読書記録「教科書御用達小説の主人公はクズでヘタレばかり」
こんばんは。数学検定もいよいよ明後日に迫ってきました。過去問を解き、苦手な問題は間違えます。公式テキストにはそこまで書いてないので、過去問についてる別冊の解答と解説を見ながら「この問題はこう解くのか」と新たな発見の連続です。そういう問題は形を変え、必ず出題されます(連立方程式にもある)。
あとは計算ミスです。角度を問う問題で、180度から引き算するのも計算ミスをやらかしてます。本番でそのようなことがないよう、ちゃんと見直しをしなくてはいけません。
幸い、リアル中学時代に苦手としていた「図形の証明問題」は出ないようです(出るとしたら、既に合格している2次検定?)。てか、いい歳したおばちゃんが、今さら中学生の数学の問題を解いて「新たな発見だ!」はないでしょう。
佐藤功「教科書御用達小説の主人公はクズでヘタレばかり」(河出書房新社)
高校の現代文の教科書に収録されてる小説。いろいろあります。芥川龍之介「羅生門」、中島敦「山月記」、夏目漱石「こゝろ」……
まあそういう小説は、国語(現代文)の授業では時間が足りないからなのか、教育上よろしくないのかわからないけど、深読みしない傾向にあります。その常識を覆したのが、この本なわけであります。
芥川龍之介「羅生門」
中島敦「山月記」
森鷗外「舞姫」
夏目漱石「こゝろ」
梶井基次郎「檸檬」
太宰治「富嶽百景」
横光利一「頭ならびに腹」
についての考察が収められてます。私が教科書で読んだ(読まされた?)のは、「羅生門」「山月記」「舞姫」「こゝろ」でしょうか。大学の授業と混乱しているかもしれない。「頭ならびに腹」は大学の授業で読んでます。
そうそう、授業で読んだ横光利一の小説が面白くて、一瞬だけ「近代文学のゼミに入門したい…」なんて思ったことが蘇ってきましたw
著者は高校の国語の先生です。地域の公開講座で、これらの作品について話すうちに、受講者は「ちゃんと読んだことがない」ことに気づく。確かに文庫で広く流布しているとはいえ、一度「つまんない」とインプットされては、こちら側(受講する側)としても読む気にはならないでしょう。
キング・オブ・クズは、「舞姫」の太田豊太郎だと思います。この本では近代文学で取り上げられるのは「愛すべきクズ」としてますが、太田豊太郎は救いようがないと思います。本当のことを知ったら、高校の授業で取り上げるのも敬遠されるのではないかと。
「こゝろ」は、ダイジェストでしか触れた記憶がありません。やっぱりそれは今も変わらないようです。上中下の3部構成で、上中のダイジェストがさらっと書かれてて、下の一部だけ教科書に掲載されてた気がします。
授業で「こゝろ」をやるからと、母に文庫を買ってもらったことも思い出しましたが、幼稚な野球ヲタクには難解でした。
この本を読んで、改めて読みたくなったのは「こゝろ」かなー。
高校の先生がいけないわけではないと思うんです。「クズでヘタレ」だと気づいたら、生徒がどんな反応をするのやら…それを思うと何かがストップするのでしょう。