産後うつとはまた違う、産褥期精神病とは何なのか
産後すぐの精神疾患といえば「産後うつ」です。その名の通り産後3か月以内に発症するうつ病で、出産した10人に1人が罹患するといわれています。しかし、産後の精神疾患は産後うつだけとは限りません。
「産褥期精神病」と呼ばれる精神疾患があり、こちらはうつ状態だけでなく躁状態、幻覚や妄想などが症状として表れます。また、必要以上の恐怖感を感じたり疑い深くなったりと、別人のようになるケースもあります。産後うつとは全く別で、且つ緊急性の高く深刻な病気です。
実際に罹った経験のある人によれば、幻覚や幻聴が突然現れ、起きているのか寝ているのかも曖昧になり、別の人格が勝手に動き出すような感じだったといいます。症例が少ないため診断まで時間はかかりましたが、1か月半の入院を経て寛解したそうです。夫ら家族が育児を代わってサポートしてくれましたが、こうした幸運が重なってもなお、乳児にとって大切な時間を棒に振ったことで結局苦しむ人も居ます。
症例は500~1000人に1人と非常に稀で、診断できる病院は非常に限られています。その上、明確な原因も分かりません。こうした病で一番困るのが、周囲の理解を得にくいことです。適切な治療さえ受ければ1~2か月で寛解し、その後は子育て出来るので、今のところは周知徹底こそが最大の薬と言えそうです。環境づくりも治療の要ですから。
参考サイト
産後うつとの違いは?「産褥期精神病」の症状と基礎知識
この記事は障害者ドットコムの以下の記事より転載しております。2024年1月以前のバックナンバーもこちらからどうぞ。