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タイ。入国料(観光税)300バーツ導入へ

観光に力を入れているタイは、
入国料(観光税)300バーツを導入するそうです。

300バーツを日本円に換算すると、約1,356円になります。

※現在の為替レート
1 THB (タイバーツ) = 約4.52 JPY (日本円)

このぐらいの金額で、これをオーバーツーリズム対策の充てられるのであれば、これは良いのでは無いかと思いました。

サイトの内容は次のようなものでした。

導入の概要

タイ観光・スポーツ省は、外国人旅行者に対する300バーツの入国料徴収を航空旅客から開始する方針を発表しました。この計画は2023年2月にプラユット前政権で承認されましたが、政権交代により新内閣の承認が必要となっています。

導入スケジュール

  1. 来年1月に内閣の承認を得る予定

  2. 承認後6か月間でシステム整備を進める

  3. まず航空旅客から徴収を開始

  4. その後、陸路での旅行者にも適用する第2段階へ移行

支払い方法

クルンタイ銀行が準備する取引システムを通じて行われ、旅行者は専用のウェブサイトやアプリを利用して事前にオンラインで登録し、支払いを完了します。

保険の内容

入国料には旅行者向けの保険が含まれており、以下の特徴があります:

  • 1人当たり60バーツまでの保険料

  • 保障期間は30日間

  • 事故による死亡時に100万バーツ、負傷時に50万バーツの補償

料金設定

  • 航空旅客:300バーツ

  • 陸路および海路:現在150バーツだが、300バーツに統一する案も検討中

免除対象

国境を頻繁に越える商業目的の人々は、国境通行証を使用することで支払いを免除される予定です。

目的

この入国料の導入により、タイ政府は観光客の安全確保、保険制度の充実、そして観光業の持続可能な成長を目指しています。

この計画は、タイの観光産業に大きな影響を与える可能性があり、今後の詳細な実施方法や正式な承認プロセスが注目されています。

参考
[1] https://www.thaich.net/news/20241024ex.htm
[2] https://www.thaich.net/news/20241024ex.htm

オーバーツーリズム対策なのか?

タイも人気の国なので、他の世界の観光地と同じく、オーバーツーリズム対策なのか調べてみました。

そのところ、どうもオーバーツーリズム対策にとどまらない、国家しての長期的な観光戦略の一環のようです。

オーバーツーリズム対策としての側面

  1. 観光客数の抑制
    入国料の導入は、観光客数を適度に抑制する効果があります。料金を設けることで、一部の旅行者の訪問を抑制し、観光地の許容量を超えないようにする狙いがあります[1]。

  2. 持続可能な観光の促進
    タイ政府は、この入国料を通じて観光業の持続可能な成長を目指しています。収入を観光インフラの整備や環境保護に投資することで、長期的に観光地の質を維持・向上させる計画です[2]。

  3. 観光地の保全
    入国料からの収入は、観光地の環境保護や文化遺産の保全にも使用される可能性があります。これは、オーバーツーリズムによる環境破壊や文化的価値の損失を防ぐ取り組みの一環と言えます。

  4. 質の高い観光の促進
    入国料の導入は、単に観光客数を増やすのではなく、質の高い観光体験を提供することに重点を置く政策の一部です。これは、オーバーツーリズムの問題に対処しつつ、観光産業の価値を高める取り組みと言えます[2]。

  5. サステナブルツーリズムへの移行
    タイ国政府観光庁(TAT)は、サステナブルツーリズムを推進するためのさまざまな施策を展開しています。入国料の導入もこの大きな流れの一部であり、環境に配慮した持続可能な観光を目指す取り組みの一環と考えられます[4]。

ただし、入国料の導入には観光客の安全確保や保険の提供など、他の目的も含まれています[3]。オーバーツーリズム対策は、この政策の一側面であり、総合的な観光戦略の一部として位置づけられていると言えるでしょう。

参考
[1] https://bangkokshuho.com/thaieconomy-1276/
[2] https://honichi.com/news/2022/07/27/tourismfee/
[3] https://www.travelvoice.jp/20240221-155152
[4] https://www.travelvoice.jp/20230728-153902

日本もサステナブルツーリズムの考え方をしなければいけないのかもしれない

たかだか1300円程度で、タイ国内での保険がついているというのはすごいですね。

もちろん、そんなに多くの人が保険を使うわけでは無いと思いますが、これをつけられる入国料の制度を設定できる見込みをつけた。という事は、事業企画という側面ではすごいことだと思いました。

タイはそもそも日本と観光業の捉え方が違う

この制度を見ていると、日本とタイとでは、観光業が産業の主軸であり、収益軸の柱として成立するように仕組みを講じていくのだ。というような意気込みを感じます。

日本とは向き合う姿勢が違う。

という風に感じました。

タイは1960年代から観光業を国家戦略として取り組んできている

タイが観光業に力を入れ始めたのは1960年代と古く、1960年代というと日本は、高度成長期の最盛期で、東京オリンピックや新幹線ができた時代だったそうです。

ベトナム戦争の影響から観光業の重要性に気づく

1960年代、ベトナム戦争中で米軍兵士が一時的な休息地として、後方保養地としてタイの観光地が発展したことがきっかけとなったのだそうです。

観光業が外貨獲得の重要な手段として認識され、1970年代には国家レベルでの戦略として観光政策を始めたのだそうです。

そのころに自国の豊かな自然資源と文化遺産の価値に気づいたのだそうです。

産業構造の転換

タイではそれまで伝統的な農業中心の経済だったそうです。
より多様な経済を目指す中で、観光業が重要な役割を果たしたそうです。

タイの観光政策の変遷

  • 1980年代以降、タイ政府は積極的な観光振興キャンペーンを展開。

    1980年の「タイ観光年」
    1987年の「タイ観光年2期」

    などがある。

  • 1998年から2000年にかけて実施された「Amazing Thailand」キャンペーンは大きな成功を収め、2001年には国際観光客数が1,000万人を突破。

  • 現在、観光産業はタイのGDPの約11%を占め、200万人以上の雇用を生み出す重要な経済部門となっている。

日本にとっては貴重な参考例

規模は違えどこれだけ長きにわたって観光政策を続けてきた事を考えると、日本政府、日本企業、日本の観光地にとってはかなりいろんな事が参考になるのではないかと思います。

実際、タイに旅行した日本の方も多いと思いますが、良い思い出を作った方が多いのではないかと思います。

これからもタイは注視していきたいと思います。

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織原松治
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