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日米首脳会談 トランプ氏就任後初 2025年2月8日

石破首相がトランプ氏と直接対面されたようです。

日本にも強い関税が求められるかどうかは、グローバル企業、インバウンド、アウトバウンドをすでに行っている企業、これから始めようとしている企業には関心が高い事だと思います。

内容を見ましたが、石破首相のジョークも交えた発言があり、穏やかなムードで会談は行われたようです。

今回の内容をまとめてみました。

1.今回決まったこと

- 両国は「日米関係の新たな黄金時代」を構築する決意を確認した。

- 日本のいすゞ自動車がアメリカに新工場を建設し、多くの雇用を創出する計画が発表された。(まだ公式には発表されてはいないが、、という前置きのものに石破首相から発言)

また、トヨタ自動車の工場拡充計画も言及され、日本の対米投資が強調された。

2.合意されたこと

1. 安全保障

   - 日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて確認。

   - 日本の防衛力強化への取り組みについて、アメリカの支援とコミットメントを再確認。

   - 北朝鮮による拉致問題について、トランプ大統領から即時解決に向けた強い支持を得た。

2. 経済協力

   - 日本企業による対米投資額を1兆ドル規模まで引き上げる意向が示され、両国が協力して取り組む方針を共有[1]。

1兆ドルを日本円に換算すると、今日のレート1ドル=155.32円で換算した場合、約 155兆3200億円。

2025年度の日本の国家予算は、115兆5415億円と過去最大規模だが、それを超える投資をする。と発言した事になる。

3.保留となった事項

1. 貿易赤字問題

  • 米国は対日貿易では約10兆円(700億ドル)の赤字
    トランプ大統領は日本への関税措置を選択肢として示唆したが、具体的な対応については今後の議論に委ねられた。

    報道の中では1000億ドルと報じられていましたが、調べたところ700億ドルというのが公開情報のようです。

    2025年時点で約 700億ドル(約10兆8500億円、1ドル=155.32円換算)で、赤字の主な要因は、自動車および自動車部品などの日本からの輸出品が多いことだとのことです。

  • 日本鉄によるUSスチール買収計画について
    アメリカ側の反対姿勢が変わらず、結論は持ち越しとなったが、トランプ大統領からは「USスティールは投資となった。買収ではなく投資。USスティールはアメリカにとって非常に重要な会社だから」と発言があった。

    この会談の直前に、USスティールのCEOのブリッドCEOがトランプ大統領に直談判をしていたそうで、買収計画を認めるよう直談判していたのだそうです。

    アメリカCBSの報道では、買収計画の容認を検討と報道しており、また、USスティールで働く方は、近所の店で「買収に賛成」というポスターを掲載させてもらう活動をしている事や、USスティールがある街でも買収に賛成なのだとの事。

2. 報復関税への対応

トランプ大統領との直接対話の中で、
「日本とは1000億ドルの貿易赤字がある。これを均衡に戻していく必要がある」 と発言。

そのためには日本への関税措置も選択肢として示唆された。

これに対して、石場総理は
「お互いの利益になることが重要だ。米国の発展、日本の発展、そのために有益な制度となる事が重要だ。具体的な事についてはこれから」と回答。

トランプ大統領は、
これに対して「It's Good」と答えた。

報道陣からの質問

トランプ大統領から「日本が輸入品に関税をかけられた場合、報復するか」と問われた際、

「仮定の質問にはお答えいたしかねます。というのが日本の定番の国会答弁」と若干微妙に伝わりにくかったジョークだったようですが、一瞬、時間をおいて笑いがおこった。

トランプ大統領も「とてもいい答えだ」と返した。

3.その他のポイント

石場総理は会談を終えたあとの報道陣を前にして、

「トランプ大統領はかなり個性強烈で恐ろしい人という印象がなかったわけではありませんが、実際にお目にかかると、本当に誠実で、そして力強い、そして強い意志を持たれた、合衆国と世界に対する強い意志を持たれた方だと、お世辞全く抜きでそのように感じた」

と、明言した。

また、トランプ大統領と個人的な親交が深かった安倍元総理とのことについても会話がなされた。

石破総理:
日本と合衆国の関係は非常に近密な関係でありますが、それはすべて第1トランプ政権において、今はなき、安倍総理大臣、そのお二人によって関係が築かれた。とそのように私は承知しております。
今後も大統領閣下と、私、合衆国が力を合わせて、さらに世界が平和になるように、さらに人々が夢や希望をもって生きていけるように努めてまいりたいと思います。

トランプ大統領:
シンゾウは親しい友人でした。
とても悲しい。
彼はあなたを大変尊敬していた。

所感

中国、カナダやメキシコよりは対日は融和に捉えている。という風に思いました。

700億ドルの貿易赤字は、(トランプ大統領は1000億ドルと言っていたが)これは、アメリカが自国の経済が非常にまずい状態だからこそアメリカ・ファースト(自国を最優先)と言っているわけなので、不均衡だと捉えられるならば、日本としては許容範囲に納めていくようにすべきなのは当然だと思います。(逆の立場で考えると当然自国の利益が大事)

これはやり方によっては解消されるすべがあると思います。
要するに日本からのアウトバウンドが不都合なわけなので、比較的、均衡まで是正することはそう難しいことではないのではないかと思います。

大きな関税が掛けられる可能性は低いものの、日本経由で中国製品が入ってくるとなると、これは話が違ってくるので、これは大きな関税が掛けられる可能性はある。

また、尖閣の件についても認識の確認が取れたことも大きく、安全保障上の問題のほか、あの辺りには、かなりのエネルギー資源が眠っており、日本が資源大国になる可能性があり、日本の次の未来を担う場所になる可能性があるため、非常に重要な合意だった。と思いました。

石破首相と不仲説があった安倍元総理とのことについても会話があり、これをトランプ大統領から彼はあなたの事を大変尊敬していた。と発言があったことは、今後、多少よい影響がでるのではないかと思いました。(御本人から直接こういう事を言われたことはなんらかの影響があるのではないかと思います)

1点懸念は、対米投資額を1兆ドル(155兆円)まで引き上げる意向が示されたという点です。

投資と言うからには一般的にはリターンがあると思いますが、回収できるようなスキームで、正しく投資として行われるかどうかの懸念。

また、日本の国家予算を超える予算をどこから準備するのか?という懸念。

あまり大々的には知られていませんが、2025年になっていくつか増税が行われていますので、今後も更に増税が進み、法人に掛けられる課税、給与への課税、多くの人が利用する自動車への課税、販売されているものへの課税などによる物価の上昇などの懸念がでてくる可能性があります。



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織原松治
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