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vol.4 「転勤軸から自分軸へ」仕事と家庭の狭間で揺れた転妻歴4年目、庄司の場合

「へー、そうなんだー。大変だね。」

転勤族の妻になってから何度この言葉をかけられたことか。

昔から仲の良い地元の友人や実家の家族に悩みを相談するってこと、よくありますよね。
私は結婚後から「大変だね」と共感はしてもらえるものの、悩みの解消まではなかなかできなくなりました。

それは、転妻には、独特の環境や悩みがあるからだと思うんです。
(それがわからない地元の友人や家族が悪いんじゃなくて。)

私は今、転勤族の妻専門のカウンセラーとして活動しているのですが、転妻図鑑を書くことになったのは、れみふくさんの記事をブログで紹介させていただいたことがきっかけでした。(https://ameblo.jp/mutsumi-shoji/entry-12628501305.html

私の転勤歴はまだ浅いのでお役立ち情報はあまりお伝えできませんが、自身のキャリアについては結構悩んできた経験があるので、そのお話をさせていただきたいと思います。

基本情報

【転勤頻度&範囲】
基本は3年〜5年の転勤頻度で、範囲は日本全国です。
・大阪→埼玉→長野(今ココ)

【家族形態】
夫(3歳上、営業マン)、息子(2018.12生まれ)、私、の3人家族。
女の子も欲しいなぁ。

【帯同or単身赴任】
今までは帯同していますが、数年以内に単身赴任を検討中です。

転勤族としての素養

私が転妻になる前のお話を少し(ご興味なければ読み飛ばしてくださいね)。

Twitterではたまに「こんな人は転妻に向いているor向いていない」という投稿を見かけます。

私はどちらかというと人との繋がりがないと辛いタイプなので、そういう点から考えると向いていないように見えるかもなのですが、自分では転妻としての元々の素養はあったんじゃないかな、と思っています。

というのは、東京(郊外)の実家で暮らしていた22年間は、親族がみんな遠いところに住んでいて、完全なる核家族で生活していたからです。

父は北海道、母は山口の出身。上京してその土地に住み着いた2人の間に生まれた子供だったので、私たち姉妹(下に妹が2人いて、3人姉妹です)はアウェー感満載。いざという時、近くに頼れる相手がいないという今の転妻としての生活に、かなり近いものがあって、それに慣れてしまっているというのがあります。

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また、結婚前の生活で人生最大の孤独を経験したことも、転妻としての素養の1つになったかな、と思っていて。

私は、東京の大学を卒業した後、新卒で京都の老舗印刷会社に就職して、そこで初めての1人暮らし・初めての社会人生活を同時にスタートさせたんですが…

その時の孤独がもう、すごくって。

京都勤務の新入社員は私1人で、職場の同僚の歳は近くても10歳年上。京都周辺にいる親族・友人は皆無で…、毎日、毎週末、孤独でたまりませんでした。
(入社したてで仕事もできなくて、怒られまくってましたしね…)

実家の家族や友人に電話をかけたり手紙を書いたりしてみても、絶対に埋められないものがそこにはあって。

幸い、そのあと職場に年齢の近い新入社員が数名入って、少しずつ関係性ができたことで、孤独感は消えていったんですが。それまでの丸2年ほどは、本当に寂しくて、孤独で、辛かったです。

今は、少なくとも夫や子供がいるので、その時と比べると全然楽で。あの時の経験があるからこそ、この転勤生活を楽に構えられているというのはあると思います。

転勤族になってから1番辛かった時期

転妻としての素養はあったのではないか、とは思うものの、はじめから全てを受け入れられたわけではありません。

転勤族だから結婚を見送るという発想は特になく、夫とはあっさり結婚したんですが、結婚後の生活は将来の不安でいっぱいでした。

結婚当時はまだカウンセリングを仕事にできていなかったので、少しでも近い仕事をしようと転職したばかりのタイミングで(入籍したのが転職から2ヶ月くらい)。それがより一層モヤモヤを加速させたんですよね。

思い切って転職したことで、カウンセリングとは全く畑違いの仕事から中途採用の就職支援(キャリアカウンセラーと呼ぶときもあります)ができるようになったことは、自分にとって一歩前進ではあったのですが…、転勤族になることは、"この先もずっと働き続けたい"という昔からの思いに反するところが多かったのです。

