備忘録:最近の気になるリワードプログラム【Kyash,PayPay,YAMAP】
普段使っているプロダクトの中から、「これユニーク!」と感じたリワードプログラムを備忘録として記します。
5種類リワードプログラム
前提として、一般的なリワードプログラムは、以下の5種類に分けられます。
1.ポイントプログラム
最も一般的なリワードプログラムです。購入金額や利用頻度に応じてポイントが貯まり、ポイントを次回購入時の割引や景品交換などに利用できます。
クレジットカード:リクルートカード、楽天カード、JCBカード など
コンビニエンスストア:セブン-イレブン・ナナコ、ローソンPonta、ファミリーマートTポイント など
飲食店:スターバックススターリワード、マクドナルドモバイルクラブ、ドトールコーヒードリームカード
2.支出プログラム
一定額以上の購入で特典が受けられるプログラムです。例えば、月額1万円以上の利用で送料無料や割引などを受けられるプログラムがあります。
月額1万円以上の利用で送料無料になるプログラム:Amazonプライム、楽天プレミアム、Yahoo!プレミアム など
月額10万円以上の利用で割引になるプログラム:LINE Payカード、PayPayカード、メルカリPayカード など
3.階層型プログラム
利用頻度や購入金額に応じて、会員ランクがアップするプログラムです。ランクアップするごとに、より多くの特典が受けられるようになります。
利用頻度や購入金額に応じて会員ランクがアップするプログラム:ANAマイレージクラブ、JALマイレージバンク、TポイントMyステージ、楽天スーパーポイント、dポイント、Pontaポイント など
4.有料プログラム
会員登録や利用に月額料金がかかるプログラムです。月額料金を支払うことで、通常よりも多くの特典を受けられるようになります。
会員登録や利用に月額料金がかかるプログラム:Amazonプライム、楽天プレミアム、Yahoo!プレミアム など
月額料金を支払うことで、通常よりも多くの特典が受けられるプログラム:dカード GOLD、JCBゴールドカード、ANA VISAプラチナカード など
5.ゲームプログラム
ゲーム感覚でポイントや特典を獲得できるプログラムです。例えば、スタンプを集めたり、クイズに答えたりしてポイントを獲得し、ポイントを景品交換などに利用できます。また、ゲームをプレイすることでNFTをできるブロックチェーンゲームも該当すると考えてよいでしょう。
スタンプを集めたり、クイズに答えたりしてポイントを獲得できるプログラム:セブンイレブンアプリ、ローソンアプリ、ファミリーマートアプリ など
ゲームをプレイしてポイントを獲得できるプログラム:LINEゲーム、ポケモンGO、ドラゴンクエストウォーク など
Kyash:ゲーム感覚で遊べる「Kyashコイン」
「Kyashコイン」とは、Kyashでの決済またはルーレットで獲得できるKyashアプリ内のコインで、ポイントプログラムとゲームプログラムを合わせたリワードサービスです。貯まったKyashコインで豪華商品を獲得できる抽選に参加できます。
また、アカウントの種類(Kyashマネーアカウント・Kyashバリューアカウント)を問わず、有効なKyashアカウントをお持ちの方は、どなたでもKyashコインを貯められます。なお、法定通貨への換金はできません。
※以前から存在する「Kyashポイント」は変更なく付与されます。
ユニークポイント
個人的に感じたKyashコインのユニークポイントは、消費しているときの経済貢献を実感しやすい点です。
Kyashポイントは決済額100円 = 1ptですが、Kyashコインは1円 = 1コインが付与されます。
消費した金額と同額のコインが還元され、そのコインでゲーム感覚な体験をできるFintechサービスでを、私は他に見たことがありません。
事業者側の狙いは、顧客ロイヤルティとリピート率の促進だと考えられます。
Kyashコインがリリースされたと同時にすぐに利用しました。今でもほぼ毎日リワードサービスを触っています。
ちなみに私は、KyashをApple payで使っており、QUICPay決済が可能な店舗では大体Kyashで決済しているので、毎日1,000コイン以上は貯まります。
抽選への応募に必要なコイン数は以下です。
飲食系クーポンへの応募
1,000〜2,500コイン
実用品への応募
6,000コイン
今まで応募した抽選は一度も当たっていませんが、これからもKyashの一ファンとして利用します。
なお、Kyashコイン専用のXアカウントではキャンペーン情報も流れてくるので、ユーザーの方はフォローしておきましょう。Kyashの使い方
PayPay:投資の擬似体験ができる「ポイント運用サービス」
PayPayで貯めたポイントで、金融投資の疑似運用体験ができるサービスです。PayPayアプリ内で運用できます。
運用コースは5つあります。
金(ゴールド)コース
銘柄:SPDR Gold Trust(GLD)
テクノロジーコース
銘柄:INVESCO QQQ TRUST, SERIES 1(QQQ)
スタンダードコース
銘柄:SPDR S&P500 ETF(SPY)
チャレンジコース
銘柄:Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares(SPXL)
逆チャレンジコース
銘柄:Direxion Daily S&P 500 Bear 3X Shares(SPXS)
コースごとに、リスク&リターン度も記載。
私はポイントの一部を運用しています。チャート画面はこんな感じです↓
ユニークポイント
個人的に感じたPayPayポイント運用のユニークポイントは、「ポイントが金融資産として動く!」と感じてもらえるような体験ができる点です。
戦略はメルカリのビットコイン取引と似ているのですが、PayPayはユーザーの日常的な決済体験の延長で資産運用サービスを拡充させていく戦略であると考えており、その背景には、2024年1月1日から始まる新NISAによる投資需要の拡大が考えられます。
