンス)
メジャーSNSの一角に割って入ってきたTiktokですが、どうも業績が悪化しているようです。
アメリカではTiktok禁止法が可決されています。
Youtubeなどのインタビュー動画を見ていると、時々、「Tiktokは使わない。ずっと見てしまうので、メインはInstagramにしている」という方も最近ちらほら見るようになりました。
人気があるのは今も変わらないと思いますが、
米国での規制の背景が、
TikTokを通じて中国政府がアメリカ人の個人情報を収集し、視聴コンテンツを操作する可能性があるとして、国家安全保障上のリスクを理由としています。
中国には「国家情報法」というものがあり、中国人が中国国内、国外にいたとしても、中国の国家情報機関が、関係する機関・組織・個人に対し必要な支援・協力を求めることができる法律を中国人は中国政府から課されています。
アメリカは特にこの部分を国家安全保障上のリスクと捉えているようです。
ニュースの概要
ニュースの概要は次のとおりです。
バイトダンスの業績悪化
バイトダンス(字節跳動)は2024年1-9月期に業績の悪化に直面している。売上高の伸びが大きく鈍化し、利益率も低下傾向にある。
主要な課題
バイトダンスは現在、以下の3つの主要な課題に直面している:
1. 国内広告収入の失速
2. 地政学的影響によるTikTokの収益減少
3. 大規模言語モデル(LLM)分野への巨額先行投資
国内広告事業の低迷
中国のビジネスメディア晚点(LatePost)によると、2024年に入ってからバイトダンスの中国における四半期ごとの広告収入の伸び率は、前年同期比で約40%から17%以下にまで落ち込んだ。主な原因は、中国版TikTok「抖音(Douyin)」の電子商取引(EC)事業「抖音電商(Douyin EC)」の成長鈍化である。
TikTokの世界展開における課題
2024年1-9月期、TikTokの世界の売上高は予想に届かなかった。特に、EC事業の流通取引総額(GMV)が数カ月連続で予想を下回り、中国で人気のライブコマースも欧米諸国では広まっていない。
米国でのTikTok禁止の動き
2024年4月末、米バイデン大統領が国家安全保障を理由にTikTokを禁止する法案に署名した。これにより、TikTokは2025年1月にも米国市場から締め出される恐れがある。TikTokは合衆国憲法違反として提訴したが、先行きは楽観視できない状況である。
事業再編と新規事業への投資
バイトダンスは過去3年間、人員整理や一部事業の縮小を行う一方で、新事業のLLMに力を入れてきた。独自のLLM「豆包(Doubao)」を開発し、2024年5月には中国でLLMの価格競争に参入した。さらに、10月にはAI搭載イヤホン「Ola Friend」を発売し、スマートデバイス分野にも進出している。
今後の見通し
広告収入の減少とTikTokの米国での存続危機により、バイトダンスの利益率は当面押し下げられると予想される。