身体表現性障害とダイエット
身体表現性障害とは「心身の過労や身辺の環境変化等がストレス要因となり、日常生活を妨げる自覚症状(痛み、吐き気、しびれ)が生じる障害」です。
治療の過程で、長期の休養を必要とするため、その期間を利用して、復職のためのダイエットに取り組む人も多いと思います。
46才で診断された私も、復職に向けてダイエットに取り組んできました。
その経験で気がついた、身体表現性障害への「有効性」と、過去の失敗から学んだダイエットでの「教訓」について、お話させていただきます。
私がなぜ身体表現性障害になったのか
私は、元働いていた職場が事業撤退したことにより、現職場へ移動となりました。そのために、私の職場環境が一変してしまいます。
新しい職場での変化に対応しきれずに、頭痛や胃痛、不眠につながる「ストレス性身体症状」を発症してしまったのです。日常業務にも支障をきたす状態となりました。
心療内科を受診すると「身体表現性障害」と診断され、2か月の休職を指示されました。
ダイエットに取り組んだ理由について
主治医からは「休職期間中はとにかく体を休めて安静にすること」との指示があったので、最初の2週間はとにかく、家でゴロゴロと怠惰な生活を送ることになります。
休職前から、心労にて体調管理もままならず、休職中の怠惰な生活が重なったせいで、私の体重は、過去最高の90kgまで増えてしまいました。
休養のおかげで、心のゆとりが持てるようになり、この事実に気づいたのです。ショックでした。
休職開始から2週間を持って、ダイエットを決意しました。
ダイエットの成果とその有効性について
現在、ダイエットを開始してから2年ほど経過しました。
ダイエットの内容は「1日の摂取カロリーを2000cal以下とする食事制限」と「ウォーキングと、軽い筋トレを中心とした、適度な運動」の2つです。
その成果が下記のとおりです。
・体重90kg→75Kg(15kg減)
・体脂肪47%→25%(22%減)
現在も維持管理をしています。
この成果を受けて、私の身体表現性障害に対して、下記2点の有効性を認めることができました。
これにより私は現在、復職に向けて「資格取得」や「キャリア実習」などの、前向きな復職活動に取り組める状態になりました。
過去のダイエットでの2度の失敗事例
今のところ、復職に向けてのダイエットは、順調に進んでいます。しかし、私は過去に2回ダイエットにチャレンジして、そして失敗しています。
1回目は就職活動時期(18才)、2回目は仕事バリバリの壮年期(30歳)で後に「リバウンド」して、さらに太りやすい体質となってしまいました。
ここで、過去のダイエットの失敗事例を、振り返ってみたいと思います。今回のダイエットは、過去2回のダイエット失敗を教訓としたから、達成できたと考えています。
初めてダイエットに、取り組むきっかけとなった出来事は、就職活動時の健康診断にて「肝機能値が異常である」との診断を受けたことでした。
「徹底した食事制限」と「軽いウォーキング」を中心に「半年間」かけてダイエットに取り組みました。結果、体重80kg→50kg(30kg減)と大幅な減量と、肝機能値の改善に成功しました。
しかしながら「短期間」での急激な食事制限により「筋力低下」と「摂食障害」寸前にまで、自分を追い込んでしまいました。結果、そこから平均体重(60kg)まで、回復するまでに「2年」を要することになるのです。
その後、年齢を重ね仕事が忙しくなると、体調管理もおざなりになり、30才になるころには、再び80kgの体重まで戻っていました。
2回目のダイエットは、その状況を見かねた上司の叱責から、スタートすることになりました。「前回より徹底した食事制限」と「ランニングを中心とした運動」に取り組んだ結果、わずか「1か月」の期間で、80kg→70kg(10kg減)の減量を達成することになります。
上司からは、お褒めの言葉をいただきましたが「他律的な動機」と「無茶な食事制限」では、その後の体重を維持する「モチベーション」も揚がることなく、1年後にはあっさりと、80kgへと「リバウンド」するのでした。
失敗からえた教訓と改善点
過去2回のダイエット失敗から、下の3点の教訓をえました。
休職時のダイエット活動を迎えるにあたって、次の3点の改善点を取り入れて実行しました。
以前のように「短期間」で「ストレスを強く」感じながらも、結果を出すのではなく「長期間」かけてでも「ストレスを抑える」ダイエット活動を続けた結果「習慣化」することができたのです。
まとめ
ダイエットをすることは、生活習慣の改善にとても有効な手段です。しかし私のように「身体表現性障害」にかかりやすい特性を持つ人間にとっては、無理をし過ぎることで「習慣化」できずに「リバウンド」の危険が高いということを、知ってもらいたいと思っています。
またダイエットという、孤独な戦いのさなかに、家族や友人に、少しの変化でも気づいてもらえて、励ましの声をかけてもらえたことが、どれだけ有り難いことか、身をもって感じました。
障害を持ちながらも、前向きにダイエットに取り組んでいる、当事者のご家族、ご友人の方々には、みなさんの「励まし」が一番の当事者への「モチベーション」になると思いますので、変わらずのご支援のほど、よろしくお願いします。