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【米国調査3】アメリカの人口分布(人種・移民編)
今日はアメリカの人口分布です。
今回でアメリカの人口分布を調べきれると思ったのですが、多種多様で、すべて調べるまでには至りませんでした。
今回の投稿は、人口分布の中の人種・移民についてしらべましたので投稿します。
アメリカの人口統計
2024年1月1日時点でのアメリカ合衆国の推定人口は3億3500万人です。
この数字は、50州とワシントンD.C.を含む数字であり、海外領土は含まれていません。
人種別構成
白人: 65.9% (218,123,424人:約2億2000万)
ヒスパニック・ラテン系: 18.6% (61,755,866人:約6200万)
その他: 15.8% (52,572,618人:約5200万)
アフリカ系: 12.5% (41,288,572人:約4000万)
アジア系: 5.8% (19,112,979人:約2000万)
合計すると、5億7000万ほどになり、アメリカの総人口3億3500万人を超えてしまいますが、これは人種カテゴリーが重複するためです。
アメリカでの国税調査では、複数の人種カテゴリーに登録できるため、こういう分類になってしまうためです。
これも日本では考えにくいことですね。
1位が白人が約6割。
2位のヒスパニック・ラテンが約2割。
ヒスパニック・ラテンって具体的には何なのか?
ということですが、
ヒスパニックとラテンは言葉のルーツが違うもので、意味としては近い言葉なのだそうです。
だいたい、スペイン語、ポルトガル語、フランス語を使う方とその子孫。
地域的には、建国前の植民地時代からアメリカにいる方もいるので広く分布しており、地域でいうのは難しいですが、上記の言語を使う人に加えて、南米やカリブあたりのルーツを持つ方のことを言うそうです。
この呼び名のルーツを調べてみると、ちょっとおもしろい事もあったので、以下に記載します。
ヒスパニック
スペイン語にルーツを持つ人々を指す言語的概念で、スペインや旧スペイン植民地出身者とその子孫を含む。
ラテン
地理的概念で、北アメリカ大陸のメキシコから南アメリカ大陸にかけての地域を指します。
この地域の多くがスペイン語、ポルトガル語、フランス語などのラテン系言語を公用語としていることに由来。
また、主にスペインとポルトガルによる植民地支配の歴史に基づいており、これらの国々がこの地域を支配していたことから、「ラテン」という接頭語が使用されるようになったのだそうです。
主な言語はスペイン語、ポルトガル語(ブラジル)一部の地域で英語、フランス語、オランダ語。
ヒスパニックの具体的な地域
メキシコ、コスタリカ、パナマなどの中米、アルゼンチンなどの南米、キューバなどのカリブ海、ヨーロッパではスペイン、アフリカ赤道ギニア出身、その子孫の方を指すそうです。
ラテンの具体的な地域
北アメリカ大陸:メキシコ以南
中米地域:グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ベリーズ
カリブ海地域(西インド諸島):キューバ、ジャマイカ、ハイチ、ドミニカ共和国など
南アメリカ大陸:コロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドル、ペルー、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、アルゼンチンなど
その他が16%。
アフリカ系が13%
アジアが6%。
という構成のようです。
白人が6割の大多数で、ヒスパニック系が2割で、その他がたくさんいる。
というのがアメリカの人種構成のようです。
黒人が結構いるイメージがありましたので、13%というのが意外でした。
ここも少し調べてみました。
アフリカ系アメリカ人の起源
アフリカ系アメリカ人(黒人)の多くは、17世紀から19世紀にかけて奴隷としてアメリカに連れてこられた人々の子孫なのだそうです。
1619年:最初のアフリカ人奴隷がバージニア植民地に到着
17世紀〜19世紀:約120万人のアフリカ人がアメリカ大陸に強制的に移送され、そのうち約64.5万人が現在のアメリカ合衆国に連れてこられた。
1860年:奴隷人口は400万人に達した。
アメリカの移民政策
アメリカは他国からの移民の受け入れに寛容です。
これも日本とは違う点だと思います。
アメリカは年間100万人以上の移民を受け入れており、その数は政策変更や世界情勢によって変動しているようです。
また2023年には、アメリカの外国生まれの人口が過去最高の4780万人に達し、前年から160万人増加。これは過去20年間で最大の年間増加となのだそうです。
アメリカの総人口が3億3500万人なので、7分の1ぐらいが移民。
7人に1人が移民だと言うことを考えると、日本と比べるとかなり高い比率だと言えると思います。
歴史的背景
アメリカは建国以来、移民によって発展してきた国で、1776年の独立以降、多くの移民を受け入れ、国の基盤を形成してきたそうです。
そもそも建国時にも植民地にするために、英国ほかヨーロッパから移民してアメリカが建国されてりうわけなので、そういった歴史的背景が、現在の移民に対する寛容な姿勢の根底にありそうです。
移民受け入れの利点
