Too big to failなLiquid Restakingと憂い

なんとなくAIに生成させてみたので、なんとなくピンとこない。

今日も変わらず、衝動とノリと勢いに任せる。また後日綺麗にしたバージョンは出すかも。エンジニアの方からしたら分かりきってる話かもしれないので恥ずかしいが、勇気を持って分かったと思ったことは書く。
まず、根本的にLiquid StakingとLiquid Restakingは持っているリスクの性質が違う。分かりきってることかもしれないけど。

Liquid Stakingはすごい

その昔、Tarun大先生はLendingとかの利回りはPoSネットワークのセキュリ
ティの不安定性に繋がる可能性があるって話をしていた

We demonstrate that it is also possible for on-chain lending smart contracts to cannibalize network security in PoS systems. When the yield provided by these contracts is more attractive than the inflation rate provided from staking, stakers will tend to remove their staked tokens and lend them out, thus reducing network security.
….
Our results illustrate that rational, non-adversarial actors can dramatically reduce PoS network security if block rewards are not calibrated appropriately above the expected yields of on-chain lending.

by Tarun大先生

要は「ETHの運用先がAAVEとかになりすぎてValidatorにならないと困るわな」っていう単純なお話。細かい分析は大先生にお任せして、一旦この事実だけを拾う。
もしかしたら、この後関連研究ですでに調査済みかもしれないけど、ここから広げるとLSTはむしろEthereumのsecurityを高める方向に向かう。validatorへのstakingの障壁である32ETHを開放して、少額でもstakeすることでネットワークのセキュリティに貢献できるようにした。これは当たり前の事実だけど、この文脈で強調したいのは、Validator報酬の利回り vs Lendingとかでの利回りというジレンマを解消したことである。Lendingでの利回りにもアクセスしたいなら、一旦LidoにETH突っ込んでstETH握ってそれで好きにすれば良くね?ってお話。最近出てきたPoLとかはこれをLSTなしでも良いようにしている。

Liquid Restaking

これについてはずっと自分の中でも色々悩んだりしている。
まず、Restakingはすごい。アンチとかじゃない。技術的にも相当すごいことなんだろうし、そこに莫大なマーケットが立ち上がっている。確かにPoSネットワークをゼロから頑張るより、ETHでやってもらった方が良さそうではある。
ただ、そもそもVitalikはEthereumでなんでもやろうとしないで欲しいっていうスタンス
直接ETHを引き受けるんじゃなくて、LSTを引き受けるんであれば、特に上で述べたような問題は起きない。
一応LRTにまつわるリスク分析はTarunがガッツリ始める雰囲気を感じている。今は一旦分析フレームワークの提示にとどまっているけど。

じゃあ何が問題か?Ethereum外のプロトコルにして、将来的に持ち得る影響力がとんでもなく、Too big to failになり得ることである。しかも、Ethereum本体がどうしようもないところで。そして、とんでもない規模のETHが悪意のある主体の手に渡ることになる。これは、それ自体を儲けとして持ち帰ることも、さらにEthereum全体を攻撃するための原資とすることもできる。
本来、Ethereumがその上のRollupやdAppの都合のためにハードフォークしたりするのは現実的じゃない。それは当然、あまり正しい姿ではなさそう。まあ、昔にはそんなこともあったけど。

これは、Eigenlayerと限らず、Ethereum上で大きくなりすぎたもの全般に対して言えることだが、特にミドルウェアやブリッジなどのセキュリティがここにかかってくると思うと、単なる損害だけでなく他のあらゆるレイヤーが露骨に機能不全になる可能性があるので、相対的にEigenlayerのそれの方が重そうではある。雰囲気的に。

もちろんEigenlayerはそんなことが起きないようにできることは全てやるだろうし、これらは全部空想上のお話であって、いろんな不運が重なりに重なった結果起き得る自体の話ではある。なので、改めていうと、別にLRT反対でも何でもない。

ここからは空想に空想を重ねたSF小説ではあるが、Eigenlayerが大きくなりすぎた果てにfailした時、Ethereum communityはハードフォークすべきか否かを問われることになるんだろうと思う。攻撃を受けた以前に実質的に巻き戻るべきか否か。

もちろん、単純明快に考えればそんなものNoではある。ただ、あまりにもL2周辺の被害が甚大になったり、あるいはEthereum自体が危険に晒されるとなると、事情は違うと思う。自己保身のために救済措置を取らざるを得ないシーンがあるかもしれない。まさにToo big to failだ。2008年のUS経済におけるリーマンという存在が、最悪の局面のEthereumにとってのEigenlayerになるのかもしれない。その時、モラルハザードのリスクを飲んでEthereumはEigenlayerを救うんだろうか。ハードフォークをめぐってとんでもない議論になるんだろうな。

何も別に、彼らを悪役にしたいわけでもないし、これが実際にそのような状況になる確率なんて本当に計算したらかなり低いんだろうとは思うので、ある意味ここには戯言を書いてはいるが、何となく気にしている問題ではある。

PoSって難しい

上のTarunの分析の延長だが、やはりPoSはかなり厄介な設計だと思う。ネットワークとしていろんな指標が伸びているとき、あるいは相対的にアセットの価格が安定している時にはいいが、そこが不安定になったり、下落したり、そうでなくても利回りが沈んで行った時には、そのPoSネットワークのinflationを受け取ろうとし続けるインセンティブがなくなり、セキュリティのためにdepositされているアセット量は減る。
もちろん、こうなっているときはそもそも攻撃インセンティブが低くなるからある意味とんとんではあるが、とはいえ誰が弱小国の莫大な信用創造を間に受け続けるねん…っていうお話。PoSのセキュリティは市場の下降局面においては露骨に弱くなるっていうことは認識しておいて損はなさそう。


一旦内容はここまでですが、もし何かここ違うよ!とかあれば教えてくださると泣いて喜びます。


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