【前編】中国は日本以上に急激に衰退するのかもしれない
不動産売買の楽待のYoutubeチャンネルで、
中国経済についてかなり詳しく話されていましたので、この記事を投稿します。
この動画で話されている方は、
中国出身ですが、
日本にはもう36年おられ、様々なシンクタンクにおられた方へで、中国出身でありながらも奇譚の無い意見をされる方なのだそうです。
という気持ちで意見されているのだそうです。
と言われる事もあるそうですが、言論活動をしている人間ですから真実の事を言わなければいけない。と考えているのだそうです。
内容ぎっしりなのに、論理的で興味が湧く流れで話が進んでいくので、前編、後編の2本があったのですが、一気に見てしまいました。
中国の情報はなかなか確かな情報を得るのが難しいと思っていたところへの動画でしたので、今日はこちらについて紹介したいと思います。
この投稿は長編になります。
なるべく把握しやすいように箇条書きにしていきます。
その前に柯 隆さんと楽待さんの紹介をさせていただきます。
東京財団制作研究所 主席主任 柯 隆(か りゅう)さん
中国不動産バブルの著者
中国出身の方だが、もう36年になるそうで、1988年に来日し様々なシンクタンクにおられたそうです。
中国南京市生まれで、1988年に来日。
名古屋大学大学院を卒業後、総合研究所国際調査部。
その後、富士通総研経済研究所の主席研究員
楽待
国内最大の不動産投資サイト「楽待」が運営するYouTubeチャンネルです。不動産や不動産投資に関する情報はもちろん、経済・金融・株式投資など、投資に関する情報を幅広く発信。
運営は株式会社ファーストロジック
プレミアムプランで有料動画も配信しているそうで、不動産の会社のチャンネルですが、とてもおもしろいテーマを良く取り上げているチャンネルです。
中国の経済減速の理由
中国経済は停滞が続いており、不動産業界の不況が背景にある。
中国不動産バブル 本当にバブルだったのか?
意外とバブルとはなにか?をわかっている人は少ない
辞書を開いてもちんぷんかんぷんの曖昧な書き方 しかしてないので例えばねあの適切な価格 を大きく上回った状態と書かれていて多分一般の方はわからない。
マンション購入額を基準で捉える
マンション購入額で、
会社員の年収と比較した場合はいえ6倍以内が上限。
1000万の年収なら6000万以内。
それ以上だと危ないと言われるのだそうです。
日本のバブルの時は18倍だった
日本のバブルの時は首都圏の不動産価格は年収の18倍だったのだそうです。
中国のバブルはなんと50倍
北京、上海、深センこの3大都市では中国人会社員の50倍以上になり、日本以上にバブルになっている。という事なのだそうです。
中国はもともと不動産開発ができない国
中国は土地は国有なのでもともとは不動産開発ができない。
そこで目をつけたのが、日本の定期借地権から学んだのだそうです。
定期借地権で貸す。というコンセプトでやろう。ということになったのだそうです。
商業施設は一律50年・宅地マンションは70年
オフィス だとかホテルとか商店とかの土地は50年で全て一律。
宅地マンションは70年はいで決めた。
ただ、デベロッパーが政府から落札したそのハンコを押した瞬間から70 年なるため、その後、デベロッパーがマンション建てるのに10年かかったと すると残り60年となる。
中古マンションは買いづらい
上記の期間のみになるので、実際に中古でマンションを買うというのは難しいのだそうです。
中国は購入しかない
中国人のマンションへの消費者心理
中国人の消費者心理として、10年支払って、手元になにも残っていないと損しているように感じるのだそうです。
賃貸マーケットが育っていない
契約をちゃんと守る文化が育っておらず、
お互いが相手を疑い、
貸している方は、せっかくの物件をちゃんとキレイに使っているのかというのが気になり、
借りている方は、追い出されるとどうしよう。
というふうに感じるのだそうです。
結局、借りない。
借りるのは、少数の出稼ぎ労働者が借りるのみなのだそうす。
若者はマイホームを希望するが・・・
若者は大体マイホームに行く風潮だが、
女性がですね結婚する前提として、必ずボイフレンドのファミリーに対し て家を買わないと結婚してやらない。と言う風潮ができてしまっているのだそうです。
女性の超強気の風潮に対して
当然、若い男性がマンションを買うなどできない。
しかし、
中国は一人っ子政策をやってきているので、子どもはひとり。
そのひとりの我が息子が結婚できない事は感化できない。
ということで、
親が老後の資金の一部ないし全部を取り崩して頭金に当てるのだそうです。
これによって
中国不動産の実需ができている状態のだそうす。
実需はバブルを起こさない
これが食べ物であれば、
基本的に必要な分だけ食べるし、不必要なモノは買わない。
なので過剰になることはない。
実需の上に投資と投機が入ってくるとバブルが一気に膨らむ
食べ物も米などの穀物のように投機が入ってくると、金額が上がるが、それと同じように、中国不動産にも投機が入ってきたため、バブルが膨らんだ。
なぜ投機と投資が入ってきたのか?
