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東京タワーを作った日本の「耐震構造技術」が凄い件。バチクソ気合が入った人達が作った建築物だった

東京タワーの建設は、気鋭の職人たちで作られた事は有名ですが、どうやら設計士も気鋭の設計士だったそうで、今日はこれを記事にしたいと思います。

その前に、
東京タワーが気鋭の職人が作り上げたお話もすごい話なので、それも少しお伝いしたいと思います。

800℃に熱された鉄の釘を28万回受け渡す

工期の時間がなく、鉄柱同士を組み合わせる鉄の釘のようなもの(正しくはリベットと言う)を800℃に熱したものを、地上から、上に登っている職人で、手で投げ渡し、上にいる職人はバケツで受けて、鉄柱に打ち込む。という昭和の職人そのものやり方で「死のキャッチボール」というやり方だったそうです。

このキャッチボールは約28万回も繰り返されましたが、

上にいる職人は、安全帯や命綱を使用しなかった非常に危険な現場だったにも関わらず、死人が出た事故は1件で、当時世界一高いタワーを1年で作り上げたのだそうです。

こういう感じだったそうです

呉工業株式会社
スペシャルインタビュー 黒崎建設株式会社 取締役会長 黒崎三朗さんより
https://www.kure.com/5-56series/interview/13.html

今から考えると、狂気じみてます 笑

ただ、私の祖父も建築関係に携わっていたので、小さい頃の記憶では、祖父もかなり根性が座っていたな。となんとなく記憶があります。あの頃の時代の建築の方々だと、あり得る話だし、誇張されているわけでも、嘘もないだろうな。という風に思います。

この建設を請け負った会社

調べてみてわかったのですが、この建設を請け負った会社が、今も普段我々が耳にする竹中工務店だと言うことに驚きました。

そして、
竹中工務店の施工のもと、
写真の鳶職人の集団は、黒崎建設とう会社の人たちで、高所での鉄骨の組み立てを担当し、その技術力と勇気が評価されたのだそうです。

黒崎建設の会長である黒崎三郎さんは当時22歳で、鳶職人として建設に参加しており、命綱なしでの高所作業をしていたそうです。

これもすごい事だと思いますが、
どうも設計した人は別でいるようで、

当時の東京タワーの建設は、当時の技術水準を超える挑戦だったそうで、設計も気鋭の設計士がいたのだそうです。

「耐震構造の父」と呼ばれる「内藤多仲」(ないとうたちゅう)

Uワク UYT
東京タワーの設計者・“塔博士”内藤多仲の遺品とマンガの展示会 山梨・南アルプス市より
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/1151103?display=1

この方は「耐震構造の父」、「塔博士」と呼ばれ「内藤多仲」(ないとうたちゅう)さんと呼ばれる方がいたそうです。

設計した有名な建物は以下の通りです

  1. 東京タワー(東京都) - 1958年完成。

  2. 名古屋テレビ塔(愛知県名古屋市) - 1954年完成。

  3. 札幌テレビ塔(北海道札幌市) - 1957年完成。

  4. 通天閣(大阪府大阪市) - 1956年完成。

  5. 別府タワー(大分県別府市) - 1957年完成。

  6. 博多ポートタワー(福岡県福岡市) - 1964年完成。

ほかにも歌舞伎座や日銀の本店の増築、広島の平和祈念聖堂(重要文化財)などがあるそうです。

「耐震構造の父」と呼ばれる由縁

内藤多仲さんが「耐震構造の父」と呼ばれる理由は、日本の耐震構造技術の発展に大きく貢献したことにあります。

関東大震災後、耐震性の重要度を痛感し、耐震構造に関する独自の理論で設計したそうで、特に鉄骨構造の建物においての技術を注いだそうです。

また、早くにその技術を大学で伝える事を行ってきたからのようです。

  1. 耐震設計の先駆者: 内藤多仲は、関東大震災(1923年)を経験し、耐震性の重要性を痛感しました。彼の研究と設計は、耐震性を重視したものであり、特に鉄骨構造の建物においてその技術を発展させました[3]。

  2. 革新的な設計手法: 彼は、耐震構造に関する独自の理論を展開し、特に鉄塔設計においてその技術を応用しました。名古屋テレビ塔や東京タワーなどの設計では、高度な耐震構造を実現しています[5]。

  3. 教育と普及活動: 内藤は早稲田大学で教授を務め、多くの建築技術者を育成しました。彼の教育活動を通じて、耐震技術の重要性とその実践法を広めました[5]。

  4. 実績と評価: 内藤が設計した建物は、地震に対する高い耐性を示し、実際の地震災害においてもその効果が立証されています。これにより、彼の技術は国内外で高く評価されました。