また、私は子供が好きなので、子供が欲しかったんですが、産むとまたそれはそれで働けないしな…と、ここでもモヤモヤ。

結婚後はしばらくずっとモヤモヤしていました。夫や友人、実家の家族に相談しても、特に解決策は見出せなかったですし(別にその人たちが悪いわけではないんですが)。

だから、手帳に書き出して将来をシミュレーションしまくってみたり、転勤がありながらも働き続ける方法を探そうと、色んなセミナーに行ってみたりして、「この場で100万円払って講座に申し込みませんか」と迫られて困ったこともあります(もちろん丁重に断って帰りましたけどね)。

これが私の転妻としての失敗でした。

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転勤を軸に将来を考えると失敗する

これを読んでくださっているあなたは、当時の私のように転勤ありきで将来を想定しすぎないように注意していただきたいのです。

転勤を軸に自分の人生を決めようとすると、「転勤ありきの人生」になってしまいます。

もちろん、将来の計画を立てること自体は大切です。ある程度の見通しを書き出して整理することも身になるでしょう。だけど、転勤を軸にシミュレーションをしすぎると、転勤の決定が出るまでやりたいことを始められなかったり、転勤の出方によって方向性を考え直さなければいけなかったりと、結果的に転勤に振り回されやすい状況に陥りがちになります(私がそうでした)。

ではどうすれば良いかというとーー

「自分はこうする」と、自分が心から望んでいることを先に決めてしまうんです。そして、そのためには転勤へどのように対処すれば良いかを考える、と。この順番は超重要です。

私の場合は、実は仕事よりも子供を選んだ経緯があります。本当は甲乙つけがたいくらい、働くことも好きだけど、私にとっての1番の望みは子供を持つことだったんです。

だからまずは子供を優先して、仕事のことは悩みすぎずに(これはこれで難しかったけど!)、与えられた仕事を全力でやりきることを考えることにしました。

そして、妊娠・出産し、仕事は家庭と両立できる形で継続。途中で転勤があって退職を余儀なくされましたが、それでもなんとか保活・就活をして再就職(別会社のキャリアカウンセリング職)し、今に至ります。

…こういう風に書くと、意志の強さが必要なように感じられるかもしれませんが、そうでもありません。私は少し前までは自信が無くて仕方なく、意志もヨワヨワな人間でした。それでも、自分に対して信頼できることを増やしていこうともがいているうちに、最低限の自信をつけられるようになった感じです。

人生の限りある時間を、後悔や迷いに多く使ってしまうのはもったいないです。だから、転勤があるからと将来を決めずにいるのではなく、自分がどうしたいのかを軸に行動を決めていくことが、私たちには必要だと思います。

迷った時の判断基準

そうは言っても、新しいことや挑戦的なことに一歩踏み出すのは勇気がいりますよね。

そんな時に思い出していただきたいのは、「選択しない」のも選択の1つだということ。そして、後悔は、"やった後の後悔"より"やらなかった後悔"の方が強く残るという人間の心理があるということです。

だから私は、「選択しないこと」を選択し続けて後悔するのではなく、「やってみたけど上手くいかなかったこと」を後悔する方がずっといいと思うんです。

カウンセリングの仕事を個人で始めようと思った時も、「うまくいくのかな?」と感じることはもちろんありました。でも、それはやってみないとわからないし、毎日、毎分、毎秒、この刻々と過ぎていく時間の中で、「選択しないこと」を選択し続けるより、やってみて失敗して後悔して、そこからまた再チャレンジするのか、新しいことを考えるのかをした方が良いんじゃないか、と考えました。

あなたの人生の主人公はあなたです。もし将来、「転勤族の夫のせい」「子供のせい」で自分の人生が上手くいかなかったなんて思うようになるのは悲しいです。

たとえ家族の影響で転勤があるとしても、自分の人生は自分しか責任が取れません。だからこそ、自分で舵を取る気持ちが大切だと思います。

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「自分の価値=収入」は間違い

転勤族の妻は、転勤が理由で退職しなければならなかったり、なかなか就職ができなかったりということがあると思います。私もそうだったのでお伝えしたいのですが、仕事の有無や収入の高低って、イコール自分の価値に直結するもの、と、錯覚しがちです。

