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幸せの国「ブータン」が不幸な国に転落した理由は「◯◯」だった。

ブータンは「幸せの国」としてご存知だと思います。

ただ、近年では国民の幸福度が低下し、犯罪率が上昇しているそうです。

動画の原貫太さんは、フリーランス協力師という肩書で、30万人のフォロワーを持つ方で、アフリカでの活動経験を持たれており、いま世界で起きている様々な問題を、圧倒的わかりやすさで解説するチャンネルをコンセプトにされており、とてもわかり易いです。

ぜひ、動画の方も御覧ください。

国民総幸福量(GHN)を国家政策に

ブータンは経済的には豊かではありませんが、国民の幸福度が非常に高い国として知られていました。

ブータンの政策の中心には「国民総幸福量(GNH)」があり、これは国民の心理的幸福、健康、教育、時間の使い方など、9つの要素から成り立っています。2005年の調査では、国民の97%が「幸福」と答えたことが報告されました[2]。

日本でも一時期、GHNが報道され、話題になった時期があります。

どうしてそんな国が不幸な国に転落?

近年、ブータンの国民の幸福度が低下し、犯罪率が上昇していることが指摘されています。

その背景には、テレビやスマートフォンの普及が大きな影響を与えています。

これにより、外部からの情報や広告が増え、人々の欲望が刺激されるようになりました[2]。

そもそも近代文明に触れない伝統的な生活をしてきた

ブータンの人々は、長い間、伝統的な生活を送ってきました。

  • 農業中心の生活: ブータンの主な産業は農業であり、多くの人々が農業に従事していました。農村部では、家族やコミュニティと協力しながら生活を営むことが一般的でした。

  • 仏教の影響: チベット仏教が国教であり、宗教的な価値観が日常生活に深く根付いています。これにより、物質的な欲望を抑え、精神的な幸福を重視する文化が育まれてきました。

  • 自然との共生: ブータンは豊かな自然環境を持ち、その自然と共生する生活が重視されていました。環境保護も国の政策の一部として重要視されています。

そんなところにテレビとスマホと「◯◯」

ブータンは長い間、テクノロジーの導入に対して慎重な姿勢を保っていました。

ブータンの人々は、テレビやスマホなどのデバイスにアクセスすることができませんでした[2][7]。

しかし、テレビや携帯電話の普及は1999年に解禁され、近年ではテレビやスマートフォンの普及が急速に進んでいます。

パンデミックで一気に普及する。

新型コロナウイルスのパンデミックは、ブータンにおけるテレビやスマートフォンの普及にさらに拍車をかけました。

  1. ロックダウンと外出制限:

    • パンデミック中は外出が制限され、人々は自宅で過ごす時間が増えました。そのため、テレビやスマートフォンを通じて情報や娯楽を求める傾向が強まりました[5]。

  2. インターネット利用の増加:

    • コロナ禍でインターネットの利用料金が大幅に安くなり、ネット利用が増加しました[6]。これにより、ソーシャルメディアを通じて外部の情報に触れる機会が増え、他国の生活と比較することで自国の生活に対する不満が高まりました。

  3. 経済的困難:

    • パンデミックにより経済が打撃を受け、若者の失業率が上昇しました[6]。これにより、より良い生活を求めて海外に移住する動きが加速しました。

他国を見て「自分たちは貧しい」と自覚してしまった

コロナを期に世界を見ることによってブータンの人々は自分たちの生活を比較してしまったようです。相対的に我々は貧しいという風に感じたようです。

この欲望が満たされないことが、犯罪や汚職の原因となることが多いようです[2]。

ブータンの情報化とコロナ禍の影響は、国民の生活に大きな変化をもたらし、幸福度の低下や社会問題の増加に繋がっています。

これらの要因が複合的に影響し、ブータンの「幸せの国」としてのイメージが揺らいでいるのだそうです。

大きく影響を与えたのは「広告」だと思われる

スマホを開けば、インターネットやSNSがあります。
その中には当然広告も入ってきます。

SNSもメッセージを短く短時間で把握できるように作って投稿されていますので「メッセージ訴求」は強いので、これも一種の「広告」と言っていいと思います。

ブータン人が広告に触れたときの感情を想像すると・・

ブータン人は、長い間広告にあまり触れることがなかったわけです。

コロナ禍を機に世界の広告を見るようになったとき、一気に別の世界を見たのだろうと思います。

驚きと興味

まず、広告の多様性とそのクリエイティブな表現に対して驚きや興味を感じた可能性があります。広告は視覚的に魅力的で、音楽や映像を駆使しているため、初めて見る人にとっては別世界のように新鮮に映った。と考えられます。

欲望と不安

広告は消費者の欲望を刺激するように設計されています。
そのため、ブータン人が広告を通じて他国の豊かな生活や最新の製品を目にすると、自分たちの生活と比較し、欲望が生まれたことでしょう。

しかし、その欲望が満たされないと、不安や不満が増大してしまいます。

自己評価の低下

ソーシャルメディアや広告を通じて他国の生活を知ることで、自分と他国の人を比較することになります。当然、伝統的な生活をしてきたわけなので、自己評価が低下したことは想像にたやすくありません。