これらの理由から、内藤多仲さんは「耐震構造の父」として広く知られ、その功績は日本の建築技術の発展において重要な役割を果たしたそうです。

Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/東京タワー
[2] https://kensetsu-gyokai.com/tokyotower/
[3] https://ksmknd16.blog.fc2.com/blog-entry-72.html
[4] https://bimcim-kenkyujo.com/other/tokyo-tower-kensetsu/
[5] https://ja.wikipedia.org/wiki/内藤多仲

日本の耐震構造の建築物への世界の評価

日本の耐震構造が世界的に評価され始めたのは、関東大震災(1923年)以降なのだそうです。

この大震災を契機に、耐震技術の研究と開発が進み、耐震基準が引き上げられたのが近代で評価されるようになったきっかけだそうです[7]。

その後、昭和初期にかけて耐震設計が進化し、建物の耐震性が向上しました。

内藤多仲が設計した東京タワー(1958年)も、日本の耐震技術の発展に寄与した一例で、「耐震構造の父」と称され、東京タワーの設計においても地震や台風に耐える構造を実現しました[2]。

しかし、耐震技術の世界的な評価は、近代の東京タワー以前からの地震対策の歴史的な積み重ねによるもののようで、内藤多仲の鉄骨建物の技術以前の木造建築においてもその技術が評価されているようで、

特に、法隆寺五重塔のような古代の木造建築物は、その耐震性が現代でも評価されているようです。[5]。

なので、近代のことだけではなく、かなり昔の建築物から日本の耐震技術の国際的な評価があり、それが更に進化していっているところに評価があるようです。

Citations:
[1] https://note.com/shokosuzuki/n/n5a9a44d6f067
[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/内藤多仲
[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/東京タワー
[4] https://www.tokiwa-system.com/column/column44/
[5] https://atm-koumuten.jp/narakenchiku/horyujigojunoto/
[6] https://www.homelabo.co.jp/select/history01.html
[7] https://taikai-kensetsu.co.jp/column/post-3125
[8] http://news-sv.aij.or.jp/kouzou/s5/s540/about_s540.htm

日本の耐震構造設計を参考に建てられた世界の建物

もしかして、これも他国で使われているのではないかと思い、調べてみました。

すると、すごいものつくるなぁと思っていた海外の有名建物も、実は日本の耐震構造設計を参考にしているものが結構あるようです。

  1. 台北101(台湾): 2004年に完成。日本の耐震技術を参考にして設計され、地震や台風に耐える構造を持っています[3]。

  2. ブルジュ・ハリーファ(アラブ首長国連邦): 2010年に完成。世界で最も高い建物で、日本の耐震技術を参考にした構造設計が施されています[4]。

  3. ペトロナスツインタワー(マレーシア): 1998年に完成。高層建築物の耐震性を高めるために、日本の技術を参考にしています[2]。

  4. 上海タワー(中国): 2015年に完成。地震や強風に耐えるために、日本の耐震技術を参考にした設計が行われています。

  5. ワールドトレードセンター(One World Trade Center)(アメリカ): 2014年に完成。再建されたワールドトレードセンターは、日本の耐震技術を参考にして設計されています[1].

  6. マリーナベイサンズ(シンガポール): 2010年に完成。地震に対する耐性を持たせるために、日本の技術が取り入れられています[7]。

  7. リヤドタワー(Kingdom Centre)(サウジアラビア): 2002年に完成。日本の耐震技術を参考にした設計が施されています[6]。

  8. カナダナショナルタワー(CNタワー)(カナダ): 1976年に完成。日本の耐震技術を応用した設計が行われています[5]。

  9. クアラルンプールタワー(マレーシア): 1995年に完成。日本の耐震技術を参考にして設計されています。

  10. モスクワ国際ビジネスセンター(ロシア): 2014年に完成。日本の耐震技術を参考にした設計が施されています。

これらの建物は、日本の耐震技術が国際的に評価され、地震多発地域での建築において参考にされている例なのだそうです。

アラブのブルジュ・ハリファや、アメリカのワールドトレードセンター、シンガポールのマリーナベイサンズなどは日本でも有名ですね。

Citations:
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/One_World_Trade_Center
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Petronas_Towers
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Taipei_101
[4] https://www.burjkhalifa.ae/en/the-tower/design-construction/
[5] https://www.cntower.ca/history-and-science/awards-and-records
[6] https://arabmls.org/al-riyadh-tower/
[7] https://www.malaymail.com/news/singapore/2024/04/05/singapores-marina-bay-sands-expansion-slated-for-completion-by-july-2029/127488
[8] https://ja.wikipedia.org/wiki/東京タワー

当時の鳶職人たちは毎日どんな事を想いでいたんでしょうね?

完成した時には、当時、自立型の鉄塔としては世界一高い建物だったわけですから、ヘッダーの写真のように月に照らされ、ライトアップされた東京タワーを見た時、嬉しかったんだろうな。と感じます。


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織原松治
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