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【米国調査24】アメリカの産業
今日はアメリカの主要産業についてです。
主要産業には自動車産業がありますが、実際は日本車がかなり走っているようですので、主要産業にはなり得ないのではないかと思います。
アメリカの産業別GDP構成比
第一次産業(農林水産): 約1.1%
第二次産業(鉱業、製造、建設、電力): 約18.9%
第三次産業(サービス産業): 約80%
商業、飲食、宿泊: 約15.5%
運輸、倉庫、通信: 約14.4%
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生成AIで作成
このデータは、アメリカの経済がサービス産業に大きく依存していることを示しています。日本よりも依存度が高いことがわかります。
特に、第三次産業はGDPの大部分を占めており、経済成長の主要なドライバーとなっています。
2023年のデータによると、アメリカのGDPは約27兆3,609億ドルであり、名目GDPは世界で1位を占めています。
また、実質GDP成長率は2.5%で、これは前年の成長率1.9%から加速しています24。
さらに、第三次産業の中でも、情報通信、金融、不動産、その他サービスが特に重要であり、これらはGDPの55.5%を占めています13。
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アメリカの主要産業
アメリカの経済は多岐にわたる産業が重要な役割を果たしています。以下に、特に注目される主要産業をピックアップします。
自動車産業
アメリカの自動車産業は、国内外の多くの企業が参入しており、特にミシガン州やカリフォルニア州が中心地となっています。日本の自動車メーカーも多く進出しており、アラバマ州など南東部の州では新たな工場が建設されています。
テクノロジー産業
シリコンバレーを中心としたテクノロジー産業は、アメリカ経済の中で非常に重要な位置を占めています。ここでは、ソフトウェア、ハードウェア、インターネット関連の企業が集まり、革新的な技術が次々と生まれています。
エネルギー産業
アメリカは石油や天然ガスの生産国としても知られています。特にテキサス州は、エネルギー産業の中心地であり、再生可能エネルギーの分野でも成長が見込まれています。
農業
広大な国土を持つアメリカは、農業大国でもあります。特に中西部の農業地帯では、トウモロコシや大豆などの作物が大量に生産されています。アメリカの農業は、国内消費だけでなく、輸出市場にも大きな影響を与えています。
医療・ヘルスケア産業
医療・ヘルスケア産業もアメリカ経済の重要な部分を占めています。製薬会社や医療機器メーカーが多く存在し、研究開発が活発に行われています。特にバイオテクノロジー分野は急成長しています。
これらの産業は、アメリカの経済成長を支える重要な要素であり、今後も変化し続けるでしょう。
アメリカの主要産業には、以下のような重要な分野が含まれます。
自動車産業
自動車産業は、特に電気自動車(EV)市場の拡大が著しく、2030年には全体の市場シェアの大部分を占めると予測されています。テスラをはじめとする企業が急成長しており、環境への配慮が高まる中で、持続可能な交通手段としてのEVの需要が増加しています。
追記:EV市場の減衰
生成系AIではEV市場の拡大が著しいとなっていますが、実際のところ、車体価格が高額で、使い始めてから充電する場所や金額、故障、維持するための費用、エネルギー問題などから、EUやUKの方では敬遠され始めているようです。
UKで日本の軽四輪車が売れている理由に、そういったEVの事情やエネルギーが不足する事や、UKの経済状態が良くない事、実際は脱炭素にならないなどの背景から日本の軽四輪車が売れているようです。
一方、タイでは中国製のEVが売れているようですが、これは車体価格を随分下げたようです。恐らく、維持を始めていくとユーザーもタイ政府もガソリン車とは考えられなかった、様々な問題に直面することになると思われます。
アメリカでのEV車の普及は限定的なものになると思われます。
テクノロジー産業
テクノロジー産業では、AIやクラウドコンピューティングの発展が進んでおり、これらの技術が産業全体の成長を牽引しています。シリコンバレーには、Apple、Google、Amazon、Facebook(Meta)、Microsoftなどの巨大企業が集まり、革新を続けています。
追記:GAFAMのビジネスの強みと減衰
GAFAMの強みは対象市場が全世界になるため市場規模が非常に大きく、海外の他国からの売上(つまり外需)が大きい事が強みとされています。サブスクリプション型の商材であることも強みとされています。
アメリカ政府はGAFAMに規制を掛けており、これまで次々と新しいテクノロジーを実装して成長を遂げてきましたが、テクノロジーが進化するにつれてプライバシー侵害にぶつかり、それら規制や裁判により成長が鈍化しています。
エネルギー産業
エネルギー産業では、再生可能エネルギーのシェアが増加しており、特に太陽光や風力発電が注目されています。アメリカは石油生産量が世界最大であり、エネルギーの多様化が進んでいます。
