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【米国調査20】アメリカ人のしつけ

先日ライフスタイルに関する投稿をしましたが、もう少し深堀りしないと、ピンと来ないな。と思いましたので、もう少し深堀りする意味で「しつけ」について調べてみる事にしました。

詳しく見てみると日本より「競争の激しい社会環境」だと言うことが背景にありそうです。

日本人の子どもへのしつけとも対比してみました。
なお、ここでいう「子ども」は12歳以下の事を指しています。

アメリカでのしつけの特徴

自立心の育成

アメリカの躾の最大の特徴は、子どもの自立心を育むことに重点を置いていることです。

  • 幼少期から子どもに選択肢を与え、自分で決断させる

  • 失敗から学ぶことを重視し、過保護にならない

  • 早い段階から一人寝を促し、自立を促進する

これは、個人主義を重んじるアメリカ社会の価値観を反映しています。子どもを一人の独立した個人として扱い、自己決定能力を養うことを重視しています[1][3]。

アメリカ:子どもに選択肢を与え、自分で決断させる。例えば「今日は何を着ていきたい?」と子どもに尋ねる。

日本:親が子どもの代わりに決めることが多い。「今日はこの服を着なさい」といった指示をする傾向がある。

明確な規律とルール

アメリカの躾には、明確な規律とルールが存在します:

  • しつけと虐待の境界が明確

  • 体罰は厳しく禁止され、虐待とみなされる可能性がある

  • "タイムアウト"などの非暴力的な方法を用いる

これは、児童保護の精神が強いアメリカ社会の特徴を反映しています。子どもの権利を尊重し、虐待から守ることを重視しています[4][7]。

体罰と虐待の認識

アメリカでは体罰に対する認識が厳しいです[1][6]。

  • アメリカ:軽くたたくだけでも虐待と捉えられる可能性がある。児童保護の精神が強い。

  • 日本:しつけの延長として軽い体罰が許容されることがある。

タイムアウト

アメリカでは「タイムアウト」という方法が一般的です[1][3][7]。

  • アメリカ:子どもが問題行動を起こした際、一定時間(1歳につき1分程度)静かな場所で過ごさせる。

  • 日本:叱責や体罰を用いることがある。

具体的な指示

アメリカでは具体的な行動指示を重視します[7][8]。

  • アメリカ:「手で食べるのはよしなさい。お箸を使って食べてね」のように具体的に伝える。

  • 日本:「イヌ食べはやめなさい!」のように曖昧な表現を使うことがある。

感情表現の扱い(尊重)

アメリカでは、子どもの感情表現を尊重する傾向があります:

  • 泣くことを感情表現の一環として捉え、必ずしも止めようとしない

  • 子どもの意見や感情を聞き、尊重する

これは、個人の感情や意見を重視するアメリカ文化の表れです[1][3]。

プライバシーの尊重

入浴や就寝時の扱いが異なります[6]。

  • アメリカ:6歳頃から異性の親との入浴を避ける。子ども部屋も早期に与える。

  • 日本:親子での入浴や就寝を比較的長く続ける傾向がある。

褒め方

子どもを褒める際の表現が異なります[1][4]。

  • アメリカ:「I'm proud of you(あなたを誇りに思う)」といった表現を頻繁に使う。

  • 日本:控えめな褒め方をする傾向がある。

アメリカのしつけ方は、子どもの自立心を育てることを重視し、具体的な指示と非暴力的な方法を用いる傾向があります。一方、日本では親子の密接な関係性を重視しつつ、社会性を育むアプローチを取ることが多いようです。どちらの方法も、その文化や社会背景に基づいて発展してきたものであり、一概にどちらが優れているとは言えません。

日本との違い

日本の躾との主な違いは以下の通りです:

  1. 協調性vs個性:日本が協調性を重視するのに対し、アメリカは個性と自立心を重視します[8]。

  2. しつけの方法:日本では叱責や軽い体罰が許容されることもありますが、アメリカでは体罰は厳しく禁止されています[1][4]。

  3. 親子関係:日本では親子の密接な関係が続く傾向がありますが、アメリカでは早い段階から子どもの独立を促します[1][3]。

  4. プライバシーの概念:アメリカでは6歳頃から異性の親との入浴を避けるなど、子どものプライバシーを重視します[1]。

  5. 父親の役割:アメリカでは父親も積極的に育児に参加する傾向が強いです[6]。

これらの違いは、それぞれの文化や社会背景に基づいて発展してきたものであり、一概にどちらが優れているとは言えません。両国の良い点を取り入れ、バランスの取れた子育てを目指すことが重要です。

Citations:
[1] https://www.aupairlife-bic.com/useful/children/discipline.html
[2] https://kodomogakkai.jp/m/pdf/Vol_4_fujimoto.pdf
[3] https://www.hanacell.com/users/life-in-america/america-japan-childcare/
[4] https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=26608
[5] https://www.faminet.net/komet/faq/050215.html
[6] https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/418/【アメリカ:地球の暮らし方】自立意識の強いアメリカ流育児.html
[7] https://mamari.jp/1488
[8] https://www.qqeng.com/qqkids/english-column/kids20240814

Citations:
[1] https://www.shinga-farm.com/parenting/parenting-without-scolding/
[2] https://www.pewresearch.org/social-trends/2015/12/17/3-parenting-approaches-and-concerns/
[3] https://www.ishido-soroban.com/matome/505/
[4] https://www.reddit.com/r/japan/comments/n48bz2/how_do_japanese_parents_typically_discipline/
[5] https://comotto.docomo.ne.jp/column/00000040-2/
[6] https://www.aupairlife-bic.com/useful/children/discipline.html
[7] https://www.apa.org/act/resources/fact-sheets/positive-discipline
[8] https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/life/angryandscold
[9] https://jje.ac.jp/column/16033
[10] https://benesse.jp/kosodate/201711/20171110-1.html

こういう躾になる背景

躾のやり方はわかったものの、なにか腑に落ちないので、こういう躾になる背景も調べてみました。

すると少し、わかるような気がしてきました。

個人主義だとか多様性を尊重するなどは恐らく表層的なもので、本質は、競争の激しい社会だと言うことと、宗教的な概念があること、法的な制約がある事。

これを背景に、効率や、個人主義や多様性を求められるという事が言えそうです。

競争社会への適応

アメリカは競争の激しい社会であり、子どもたちをその環境に適応させるための教育が行われています。

  • 早い段階から自主性や積極性を育てる

  • 自己主張や問題解決能力の育成を重視する

  • 学歴や成功に対する親の期待が高い

宗教的背景

キリスト教の影響が強い地域もあり、子育てに反映されることがあります。

  • 自己責任の概念が強調される

  • 道徳教育や倫理観の育成が重視される

これらの社会背景が複合的に作用し、アメリカ独自の子育て文化や躾の方法が形成されています。ただし、地域や家庭によって差異があり、一概に全てのアメリカ人家庭に当てはまるわけではありません。