中国人はお金を貯めるのが大好きなのだそうです。
ここは日本人とも共通しているのですが、
日本人の場合は貯蓄に回し欲張りすぎない。
ただ、中国人の場合は欲張りで、リターンを求めるのだそうです。
最初に、株式投資を考えるが、なんども損をしてしまうので、怖い。
その次に考えるのが、不動産なのだそうです。
2番目に不動産を考える理由
中国は固定不動産税がないのだそうです。
日本なら、土地にも建物にも、毎年掛かるわけですが、これが無いので、投資を大胆にやれる事になるのだそうです。
助長に助長を重ねて50倍まで膨らむ
この固定資産税がない事で、3大都市で50倍まで膨らんでしまったのだ層です。
土地自体は、国のものなので、そもそも税金がかからない。
それが投資を助長する事になってしまったのだそうです。
こういう負のサイクルがあるのだそうです。
中国 住宅価格指数
グラフからは暴落しているようには見えない。
理由は全国平均を取っているというのもあるし、プライスコントロールされているのもある。
※北京とチベットでは大きな差がある。
経済学を勉強している方の中では平均というものはミスリードされてしまうので、あまり見ないのだそうです。
ただ、その平均値でさえ−4.5%下がってきている。
これからして
不動産バブルは崩壊している。
のだそうです。
中国で不動産が売れない理由
1.不動産価格が上がっているので買えない。
会社員の年収だととても買えるレベルではなくなっている。
2.コロナ禍で400万社の中小零細企業が倒産している。
3.これによって若者の失業。統計より実際はもっと多い。
中国政府が発表している若者の失業率は13%なのだが、実際はそんなもんではないのだそうです。
参考のデータがになるが、今年大学大学院を卒業したのが1176万人。
内定が取れたのは48%。
ただ、中国の場合は内定をもらったからといって就職ができるとは限らない内定なのだそうです。
半分以上が、就職できていないので、不動産を買うと言うことに至らないのだそうです。
若者層の「寝そべり族」化・「青年老人ホーム」
こういう背景があるため、家を買わない、車買わない、結婚しない。親に養ってもらう時期が続く「寝そべり族」化が起きているのだそうです。
また、若者がご飯を食べさせてもらうほうな施設もあるのだそうで、可処分所得が著しく低くなっているためにこういった事がおこっているのだそうです。
一部、資金力がある層も「価格が下がるのを待っている」
いまの金額が、不動産価格の底ではないので、一部、資金がある層も翌年は価格がもう少し下がるんじゃないかと、様子を見ている状態になっているそうで、
この状態は典型的なデフレの状態なのだそうです。
中国バブルは崩壊したと言ってよいのか?
多くの中国研究して専門家の方が 言うには中国のえ不動産価格は、崩壊 してれば価格はもっと暴落するはず。ということで、中国政府は公表してる価格指数見るとえ 暴落ま下がってはいるけど暴落にはかない。
だからまだ不動産バブルは崩壊してないと言ってる人結構いるのだそうです。
ただ、かりゅうさんは書籍の中でも書いたが「崩壊している」と判断しているそうです。
理由は2つ
価格統制による不動産価格の実態隠蔽: 中国政府は不動産価格をプライスコントロールしており、公式に発表される価格指数は実際の市場価格を反映していない。実際の取引価格は政府が決めた価格を下回っており、取引が成立しない状況が多発しているため、実際には価格が大きく下落している。
ようは数字の隠蔽があるらしい・・
暴落しているように見えないように数字をコントロールしているらしい・・不動産デベロッパーの債務超過: 多くの不動産開発業者が債務超過に陥っており、特に大手のデベロッパーは大規模な負債を抱えている。この債務は利息を支払わなければならない有利子負債であるため、時間が経つほど負債が膨らむ性質があり、早急な対処が求められている。
かりゅうさんはもうバブルを認め、早く返済しないと時間が経過する事に利子が増えるので、早急に対処しなければいけない。との事。
ほかにも
地方政府と不動産の関係
中国の地方政府は土地を管理し、少しずつ払い下げを行っている。
土地の使用権を払い下げた際の売上は地方政府に帰属し、地方政府はその資金で年金などの社会保障を賄っている。
地方政府は土地の価格を上げるためにデベロッパーと癒着し、土地価格が上昇している。(お前のところに落札させない。など)
年金制度の問題
中国の年金制度は地方ごとに異なるプールで管理されており、地域間の移動が難しい。
経済発展が遅れている地域では年金資金が不足しており、若者が都市部に移動することでさらに資金が不足している。
土地の売上を年金プールに注入する必要があるが、地方政府の財政が厳しい状況にある。
要は制度の欠陥によってバブルが膨らんでしまった
これだけ不動産開発をするなら固定資産税をいれなければ行けない。
AさんとBさんが落札の時にテーブルのしたで癒着するのは必ず後味が悪いものになるのはわかっているのに何も対策が打たれていない。
経済が登り坂の時にいくら不正やっても気持ちもの。
経済が下り坂に入ってきてるので いざと言った時にじゃどうしようか・・。という状態になっている。
との事。
「恒大集団」「碧桂園」はじめとする不動産デベロッパーの経営状況
債務超過になっているので、厳しい。
この恒大集団だけで2兆人民元の債務を抱えており、日本円に換算すると40兆円となる。
※日本の年間予算の3分の1ぐらい。
こういう時は、経営者の言動を見るらしい。
癒着しながら、あの手、この手を使ってやっているので、長くは持たないとみていたのだそうです。
習近平はこの深刻な状態だという事をおそらく理解していない。
との事。
中国は日本と同じく失われた30年と同じ道を歩むのか?