追記:ビックテックのエネルギー産業への参入
ビッグテック企業(Google、Amazon、Microsoftなど)は、AIやクラウドサービスの急速な拡大による膨大な電力需要を背景に、エネルギー産業への参入を加速させています。
原子力発電での小型モジュール(SMR)や再生可能エネルギー、クリーンエネルギーへの分野への投資を進めています。
農業分野
農業分野では、アメリカの農業は国内消費だけでなく、輸出市場にも大きな影響を与えています。特にトウモロコシや大豆の生産は、世界的にも重要な役割を果たしています。
医療・ヘルスケア
医療・ヘルスケア産業では、特に医薬品や医療機器の開発が進んでおり、アメリカは世界的な医療技術のリーダーです。バイオテクノロジー企業が多く存在し、革新的な治療法の開発が行われています。特に、遺伝子療法やCRISPR技術の進展が注目されています。
これらの産業は、アメリカの経済成長を支える重要な要素であり、今後も変化し続けるでしょう。
日本人も馴染みのあるアメリカの企業40社
アップル (Apple) - テクノロジー、スマートフォン、パソコン
マイクロソフト (Microsoft) - ソフトウェア、クラウドサービス
アマゾン (Amazon) - オンラインショッピング、クラウドコンピューティング
グーグル (Google) - 検索エンジン、広告、クラウドサービス
フェイスブック (Facebook) - ソーシャルメディア
コカ・コーラ (Coca-Cola) - 飲料
ナイキ (Nike) - スポーツウェア、シューズ
マクドナルド (McDonald's) - ファーストフード
スターバックス (Starbucks) - コーヒーショップ
コストコ (Costco) - 会員制倉庫型スーパーマーケット
ウォルマート (Walmart) - 小売業
テスラ (Tesla) - 電気自動車、エネルギー
ボーイング (Boeing) - 航空機製造
ジョンソン・エンド・ジョンソン (Johnson & Johnson) - 医療、消費財
プロクター・アンド・ギャンブル (Procter & Gamble) - 消費財
アメリカン・エキスプレス (American Express) - 金融サービス
デル (Dell) - コンピュータ、ITサービス
インテル (Intel) - 半導体、コンピュータ技術
ヒューレット・パッカード (HP) - コンピュータ、プリンター
シスコシステムズ (Cisco Systems) - ネットワーク機器
アドビ (Adobe) - ソフトウェア、クリエイティブツール
エクスペディア (Expedia) - 旅行予約
ペプシコ (PepsiCo) - 飲料、スナック
ユナイテッド・ヘルス (UnitedHealth Group) - ヘルスケア
エクソンモービル (ExxonMobil) - エネルギー、石油
シェブロン (Chevron) - エネルギー、石油
フォード (Ford) - 自動車製造
ゼネラル・モーターズ (General Motors) - 自動車製造
アメリカン・タワー (American Tower) - 通信インフラ
ブラウン・フォーマン (Brown-Forman) - 酒類
スリーエム (3M) - 多国籍製造業
ユニリーバ (Unilever) - 消費財
アルファベット (Alphabet) - グーグルの親会社
ネットフリックス (Netflix) - ストリーミングサービス
スナップ (Snap) - ソーシャルメディア、アプリ
ピンタレスト (Pinterest) - ソーシャルメディア
リンクトイン (LinkedIn) - ビジネス向けソーシャルメディア
ゼロックス (Xerox) - プリンティング、ドキュメント管理
アメリカン・エアラインズ (American Airlines) - 航空会社
ユナイテッド航空 (United Airlines) - 航空会社
これらの企業は、グローバルな影響力を持ち、日本市場にも多くの製品やサービスを提供しています。
アメリカの経済の課題
アメリカ経済は、現在いくつかの重要な課題に直面しています。以下に主な課題を挙げます。
1. 高インフレ
アメリカは近年、高いインフレ率に悩まされています。2021年12月には、消費者物価が前年比で7.1%増加し、これは1982年以来の高水準です。このインフレは、供給チェーンの混乱やエネルギー価格の上昇、労働市場の逼迫などが影響しています2。
2. 労働者不足
労働市場における人手不足も深刻な問題です。特に、特定の産業では労働者の確保が難しく、これが賃金の上昇圧力を引き起こしています。労働者不足は、経済成長を制約する要因となっています1。
3. 経済格差
アメリカでは、経済格差が拡大しています。富裕層と貧困層の間の所得差が広がり、社会的な不平等が深刻化しています。この格差は、教育や医療へのアクセスにも影響を及ぼし、経済全体の安定性を脅かす要因となっています6。
4. 財政赤字