法的・制度的背景

  • 児童保護に関する法律が厳格で、体罰は虐待とみなされる可能性がある

  • 不登校は違法とされ、親の責任が厳しく問われる

  • 心理カウンセリングなど、専門家の介入が一般的

効率性の重視

アメリカ社会は効率や合理性を重んじる傾向があります。

  • 早期からの自立を促し、親の負担を軽減する

  • 共働き家庭が多く、子育ての効率化が求められる

個人主義の重視

アメリカ社会は個人の自由と権利を重んじる個人主義の傾向が強く、これが子育てにも反映されています。

  • 子どもを一人の独立した個人として扱い、早くから自己決定能力を養うことを重視する

  • 子どもの意見や感情を尊重し、無理強いをしない傾向がある

  • 自立心や個性の育成を重視する

多様性の尊重

アメリカは多民族国家であり、多様性を尊重する文化があります。

  • 子どもの個性や意見を尊重する傾向がある

  • 画一的な教育ではなく、個々の特性に合わせた対応を重視する

Citations:
[1] https://www.shinga-farm.com/parenting/parenting-without-scolding/
[2] https://kodomogakkai.jp/m/pdf/Vol_4_fujimoto.pdf
[3] https://www.blog.crn.or.jp/lab/01/143.html
[4] https://www.hanacell.com/users/life-in-america/america-japan-childcare/
[5] https://petersox.com/columns/emiko/
[6] https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/418/【アメリカ:地球の暮らし方】自立意識の強いアメリカ流育児.html
[7] https://aile-official.co.jp/media/2021/12/24/14731/
[8] https://www.blog.crn.or.jp/report/02/112.html
[9] https://kyoiku.sho.jp/68014/
[10] https://tororo-americanlife.com/americanchildcarestyle/

子どもに求める像

日本の場合、
勉強をして良い大学に行って、いい会社に就職すること。

これが親が求めているキャリアというのが一般的だと思いますが、こういったところに違いがあるのかも調べてみました。

多様なキャリアパスの認識

アメリカでは、「良い大学に行って、いい会社に就職する」という一元的な成功の定義よりも、多様なキャリアパスを認める傾向があります。

  • 起業家精神の尊重

  • 職業技術教育の重視

  • 芸術やスポーツなど、非伝統的なキャリアの価値認識

    この背景には、アメリカはそもそも建国以来こういった起業家精神を重視してきたのだそうです。もともとイギリスほかEUからの移民であり開拓していかなければならなかった建国の背景があります。

    また、産業構造的な違いもあるようで、アメリカは早くからサービス業や創造産業が発達し、芸術やスポーツなどの非伝統的なキャリアの価値が認識されやすい環境があったようです。

    教育政策の違いもあるようで、STEM教育のような科学技術分野の人材育成に力を入れている。というもの背景にあるようです。

実践的スキルの重視

アメリカの親は、学業成績だけでなく、実践的なスキルの習得を重視する傾向があります。

  • 金融教育やキャリア教育など、実生活に直結するスキルの習得を奨励

  • インターンシップやボランティア活動を通じた実社会での経験を重視

  • コミュニケーション能力やリーダーシップスキルの向上を促進

生涯学習の姿勢

アメリカでは、教育は大学卒業で終わるものではなく、生涯を通じて学び続けることが重要視されています。

  • コミュニティカレッジなどを通じた継続的な学習機会の活用

  • 職業転換や再教育に対する柔軟な態度

バランスの取れた人生

アメリカの親は、キャリアの成功だけでなく、個人の幸福やワークライフバランスも重視する傾向があります。

  • 家族との時間や個人の趣味を大切にする価値観

  • 社会貢献や地域活動への参加を奨励

これらの特徴は、アメリカ社会の個人主義や多様性を重んじる価値観、そして競争社会への適応を反映しています。ただし、地域や家庭によって差異があり、一概に全てのアメリカ人家庭に当てはまるわけではありません。

アメリカの親が子どもに求める理想像は、単一の成功モデルではなく、個々の子どもの適性や興味に基づいた多様なキャリアパスを尊重し、自立した個人として社会に貢献できる人材を育成することと言えるでしょう。

Citations:
[1] https://www.cgu.ac.jp/albums/abm.php?d=364&f=abm00001838.pdf&n=米・日・中におけるキャリア開発に関する一考察.pdf
[2] https://blhrri.org/old/kenkyu/data/career/career03.htm
[3] https://www.shidaikyo.or.jp/riihe/research/237.html
[4] https://www.yutoritenshoku.com/usa/
[5] https://miraico-english.com/labo/english-and-career/
[6] https://www.dream-driven.jp/article/detail.php?id=36
[7] https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2010/03/002-020.pdf
[8] https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230220/houkoku/01_kenkyu1.html
[9] https://www.dlri.co.jp/report/ld/228337.html
[10] https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/giji/20091014/001.html

まとめ

日本より競争が激しい社会であり、
それは子どもはこれから体験するわけですが、すでに社会にでている親がその状態にさらされている事から、そこから自立を求められる、効率を求められるということだと私は捉えました。

また建国の背景から、起業家精神が脈々と受け継げられているというのも見逃せない部分かと思いました。

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織原松治
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