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【米国調査10】アメリカの主要都市の特徴と平均年収(南部(下側))
今日は主要都市の特徴と平均年収、南部編です。
南部には、ヒューストン、フェニックス、マイアミがあります。
ひと事に南部と言ってもかなり離れているので、地図を掲載します。
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今日は、主要都市が3つもあるのと、アメリカ南部も特徴があるので、長編になります。
アメリカ南部の特徴
日本でも関東と関西で文化が違うように、アメリカでも南部には特徴があるようです。
宗教と保守的な価値観
アメリカ南部は非常に宗教的な地域として知られています。特にプロテスタント、中でもバプティストやメソジストが多く、保守的なキリスト教信仰が強いです[1][4]。この信仰心の強さから、家族の絆を重視し、伝統的な価値観を大切にする傾向があります[4]。
南部特有のホスピタリティ
「サザン・ホスピタリティ」と呼ばれる、温かくもてなす文化が特徴的です[1][3]。見知らぬ人に対しても親切で、丁寧な言葉遣いを心がけます。例えば、知らない人に対しても"sir"や"ma'am"といった敬称を使うことが一般的です[5]。
独特の食文化
南部料理は、アメリカの中でも特徴的な食文化を持っています。フライドチキン、コーンブレッド、バーベキューなどが有名です[1][7]。また、甘いアイスティーも南部の代名詞的な飲み物です[5]。
スポーツ文化
特にアメリカンフットボールへの情熱が強く、大学フットボールは南部文化の重要な一部となっています[6][10]。
音楽
ブルース、ジャズ、カントリーミュージック、ロックンロールなど、多くの音楽ジャンルが南部で生まれ、発展しました[1]。
独特の方言
南部なまりと呼ばれる独特の英語の話し方があります。例えば、"you all"を"y'all"と縮めて使うのが特徴的です[5]。
歴史的背景
南北戦争の影響が今でも文化に残っており、時に「失われた大義」として南部のアイデンティティの一部となっています[1][4]。
これらの特徴が組み合わさり、アメリカ南部は独自の文化的アイデンティティを持つ地域となっています。ただし、南部内でも地域によって違いがあり、例えばルイジアナ州やフロリダ州、テキサス州などは、それぞれ独自の文化的要素を持っています[7]。
どこの国も赤道に近い南の方に行くほど、フレンドリーになる印象があるのですが、アメリカでもそうなのかもしれないですね。
あと、そう言えば忘れていましたが、アメリカは南北戦争がありましたね。
これはまた調べたいと思います。
Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国南部
[2] https://www.ryugaku.ne.jp/knowledge/flow/select/regionmap/south
[3] https://www.knowatlanta.com/blog/everything-you-need-to-know-about-southern-culture
[4] https://www.keio-up.co.jp/kup/tachiyomi/pdf/9784766417739.pdf
[5] https://www.efjapan.co.jp/blog/language/southern-american-culture/
[6] https://eujournal.org/index.php/esj/article/download/10120/9608
[7] https://southern-kitchen.com/regional-tradition/
[8] https://www.try-it.jp/chapters-11824/lessons-11837/
[9] https://en.wikipedia.org/wiki/Culture_of_the_Southern_United_States
[10] https://www.apriori-eye.com/entry/usa-southern-culture
それぞれの主要都市の概要
ヒューストン
1836年に設立された石油産業と宇宙開発の拠点。
人口160.4万人、平均年収$52,649 (7,897,350円)
人口規模では神戸市に近い人口です。
フェニックス
1867年に設立された砂漠地帯の都市。
人口160.8万人、平均年収$60,914 (9,137,100円)
人口規模では神戸市に近い人口です。
マイアミ
1896年に設立された多文化都市で観光地としても有名。
人口44.2万人、平均年収$44,268 (6,640,200円)
人口規模では、神奈川県の藤沢市、千葉県の柏市、東京の町田市に近い人口です。
それでは詳しく見ていきます。
ヒューストン
1836年に設立された石油産業と宇宙開発の拠点。
人口160.4万人、平均年収$52,649 (7,897,350円)
人口規模では神戸市に近い人口です。