歩むことになるが、結末が違うのだそうです。
違う点1:製造技術の有無
日本ではバブルが弾けたが、残っていたものがある。
それは製造する技術。
これがあったので社会的な不安が少なかった。
景気が悪くなっても、コツコツものづくりを進める事ができたので、気持ち的には焦る必要がなかった。
中国の場合は、技術も失ってしまう事になる。
アメリカに経済制裁されており、経済が下り坂なので、外国の企業が中国を離れていく。すでに日本企業は離れている。(日本製鉄の合弁解消、ホンダの生産工場工場のダウンサイズ、日野自動車のエンジン工場止めたなど)
中国企業にとって学ばなければいけない先生を失うことになる。
違う点2:銀行への飛び火と地方政府
日本でもバブルのあと銀行に飛び火したのだが、中国も同じように銀行にする。しかし中国の銀行は国有なので潰れない。なので銀行は守れる。
だが、一つだけ守れないものがあり、
それは地方政府が守れないのだという。
バブルの時に地方政府はものすごく財源を得ていたのだそうですが、すでにわかっているだけで100兆人民元の負債を抱えているらしい。
100兆人民元を日本円に換算すると2100兆円。
この金額は日本の1年間のGDPの4倍にも相当するらしく、天文学的な数字なのだそうです。
何が困るか?100兆人民元に利子が付くから
有利子負債なのでが当然利子が付く。
そうすると中国人の年金ファンドへのプールができない。
となると、このままいくと、
年金生活受注者は、今後約束されている年金額を満額もらえない可能性が高く、年金難民が生まれる可能性がある。との事。
もともとプール金額が少ない地方の政府はより苦しい懐事情になるとの事。
地方政府設立の「融資平台」の仕組み
融資平台(ゆうしへいたい)とは、
地方政府がインフラ投資を行うために資金を集めるために設立された投資会社なのだそうです。動画のなかではプラットフォーム、第三セクターのように表現されています。
一応、法人格であり、国では無く民間企業。
この組織が投資信託の形でお金を借りていたわけですが、もうどれぐらいなのかわからないが、ものすごく膨大な金額を借りてきているのだそうです。
これが地方政府の「隠れ債務」と扱われているそうで、本来なら地方インフラを支えなければ行けないところが、地方政府の収入が減少し、融資平台の財務状況も悪化しているとの事。
かりゅうさんに寄ると、倒産する融資平台が多いらしく、図を見ていただくと、融資平台の上に地方政府がある。つまり、融資平台が債務不履行になると、地方政府が支払いをしなければいけないことになるそうです。
なぜ融資平台の資金調達が必要だったか?
