浅絳山水って何?
今月の教室の手本は現代風浅絳山水です。
また難しい漢字が登場です。せんごう(せんこう)さんすい、と読みます。
絳は赤の意味で、実際は岱赭(たいしゃ)という茶色い色を使います。したがって浅絳とは岱赭を薄く着色するといった意味でしょうが、私の手本はけっこう濃く着色しています。
浅絳山水の描き方としては、墨で岩や樹木などを描いて、岱赭となぜか藍色で彩色します。色といえば赤と青ということでしょうか。岩や樹木は赤土色でなんとかなるし、空も木の葉も水もすべて「青い」の一言で片付けられると言えなくもないですね。
大陸では元代以降、山水といえばこの浅絳山水がベースになっているように思います。日本においても江戸期の南画にこの浅絳山水がよく見られます。
しかし、このスタイルは日本の現代水墨画ではほとんど見られません。私の印象としては岱赭と藍色の形式的な組み合わせが昔風な印象を与えているのだと思います。加えて、水墨画は着彩すべきではない、という日本人の水墨画に対する観念にも負うところが大きいのかもしれません。
水墨画における着色や南画についてはまた別にお話しします。