特に若者や女性は、外見や生活水準を比較することで、自己肯定感がより低下しやすかったのだと思われます。

希望と期待

一方で、広告と触れたことで、新しい可能性や希望を抱く事もあります。

例えば、教育やキャリアの機会についての広告を見ることで、自分の未来に対する期待や希望が生まれることもあります。

広告は人々の欲望を刺激し、現在の経済状況ではその欲望が満たされないことが多いです。これが犯罪や汚職の原因となり、幸福度の低下を引き起こしています[2]。

ブータンで起きている事

国民総幸福量(GNH)の低下

ブータンの国民総幸福量(GNH)は、国民の心理的幸福、健康、教育、時間の使い方など、9つの要素から成り立っています。

しかし、近年の調査では、ネガティブな感情を報告する人の数が増加し、ポジティブな感情を報告する人の数が減少していることが示されています。

これにより、GNHの数値が低下し、国全体の幸福度が下がっています。

犯罪率の上昇

テレビやスマートフォンの普及により、外部からの情報や広告が増え、人々の欲望が刺激されました。

これが満たされない場合、犯罪や汚職が増加することが指摘されています。特に、都市部では犯罪率が上昇し、社会の安定が脅かされているそうです。

若者の大量移住

新型コロナウイルスの影響で経済が低迷し、若者の失業率が上昇しました。

このため、より良い生活を求めて他国へ移住する若者が急増しています。

特に、オーストラリアへの移住が増加しており、2022年にはブータンの総人口の約2%にあたる1万6000人余りが国外に移住しました。

このような大量移住は、国内の労働力不足や社会的な不安を引き起こしています。

経済の低迷とインフレ

コロナ禍以降、ブータンの経済は低迷し、インフレが進行しています。

観光業が主力産業であるブータンでは、観光客の減少が経済に大きな打撃を与えました。

さらに、隣国インドの物価高や世界的なエネルギー価格の高騰が、ブータン国内のインフレを引き起こし、国民の生活を圧迫しています。

ソーシャルメディアの影響

ソーシャルメディアは、テレビ以上に他国の生活を知る事ができます。
自己評価が低下し、不安感や孤独感が増加しています。

特に若者や女性においては、外見や生活の比較が自己評価を低下させる要因となっているそうです。

これにより、精神的な健康が悪化し、幸福度が低下しています。


これは日本の地方と同じではないか?

書きながらだんだんと頭の中に浮かんできたのは、日本の地方のことで、まるで東京に憧れる地方の若者の話のように思いました。

親と子供(年代によって)の求めるものは違う

日本でも、地方はもともとそこに住んでいた人もいるが、東京などの忙しない街から、落ち着いた生活を求めて、移住した人もいます。

親の場合は、一度、都会を経験して、その上で自身のどういう事を幸せと位置づけて行きて行きたいかを決めて、移住したことだと思います。

なので、それが幸せの答えのひとつだと言うことは間違いないと思います。

ただ、これは親のニーズで移住したわけで、好奇心が強い子供もそう思って移住したわけではありません。

親も、子どもの頃は好奇心が強かったと思います。

そういう事を踏まえると、親と子どもで求めるものが違いがでるのは自然なことだと思います。

では、地方に人が減り、街が消滅するのは仕方ないのか?

求めるものの違いがでるのは自然とお話しました。
できれば、減少も自然な形で止められるのが最もスムーズで効果があるのではないかと思います。

それがなにかはまだわかりませんが、
地方からのリモートワークを更に進める事や、海外の仕事をリモートでやるだとか場所に依存しない仕事の仕方を進めるというのがひとつの形だと思いますが、それだけが、地方に居続ける理由になるのかというと必ずしもそうではないとも思います。

ただ言えることは

地方の自然に囲まれながら、お金の心配もない。

必要があれば、飛行機で東京、大阪などの都会に出ることもでき、海外にも出ることができる。

こういう状態であれば、地方にいるほうが贅沢で、豊かさがあります。

ほぼ富裕層のような生き方ですが、
これは結局、お金と時間の問題なのではないかと思います。

都心に住んでいることと地方に住んでいることの格差がより縮小していけば、自然寄りの生活をしているか、都会寄りの生活をしているか程度に収まり、問題は許容可能な範囲に収まるのではないかと思います。

人材不足の問題も大幅に解消するでしょうし、
少子化の問題も緩和していく可能性があります。

発想自体をかなり大胆に変えてみては?

多くの人は、
お金の問題はだいたいは給与が源泉で、
時間の問題は距離が理由です。

かといって、地方に大きな都市を作ればこれを解決できるわけでも、ないと思います。

ブータンでもこの問題が起きていると思いますが、恐らく世界中でこういう問題が起こっているのではないかと思います。

もし、これを解決するような方法が出てきたとしたら、全人類に相当なインパクトがあるイノベーションになるんでしょう。

距離の問題は、動物実験でテレポーテーション(どこでもドアみたいな事)が一部成功した話を聞きます。(これほんとうに実験が進んでいるそうです)

こういう分野は、起業家にとっていいテーマになるのかもしれないですね。

参照
[1] https://www.youtube.com/watch?v=fhjYhZWJhlI
[2] https://ppl-ai-file-upload.s3.amazonaws.com/web/direct-files/23074963/2a67e8f8-5811-4c5a-95cb-c74710be622c/Xing-senoGuo-hutan-kaBu-Xing-ninatutaLi-You-kayahasukiru.txt

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織原松治
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