タイで縮小する自動車市場
先日タイで日本の爆買いが起きてた
先日タイで日本の爆買いが起きていた記事を書きました。
でもタイ国内の内需は縮小しているようで、ピークの4割もダウンしているそうです。
日本のものは好き。
だけど国内の経済は悪化。
どういう状況なのか詳しく見てみました。
1. タイの自動車市場の現状
概要: タイの自動車市場が縮小傾向にあり、販売台数の大幅な減少が見られる。中国EVメーカーの進出と日本メーカーの撤退が注目されている。
• 【バンコク稲田二郎】東南アジアの自動車産業の中心地と言われてきたタイで、自動車の販売不振が続いている。
• 家計債務の悪化などで国内販売台数がピーク時の2013年からの10年で約4割減った。
• その中でも、中国の電気自動車(EV)メーカーが安売り攻勢をかけており、現地では、タイからの工場撤退を表明したSUBARU(スバル)やスズキの判断は「妥当」との見方が強い。
2. 生産台数と販売台数の推移
概要: タイの自動車生産台数と国内販売台数が年々減少しており、特に国内販売の落ち込みが顕著である。
• タイ工業連盟(FTI)などの統計によると、同国内での自動車生産台数は13年の245万7千台をピークに減少傾向にあり、23年が184万2千台と10年で25%減った。
• 直近の今年8月は前年同月比21%減の11万9680台で、13カ月連続の減少となった。
• 最大の要因は国内の販売不振だ。
• タイでも少子高齢化が始まるなど内需に力強さがなく、13年に133万1千台だった国内販売台数は、23年が77万6千台と10年で42%も減っている。
3. 販売不振の要因
新型コロナウイルスの影響や家計債務の膨張、金融機関の融資審査厳格化などが販売不振の主な要因となっている。
• 近年では新型コロナウイルス禍の後、中国人などの観光客が戻らずに景気回復が遅れ、家計債務が膨張。
• FTIによると、金融機関が低・中所得者を中心にピックアップトラックなどの自動車ローンの審査を厳格化したことなどで、販売不振に拍車を掛けているという。
• 今年8月の国内販売台数は4万5190台と同年前月比で25%減だった。
4. 日本メーカーの撤退と中国メーカーの進出
販売不振を受けて日本メーカーがタイ市場からの撤退を表明する一方、中国のEVメーカーが積極的に進出している。
• 現地で販売が伸び悩んだスバルは、24年末までにタイでの四輪車の生産を終え、スズキは25年末までに現地工場を閉鎖する方針を明らかにしている。
• タイでは近年、中国のEVメーカーが積極的に進出。
• 現地工場の新設などにより生産過剰が危惧されている。
• 中国メーカーが仕掛ける安売りによる過当競争も、日本メーカーの撤退判断に影響を及ぼしたとみられる。
• 日本の自動車メーカー関係者は「この状況では、合理的な判断だったと言えるだろう」としている。
お金がない層には「価格訴求」が響く
日本にも中国で作られたものは多い。
多くは価格が安く、あまり品質を問わないようなモノが多い。
EVは今後あまり見通しが明るくないが、それでも生活に直ぐに必要となると、安いほうを選ぶというのが、消費者心理というもの。
スバルとスズキが撤退したそうですが、スバルは高級志向の顧客、スズキは小型車で燃費の良い自動車を提供していたそうです。
スバルが撤退するのは分かるのですが、スズキも更に価格を40万ほど下げたにも関わらず、生産台数が8000台から1000台未満まで減少したそうです。
中国はBYDを中心に価格攻勢で圧力を掛けているそうです。
ただ、市場規模も小さく、これからさらに縮小していくため、重視はしなくても良いのではないかと思いましたが、そのかわりに別の市場に活路を求めていく必要もあるのではないかと思いました。
日本の中古品の爆買いは・・?
そうはいっても日本の中古品の爆買いは今も起きている。
相反するこの現象はなんだろう?
と考えたとき、爆買いが起きている以上、
「ぜったいに欲しいものは買う」
「どうでもよいものは安くて良い」
というように感じているのではないかと思いました。
日本でもそうですが、自動車自体がかつてのような人気がなくなってきました。
大きい産業ではあるものの、自動車自体への価値感が、
タイでも変わってきているのかもしれないな。とも思いました。