たとえば、転勤で退職して自分の収入がゼロになってしまって、自分の社会的価値も無くなってしまったかのように感じたり(私もありました)。

でも、そんなのは間違いです。仕事があってもなくても、収入が低くなっても、あなたの価値は変わりません。妻として、あるいは母として、やるべきことはやっているはず(完璧でなくても十分)。

当たり前ですが、人の価値はお金では測れません。それが頭でわかっていても、自分自身に対しては不思議とそう感じてしまいがちだから怖いのです。

今の状況で生活できるのなら、収入が無かったり低かったりする自分を責めなくていいんです。"やってもやらなくても良いけど、自分はどうしたいのか?”、"何が自分の幸せなのか?"、そこから考えた方が楽しいし、長続きします。

孤独と立ち向かうには

転勤族の妻に孤独はつきものです。実家や友人とは離れた距離で暮らす場合がほとんどなので。

しかし、実を言うと、私は転勤族になってから孤独で辛かったことはまだありません。

それは、新社会人の時に丸2年間の超絶な孤独を経験していたので、その時と比べれば夫や子供がいる今の方がよっぽどマシだからというのはもちろんなんですが、1番は自分の妹や友人の存在があるからだと思います。

私は実家に年の離れた妹が2人(5歳下、7歳下)いて、自分の小学校や大学で出会った大好きな友人たちに、事あるごとに連絡を入れては無駄話をしていて。私が孤独に強いとかメンタルが強いとか、そんなわけでは全然なく、昔からの人との繋がりに救われているというのが正直なところです。

心理学的にも孤独は大敵です。精神状態が悪化するのは、大抵は孤独な状況に置かれた時だったりします。

だから、これを読んでくださっているあなたがもし孤独を感じる場合、実家や友人で少しでも話せる相手がいるのなら、ちょっとだけでも連絡を取るようにしてみてください。

「突然、何?」と思われたって良いと思います(私は友人に結構自分から連絡しているのですが、実際に「突然だなー」と思われている時もあると思います)。大切なのは、あなたが元気でいられることだってこと、忘れないでください。

未来の話

私は今、人生で1番やりたい、カウンセリングの仕事をやっているというのは前述したとおりです。

将来的にはもっと多くの人の力になれるよう、さらに実力をつけて、「救えるだけの人は救った」と後悔のない気持ちを持ちながら死にたいと思っています(いきなり死ぬ話ですみません)。

まぁ、こんなに後悔しないことに固執しているのは、後悔しやすい・心配性で不安がりな性格の現れなんですけどね(苦笑)

今は、住む土地、家、単身赴任のタイミングなど、まだ決められていないことばっかり。また、個人でやっているカウンセリングと在宅の就職支援の仕事を並行するのも、簡単なことばかりではありません。

そしてーー

数年先に訪れる夫の単身赴任やワンオペ育児はきっと大変なんだろうなぁ、と…。

不安なことを数えだしたらキリがありませんよね(それでも浮かんでしまうのが悲しいですが)。

でも、できる限りの今を生きられたら、未来もきっとなんとかなる。そう考えて、やりたいことを少しずつ実践しながら生活しています。

(※ちなみに、単身赴任を判断するポイントについてはこちらで少し扱っています。参考までに。https://www.instagram.com/tv/CDK9HSjpYAn/

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まとめ

マインド的な話ばかりになってしまいましたが、ヒントになるようなことはありましたでしょうか?ちょっと肩肘張って書いたので、読みにくいところがあったらすみません。

自分のブログでも、Twitterでも、ここまで深く自分の転妻人生について掘り下げたことは無かったので、自分自身、書いていて新鮮でした(簡単な自己紹介はこちらhttps://ameblo.jp/mutsumi-shoji/entry-12618034114.html)。

れみふくさん、このような機会をくださり、ありがとうございました!

転勤族の妻には悩みどころがたくさんありますが、どんなことに悩むかは人それぞれです。この記事があなたの何かに繋がれば嬉しく思います。

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