アメリカの財政赤字も大きな課題です。政府の支出が収入を上回る状況が続いており、これが将来的な経済成長に対する懸念を引き起こしています。特に、社会保障や医療費の増加が財政を圧迫しています5。
5. 金利の上昇
最近の金利の上昇も、経済に影響を与えています。連邦準備制度(FRB)はインフレ抑制のために金利を引き上げており、これが企業の投資や消費者の支出に対する抑制要因となっています17。
これらの課題は、アメリカ経済の持続可能な成長を妨げる要因となっており、今後の政策対応が求められています。
6. 消費の減速
消費はアメリカ経済の約70%を占めており、経済成長の重要な要素です。しかし、インフレの影響で実質所得が減少し、消費の減速が懸念されています。特に、2023年には消費が弱含みになる可能性が高いとされています1。
7. 供給チェーンの問題
供給チェーンの混乱は、特にパンデミック以降、アメリカ経済に大きな影響を与えています。これにより、製品の供給が遅れ、価格が上昇する要因となっています。企業はこの問題に対処するために、サプライチェーンの多様化を進めていますが、完全な解決には時間がかかると見込まれています1。
8. 環境問題と持続可能性
気候変動や環境問題も、アメリカ経済における重要な課題です。政府は再生可能エネルギーの推進や温室効果ガスの削減を目指していますが、これには多大な投資が必要であり、経済成長とのバランスを取ることが求められています1。
アメリカが推進する産業と業種
アメリカは現在、特に以下の産業や業種を推進しています。これらは経済課題を踏まえた上での戦略的な選択です。
1. 製造業
製造業はアメリカ経済の基盤であり、特に自動車産業や半導体産業が注目されています。バイデン政権は、国内製造の強化を目指し、半導体の生産を増やすための政策を推進しています。これにより、サプライチェーンの強靭化と雇用の創出を図っています。特に、半導体産業は「CHIPSおよび科学法」によって支援されており、2,800億ドルの投資が計画されています。
2. クリーンエネルギー
持続可能なエネルギー源の開発も重要な焦点です。アメリカは再生可能エネルギーの導入を進め、特に風力や太陽光発電の拡大を目指しています。これにより、環境問題への対応とともに、新たな雇用の創出が期待されています。
3. 農業と食品産業
農業も重要な産業であり、特に持続可能な農業技術の導入が進められています。これにより、食料供給の安定性を高め、環境への負荷を軽減することが目指されています。
4. デジタル技術とIT産業
デジタル化の進展に伴い、IT産業やデジタル技術の導入が加速しています。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業が増えており、これにより生産性の向上が期待されています。
経済課題とその影響
アメリカは現在、労働力不足やインフレ圧力といった経済課題に直面しています。これらの課題に対処するため、政府は産業政策を強化し、特に製造業やクリーンエネルギー分野への投資を増やしています。これにより、経済の回復と成長を促進し、持続可能な発展を目指しています123456。
トランプ政権発足後のアメリカの産業政策の変化と影響
トランプ政権が発足した後、アメリカの産業政策にはいくつかの重要な変化が見られました。これらの変化は、特に製造業、エネルギー政策、貿易政策において顕著です。
製造業の強化
トランプ政権は「アメリカ・ファースト」を掲げ、国内製造業の強化を目指しました。具体的には、製造業への支援策を強化し、海外からの輸入品に対して高い関税を課すことで、国内産業を保護する方針を採りました。これにより、特に鉄鋼やアルミニウム産業が恩恵を受けましたが、同時に貿易相手国との摩擦も生じました12。
エネルギー政策の見直し
エネルギー政策においては、トランプ政権は化石燃料の採掘や生産を推進し、再生可能エネルギーの政策を後退させる傾向がありました。具体的には、石油や天然ガスの生産を促進し、環境規制を緩和することで、エネルギー自給率の向上を図りました。この政策は、エネルギー価格の安定化や雇用の創出に寄与しましたが、気候変動への対応が後回しにされる懸念もありました34。
貿易政策の変化
貿易政策においては、トランプ政権は中国を中心とした貿易相手国に対して厳しい姿勢を取り、追加関税を導入しました。この政策は、アメリカの製造業を保護する一方で、国際的な貿易関係に緊張をもたらしました。特に、農業や製造業においては、関税の影響を受けた企業が多く、経済全体に波及効果が見られました56。
まとめ
主要産業5つのうち、自動車は実際のところは日本車が4割ぐらいになっているそうなので、実際は4つが主軸ということになるのではないかとおもいます。
エネルギーの方では2000年以降シェールガスがアメリカで経済的に採掘可能になったので、外需に販売していく事になるのだろうと思います。
対中対策では、米中デカップリングが進むと思いますので、内需は増える事になると思いますが、今より価格は上がると思いますので、インフレはより強く出る形になるかと見ています。
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