ひとつは不動産開発。
もうひとつはインフラ整備で必要だったとの事。
地下鉄や発電所などが必要だった。
ただこれもガバナンスが効いておらず結果的にやりすぎだった。
Aというプロジェクトをやるのに、本来なら100億円で済むところが、癒着があるので200億円になってしまう。という事があとから発覚するなどがあったとの事。
腐敗が横行しており、社会の制度が資本主義、民主主義になっていないのにこういう風にやっていくと必ずパンクするので、地方政府が負債を抱える原因になって行ったのだそうです。
実際の図はもっと複雑。矢印ごとに賄賂が発生する。
この図はシンプルにした図なのだそうで、実際にはもっと複雑なのだそうです。
また、矢印ごとに賄賂が発生する。
賄賂は個人に対して数十億円から数百億円
日本人が考える賄賂はせいぜい数万円から数千万円ぐらいだと思うが、桁が違う。
個人に対して、数十億から数百億円規模の賄賂になってくる。
(インタビューアの方は「は〜、そんな規模の賄賂があるんですか?!こ・言葉がでない・・」と言っていました)
物品の腕時計や、一軒家を二戸、三戸もらうみたいな見た事がある。
9月になると中秋の明月になる。
日本ではお中元というものがあるが、中国では月餅(げっぺい)をプレゼントする風習があるのだそうです。
幹部の人ほど、この月餅を多くもらうわけですが、自宅に帰って、月餅の箱を開けると、BMWの鍵が入っていたりする。らしい。
中国政府の対策
不動産バブルが崩壊しているのは気づいているはず。
また、地方政府のバランスシートが壊れているというのもわかっているはず。
ただ、どれぐらい深刻か?
というところまではわかっていないと思う。との事。
取り巻きの人間が本当の話を言うと怖いので多分教えていない。と思う。
少し粉飾しながら、まぁ大丈夫だろう。というような報告をしていると思う。
今のところ、思い切った措置はおこなれていない。
中国共産党の三中全会
経済政策の方針を決める重要な会議で、中国共産党の最高指導期間である中央委員会が開く「中央委員会第3回全体会議」の略。2024年は7月におこなれた。
このコミュニケ(話し合ったことの公式文書)には、不動産バブルと、地方財政のところには、最後に二言だけ書いてあり、具体的な対処のことには触れていない。との事。
充分な緊張感をまだ持っていない。と言う事。
との事。
多くの日本人がかりゅうさんにこういう事をよく聞きに来る
とは言えなにかしらの対策は打っているのでしょうか?
中国政府は、国営銀行に3000億人民元のファンドを用意し、売れ残ったデベロッパーのマンションを買い取って低所得者に安い家賃で貸し出す政策を考えています。しかし、この政策には以下の問題があり、Too late too small。小さすぎて遅すぎた。との事。
規模の不足: 3000億人民元は、例えば広大集団のような一社だけで2兆人民元の債務を抱えている状況に対しては小さすぎるため、効果が限定的です。
救済対象の誤り: この政策はデベロッパーを救済することを目的としており、個人を助けるものではありません。このゲームをもう一度最初に戻すには、個人を助けなければ戻らない。対象とすべき相手が違う。
どれだけレバレッジを効かせても、焼け石に水。
この政策は意味がないとのこと。
住宅ローンの金利の引き下げが始まったが・・
金利引き下げの影響は軽微
中国政府は住宅ローンの金利を引き下げたが、中国の金利はまだまだ高い。
その幅はわずか0.1ポイント(10ベーシスポイント)にとどまっており影響は軽微になる。
中央銀行が金利を引き下げて一番困る人はだれか?
市中銀行(いわゆる民間の銀行)が一番困るらしい。
中国の銀行の収益構造は、利ざやで稼いでいる。
つまり、貸出金利と預金金利の差額で稼いでいる。
つまり中央銀行が金利を下げると利幅が小さくなるので、場合によっては倒産してしまう可能性があるらしいです。
ちなみに利ざや方式は、日本の銀行も同じなのだそうで、アメリカは手数料方式らしいです。
国有銀行に意図的に高い利ざやを儲けさせている
なぜ、金利を少ししか下げないかと言うと、国有銀行に儲けさせる必要があるからだとの事。
国有銀行が最も貸し出している先は国有企業だからだととのこと。
国有企業は、国がやっている企業団体なので、無責任だし経営が悪いので、毎年一定の不良債権が出てくる。
そうすると、不良債権をだした国有企業に取り立てをしなければならないが、国有企業の後ろには、共産党の幹部がいるので、取り立てができない。
その穴埋めのような形で、利ざやの半分ぐらいを引き当てる。
という事をやらなくてはいけないからなのだそうです。
100億円の不良債権がでたとしたら50億円を利ざやで儲けたもので、国有企業を助ける。ということをしなくてはいけないのだそうです。
大きく金利を下げる事もできない
1年物の融資の金利が3.25%ぐらい。
普通の市場経済の考え方で言うと、これを思い切って2%などにすればだいぶ市場は変わる事は想像できるが、これをやってしまうと、国有銀行が耐えられないので、大きく下げる事もできない。のだそうです。
すべて矛盾している
国有銀行を潰すわけにもいかないし、債務のために高い金利を取っておかないといけない。すべて矛盾しているんです。と最後に締めくくった。
次の投稿
後編の動画では、今後の中国経済と日本への影響についてお話しされています。