ヒューストンは1836年に設立された比較的新しい都市です。
1836年8月30日、不動産業者のアレン兄弟(オーガストゥス・チャップマンとジョン・カービー)がバッファロー・バイユーの河岸に都市を創設しました。
都市名は、当時のテキサス共和国大統領で、サンジャシントの戦いで指揮を執った将軍のサミュエル・ヒューストンにちなんで名付けられたそうです。
ヒューストンの特徴
ヒューストンは、テキサス州最大の都市で、全米第4位の人口を誇ります。
石油・エネルギー産業の中心地として知られ、「世界のエネルギー・キャピタル」と呼ばれている[2]。
NASAのジョンソン宇宙センターがあり、航空宇宙産業も盛んだ[3]。また、世界最大級の医療研究施設群であるテキサス・メディカル・センターを有し、先端医療の拠点としても重要な役割を果たしている[2][6]。
文化的には多様性に富み、90以上の言語が話される多文化都市である[8]。ヒスパニック系住民の比率が高く、独自のTEX-MEX料理文化も発展した[10]。
さらに、美術館や博物館が充実しており、スポーツも盛んで、プロスポーツチームも多数拠点を置いている[10]。
Citations:
[1] https://www.wifi-travel.jp/blog/houston-tourist-attractions/
[2] https://www.houston.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/txok_city.html
[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒューストン
[4] https://newt.net/usa/mag-40577384756
[5] https://kotobank.jp/word/ひゆーすとん-3165583
[6] https://www.city.chiba.jp/shimin/shimin/kokusai/documents/report-houston-2017.pdf
[7] https://skyticket.jp/guide/105495/
[8] https://www.gousa.jp/experience/houston-texas-city-attractions
[9] https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2022/e2ba552884246b13/Texas_Houston_202204.pdf
[10] https://www.scgr.co.jp/globalnetwork/northamerica/2020101545285/
なぜ、ヒューストンでは多様な産業が発達したのか?
ヒューストンには、メキシコ湾に近く、内陸部との交通の要衝があり、地理的優位性がありました。
また、1901年にスピンドルトップ油田で石油が発見された事、それに伴って石油会社、関連会社がヒューストンに拠点を置きました。
加えて、自動車やエアコンの普及でヒューストンの気候的なデメリットが解消された。
地理的優位性:メキシコ湾に近く、内陸部との交通の要衝にあったこと[1]
資源の発見:1901年にスピンドルトップ油田で石油が発見されたこと[1][6]
民間企業の進出:石油会社や関連企業が自発的にヒューストンに拠点を置いたこと[4]
技術革新:自動車やエアコンの普及により、ヒューストンの気候的なデメリットが解消されたこと[8]
これらに加えて、テキサス州の政治家が、航空宇宙産業や医療研究施設群を誘致した事によって多様な産業が発達しました。また、これらにはリスクを負ってでも夢に立ち向かうテキサスの人々の起業家精神、チャレンジ精神が背景にあったのだそうです。
Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒューストン
[4] https://plusroadtrip.com/houston/
[6] https://ja.wikipedia.org/wiki/テキサス州の石油ブーム
[8] https://www.houston.us.emb-japan.go.jp/jp/ryojikan/page20060710-2.htm
ヒューストンの発展の時系列
ヒューストンの成り立ちと発展の経緯を時系列で調べてみました。
1836年: 設立
8月26日: エリザベス・パロットがジョン・オースティン測量区の東半分の南半分をアレン兄弟に売却[3]
8月30日: オーガストゥス・チャップマン・アレンとジョン・カービー・アレンが「ヒューストンの町」の広告を初めて掲載[3][1]
都市名は当時のテキサス共和国大統領サミュエル・ヒューストンにちなんで命名される[1][8]
1837年: 市制施行
1月1日: 人口12人、丸太小屋1軒のみ[3]
1月中旬: 最初の蒸気船「ローラ号」がヒューストンに到着[3]
6月5日: 正式に市制が施行され、ジェームズ・ホルマンが初代市長に就任[1][3]
テキサス共和国の首都となる(1839年まで)[1]
(なんと!最初は人口12人から始まった都市!)