歴史的な背景だけでなく、実質的なメリットも大きいようです。
経済的メリット
労働力の確保: 少子高齢化や人口減少に対応し、労働力を確保できます[4]。
経済成長の促進: 移民労働者が需要の高い分野で活躍し、経済を活性化させます[4]。
起業家精神の供給: 多くの成功したスタートアップの創業者に移民が含まれており、経済に大きく貢献しています[5]。
社会的メリット
多様性とイノベーションの促進: 異なる文化や価値観が新しいアイデアやイノベーションを生み出します[4]。
国際競争力の強化: 多言語・多文化に対応できる人材が増えることで、国際競争力が向上します[4]。
人的資本の獲得
高度人材の流入: イノベーションやテクノロジーの変化に対応できる高度な技能を持つ人材を獲得できます[5]。
特許出願の増加: 外国人留学生による特許出願が多く、技術革新に貢献しています[5]。
アメリカの移民への寛容さの理由
多様性の価値観: 近年、アメリカ人は多様性により大きな価値を置くようになっています[3]。
文化的豊かさ: 移民が持ち込む文化がアメリカ社会を豊かにしています[3]。
国家のアイデンティティ: 移民の国としての歴史が、寛容さを国家のアイデンティティの一部としています[3]。
違法移民
年間100万人の移民を受け入れているアメリカですが、合法移民と、違法移民がいるようで、その比率は下記の比率です。
合法移民:77%
非正規移民(違法移民):23%
違法移民(非正規移民)に関連する主な問題は以下の通りです。
社会的問題
貧困の連鎖: 正式な就労ができないため、貧困から抜け出せない状況に陥りやすい。
人身売買のリスク: 弱い立場につけこまれ、人身売買の被害に遭うケースがある。
劣悪な労働環境: 違法雇用により、過酷な労働条件や低賃金を強いられることがある。
社会保障の欠如: 医療保険や生活保障を受けられないことが多い。
家族との分離: 家族の帯同が認められず、長期的な家族との分離を強いられる場合がある。
経済的問題
違法雇用の増加: 企業が安価な労働力として違法に雇用するケースが増える。
賃金の抑制: 一部の労働市場で賃金が押し下げられる可能性がある。
経済的負担: シェルター等の提供による受入国の財政負担が増加する。
治安・社会秩序の問題
治安悪化の懸念: 違法移民の増加が治安悪化につながるという懸念がある。
社会的軋轢: 移民に対する反感や差別が生じる可能性がある。
政治的問題
移民政策の対立: 違法移民への対応をめぐり、政治的対立が深まる。
国境管理の課題: 大量の違法入国者により、国境管理が困難になる。
人道的問題
人権侵害のリスク: 弱い立場につけこまれ、様々な形の搾取や虐待を受ける危険性がある。
亡命審査の長期化: 亡命希望者の審査が滞り、長期間の不安定な状況が続く。
これらの問題は、違法移民自身だけでなく、受入国の社会や経済にも大きな影響を与えています。
Citations:
[1] https://gooddo.jp/magazine/inequality/immigration/11211/
[2] https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Overseas/2007/ROR200723_001.html
[3] https://gooddo.jp/magazine/inequality/immigration/11242/
[4] https://www.dlri.co.jp/report/macro/330512.html
トランプが問題視しているもの
違法移民も問題視していますが、合法移民も問題視しているようです。
理由は、アメリカ・ファーストの考え方が根源となっており、国内の雇用の保護や、人口が多い白人ナショナリスト的な考え方に沿ったもののようです。
アメリカの移民政策のまとめ
アメリカが移民を受け入れ、寛容な姿勢を示す理由は、経済的利益、社会的多様性、そして歴史的背景に基づいています。移民がもたらす新しい視点や技能が、アメリカの継続的な成長と発展に不可欠だと認識されているのです[5]。
Citations:
[1] https://gooddo.jp/magazine/inequality/immigration/11228/
[2] https://gooddo.jp/magazine/inequality/immigration/11242/
[3] https://americancenterjapan.com/aboutusa/society/116/
[4] https://www.yolo-work.com/13764
[5] https://forbesjapan.com/articles/detail/13987
まとめ
人種カテゴリーが複数登録できる事には驚きましたが、世代が進むごとに、他の人種と結婚して子どもを生んでいけば、たしかに複数にまたがる人種カテゴリーができてしまいます。
これは日本では想像がつかないことですね。
また移民政策ですが、
歴史的背景があるとはいえ、とてもアグレッシブで寛容だと思いました。
ただ、これから調べる事になると思いますが、その反面、貧富の格差や犯罪率などもあるのだろうと思います。
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