1840年代-1860年代: 初期の発展
1840年4月4日: ヒューストン商工会議所が7人のビジネスマンによって設立[3]
1860年頃: 綿花の集積地・輸出拠点として栄える[1]
商業や鉄道交通が発展[1]
1900年-1914年: 石油産業の勃興
1900年: ガルベストン・ハリケーンを契機に、より安全な内陸港の必要性が高まる[1]
1901年: スピンドルトップ油田で石油が発見され、石油産業が興る[1]
1914年: ヒューストン港が開港[1]
1920年代-1960年代: 急速な成長
1920年代: 石油精製・石油化学産業の中心地として成長[1]
1961年: NASAのジョンソン宇宙センターが設置され、航空宇宙産業が発展[1]
1970年代-1980年代: 人口急増と経済変動
1970年代: 北部から南部への人口と産業の移動により、ヒューストンの人口が急増[1]
1973年: 第一次オイルショックで石油産業が潤い、雇用が創出される[1]
1980年代中盤: 原油価格暴落により経済が沈滞[1]
現代: 多様な産業と文化の中心地
アメリカ合衆国南部のメキシコ湾岸地域における経済・産業の中枢[1]
石油産業、宇宙探査、医療研究といった産業・技術開発をリードする先進都市[1]
全米第4位の人口(約230万人)を有する大都市[1][8]
多様性に富む文化と、豊かな自然、歴史、芸術、食文化を持つ魅力的な都市[1]
この時系列は、ヒューストンが比較的短期間で急速に発展し、現在では多様な産業と文化を持つ大都市へと成長したことを示しています。
Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒューストン
[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒューストンにおける日本人の歴史
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Timeline_of_Houston
[4] https://nfljapan.com/team/hou
[5] https://www.at-newyork.com/travel_info/ニューヨークの歴史/20世紀史(being-capital-of-the-world)/
[6] http://www.houstonculture.org/resources/houstontime.html
[7] https://www.mycountrymobile.com/ja/blog/713-area-code/
[8] https://www.scgr.co.jp/globalnetwork/northamerica/2020101545285/
フェニックス
1867年に設立された砂漠地帯の都市。
人口160.8万人、平均年収$60,914 (9,137,100円)
人口規模では神戸市に近い人口です。
フェニックスの特徴
フェニックスは、砂漠の中に発展した現代的な大都市であり、独特の文化と経済的機会を提供する魅力的な都市として知られています。
広々とした並木道、スペイン風の建築様式、周囲の山々がロサンゼルスに似た景観を作り出しています。「太陽の谷」(Valley of the Sun)という愛称を持ち、年間を通じて日照時間が長いことが特徴です。
ソノラ砂漠の北端に位置し、平均海抜331メートルにあります。年間を通して温暖で乾燥した気候が特徴で、特に夏は非常に暑くなります。年間降水量は約183mm(7.22インチ)と少なく、年間を通じて晴れの日が多い都市です。
経済と産業
かつては農業中心でしたが、第二次世界大戦後に急速に発展しました。現在は、ハイテク産業、航空宇宙産業、観光業が主要産業となっています。特に半導体やエレクトロニクス産業の拠点として知られています。
文化と観光
アリゾナ州の文化の中心地で、砂漠植物園、楽器博物館、ハード美術館など、多くの観光スポットがあります。また、プロスポーツチームの本拠地としても知られています。
フェニックスの成り立ち
フェニックス(アリゾナ州)は、1867年にソノラ砂漠北東部で灌漑事業とともに計画された都市です。
※灌漑事業≒かんがいじぎょう:農作物を育てるために必要な水を、河川や地下水、ダム貯水池などから人工的に農地に供給・排水する事業。
ネイティブアメリカンの影響
フェニックスの土地はもともとネイティブアメリカン(ホホカム族)が居住しており、彼らは広範囲にわたる灌漑システムを構築していました。この技術が後の開拓者たちによる農業発展の基盤となりました。
開拓と農業
1867年、入植者たちがこの地に灌漑システムを復活させ、綿花、オレンジ、ムラサキウマゴヤシなどの農作物を生産する農地を開拓しました。
灌漑による農業の成功により人口が増加し、1881年には自治体化されました。
州都としての発展
1889年、フェニックスはアリゾナ準州の州都に指定され、政治的な中心地としての地位を確立しました。
産業と経済の発展
20世紀初頭にはニューディール政策によるコロラド川のダム建設(ルーズベルトダム、フーバーダムなど)で電力供給が強化され、軍事産業や航空機産業が発展しました。
1990年代以降は半導体やエレクトロニクス産業が急速に発展し、「シリコンデザート」と呼ばれるほどになりました。この発展には安価な土地や労働力、乾燥した気候が寄与しています。
観光都市としての側面
フェニックスは砂漠環境を活かした観光都市としても発展しました。市内には砂漠植物園があり、市周辺にはグランド・キャニオン国立公園やサワロ国立公園など多くの自然保護区や観光地があります。
フェニックスはネイティブアメリカンの技術を基盤に農業で発展し、その後、政治的中心地として成長し、現代ではハイテク産業と観光でさらに繁栄する都市へと進化しました。
Citations:
[1] https://note.com/hayasakanagisa/n/nd42d87057a5f
[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/フェニックス
[3] https://esta-travelsite.com/arizona-phoenix/index.html
[4] https://www.etymonline.com/jp/word/phoenix
[5] https://fenixtyo.com/about/history/
[6] https://news.mynavi.jp/article/20240806-3000226/
[7] https://www.dpt.gr.jp/history/
[8] https://katagi.w.waseda.jp/takei.htm
[9] https://miyazaki.tege2.jp/2016/08/40582/
[10] https://ja.wikipedia.org/wiki/フェニックス_(アリゾナ州)
マイアミ
1896年に設立された多文化都市で観光地としても有名。
人口44.2万人、平均年収$44,268 (6,640,200円)
人口規模では、神奈川県の藤沢市、千葉県の柏市、東京の町田市に近い人口です。
マイアミは、フロリダ州南部に位置する多文化都市で、温暖な気候と美しいビーチで知られています。
人口の70%以上がヒスパニック系で、特にキューバ系が多く、「リトルハバナ」と呼ばれる地区もあります。
経済は国際貿易、観光、金融が中心で、世界最大のクルーズ船寄港地としても有名です。
アートデコ建築が並ぶサウスビーチや、エバーグレーズ国立公園など、観光名所も豊富。「ラテンアメリカへの玄関口」として、中南米との経済的・文化的つながりが強いのも特徴です。
地理と気候
北緯25度47分、西経80度13分に位置し、熱帯モンスーン気候に属します。
年間を通して温暖で、夏は高温多湿、冬は温暖乾燥です。
エバーグレーズ国立公園とビスケーン国立公園に隣接する唯一の主要都市です。
人口と文化
人口約46万人で、都市圏人口は約600万人に達します。(*)
ヒスパニック系住民が70%以上を占める多文化都市です。
スペイン語が広く使用され、キューバ系アメリカ人が多く居住しています。
※人口約46万人で都市圏人口が約600万人の意味
人口46万人は、マイアミ市の行政区域内に居住する人口で、公式な境界線内に住む人口を指すそうです。都市圏人口が約600万人というのは、「マイアミ都市圏」または「グレーター・マイアミ」と呼ばれる広域エリアの人口を指すそうです。
この地域には:
マイアミ市
周辺の衛星都市(例:マイアミビーチ、コーラルゲーブルズ、ハイアリア)
近隣の郡(マイアミ・デイド郡、ブロワード郡、パームビーチ郡など)
が、含まれるそうです。
経済
国際貿易、金融、観光、エンターテイメント産業が盛んです。
マイアミ港は世界最大のクルーズ船の寄港地です。
「ラテンアメリカへの玄関口」として知られ、中南米との経済的つながりが強いです。
観光
マイアミビーチ、リトルハバナ、ビスケーン湾など、多くの観光名所があります。
アートデコ建築で有名なサウスビーチは特に人気があります。
エバーグレーズ国立公園でのエアボートツアーも人気のアクティビティです。
その他の特徴
世界クラスの美術館や科学博物館があります。
プロスポーツチームの本拠地としても知られています。
「マジックシティ」というニックネームで呼ばれることもあります。
マイアミは、その多様な文化、温暖な気候、経済的重要性、そして豊富な観光資源により、アメリカの主要都市の中でもユニークな存在として知られています。
Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/マイアミ
[2] https://www.newworldencyclopedia.org/entry/Miami,_Florida
[3] https://www.sisinternational.com/ja/カバレッジ/アメリカ大陸/米国の報道/市場調査-マイアミ-フロリダ/
[4] https://en.wikipedia.org/wiki/Miami
[5] https://www.getyourguide.jp/maiami-l176/
[6] https://www.miamiandbeaches.com/things-to-do/attractions
[7] https://bokuryuu.com/miami-information/
[8] https://www.worldatlas.com/cities/miami-florida.html
[9] https://www.holidify.com/places/miami/sightseeing-and-things-to-do.html
[10] https://ja.wikipedia.org/wiki/マイアミ都市圏
アメリカ南部(下側)のまとめ
冒頭の方にも書きましたが、赤道に近いところは温かいので、農業が発展しやすく、食料が豊富に確保できる。という背景があるのではないかと思いました。
それを基盤に都市として発展しやすかったのでは?と思いました。
また、書いていて感じたのですが、陽気で、地元意識が強い地域なのかな?という風にも感じました。
地図を見ると、マイアミはとても港としても良い位置で、ラテンアメリカとの貿易はしやすいだろうし、内陸部の他の都市への輸送もしやすいのかもしれないと思いました。
内陸部の幹線道路は、まだ良くわかりませんが、こちらも詳しく調べてみたいと思います。
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