しかし、日本人の金融リテラシーを見てみると、(a)期待収益率+5%の投資実行意欲は低く、(b)金融商品購入経験のある人でもその商品性を理解せずに購入した人の割合は3割弱いるようです。
※投資金融広報中央委員会事務局が発表した金融リテラシー調査2022年より
a.期待収益率+5%の投資実行意欲は低い
期待収益率+5%の投資(図表54参照)に対して、74.2%(前回:77.3%)の人 が「投資しない」と回答しており、損失回避傾向は総じて強いことが分かります。また、損失回避傾向が強 い人をみると、株・投資信託・外貨預金等への投資を控える人が多いようです。
b.金融商品購入者のうち、その商品性を理解せずに購入した人の割合は3割弱
金融商品購入者のうち3割弱の人が当該金融商品の商品性について理解せずに購入しているほか、株式や外貨預金等ではその比率が増加しています。 このため、金融商品の基本的な特徴やリスクを含めた適切な知識、その活用方法を学習する機会をより広く提供する必要があります。
以上のように、金融教育・金融知識普及活動の拡大が課題となる中、PayPayポイント運用のような投資へ気軽にアクセスできるサービスは、ユーザーの金融投資リテラシー向上に寄与している可能性があります。
PayPayアプリ内には、「資産運用や投資に挑戦してみたいけどどうやって始めたらいいか分からない投資初心者」向けの資産運用コンテンツも用意されています↓
YAMAP:山の保全活動支援にも使える「DOMO」
電波が届かない登山道でも地図上で現在位置を確認することができるYAMAPは、「DOMO」という自然を愛する人同志がつながる循環型のコミュニティポイントがあります。
DOMOはお買い物をしたら貯まる一般的なポイントや、国の通貨とは価値設計が根本的に異なります。
DOMOをもらう方法は6つあります。
DOMO利用開始時にもらう
過去のYAMAPマイスターランクに応じてもらう
活動日記を公開してDOMOをもらう
モーメントを投稿してDOMOをもらう
他のユーザーさんからDOMOをもらう
登山でYAMAPアプリの機能を利用してDOMOをもらう
山を登った記録を残せる"活動日記"を公開すると、YAMAPユーザーから"いいね"感覚でDOMOが送られてきます。
ユニークポイント
個人的に感じたDOMOのユニークポイントは、3ヶ月で焼却することで価値の希薄化を抑え、「消えてしまうなら使おう」「貯めることよりも誰かに送ること」「支援すること」を尊ぶポイントシステムである点です。現在の資本主義は、実体経済から離れて“金融経済”が行き過ぎた結果、富裕層に富が集積する仕組みになっており、その一因はお金や通貨が腐らないことが要因だと、YAMAP代表の春山さんは語っています。
山に行く→DOMOが貯まり送り合う→山を保護する→山へいく。DOMOはこうしてYAMAPコミュニティにおけるツールとして共助の仕組みを生んでいます。
山の保護は、自然特化型クラウドファンディング「YAMAP FUNDING」でプロジェクト化されています。自然や山を豊かにしたい個人・団体からのプロジェクトを随時募集しています。
ちなみにYAMAP FUNDINGで集まったDOMOは、YAMAP社が負担して日本円へ換金してくれるようです。
余談ですが私は春山さんの次の言葉に感化されました。
日本ではソロキャンプが流行りましたが、登山あまり流行っているようには思えません。YAMAPが述べる通り、登山はマインドフルネスの手段にも向いていると思いますので、仕事で忙しい社会人の方々、いちど登山にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
番外編:暗号資産を学んで獲得する(Learn and Earn Crypto Programs)
番外編です。暗号資産の世界には、暗号資産やブロックチェーンについて学ぶことで、暗号資産を報酬として獲得できるプログラムがあります。BinanceやCoinbaseなどグローバルの大手中央集権型取引所が提供しています。
プログラムの内容は、暗号資産の解説動画を見たり、クイズに答えたりすることで、少額の暗号資産を獲得できます。
Coinbase Earn (日本居住者へのサービス提供はしていません)
世界最大級の暗号資産取引所であるCoinbaseの「Coinbase Earn」では、動画を見ながらクイズに答えるだけで、無料で暗号資産を獲得できます。完了したクイズごとに、Coinbaseアカウントで暗号資産が獲得できます。
コースは定期的に更新され、期間限定でしか提供されません。これまで、GRT、AMP、NEARなどの通貨が報酬プログラムに含まれていました。
Coinbase Earnはユーザーからの評価が高く、シンプルで分かりやすい構造のモジュールです。各モジュールでは、暗号資産を学べるショート動画(または複数の動画)を見て、簡単なクイズや課題を解いて知識を試します。
クイズに合格すると、各モジュールで平均3〜6ドル分の暗号資産を獲得できます。
Coinbase Earnを始めるには、本人確認(写真付きIDを含むKYC確認)とCoinbase Earnの利用資格のある国に居住している必要があります。現在、利用できる国は以下の通りです。
※Coinbase Japanが営業している時期は日本ユーザーも利用できましたが、すでに事業撤退しているため、2023年12月時点で使えません。
Coinbase Earnにはリファラルプログラムがあります。紹介リンクを使って誰かがCoinbase Earnに参加し、少なくとも1つのモジュールを完了するたびに暗号資産を獲得できるようです。世界中のユーザーは、これまでにCoinbase Earnから1億ドル以上の暗号資産を獲得しています。
Binance Learn & Earn(日本居住者へのサービス提供はしていません)
世界最大の暗号資産取引所であるBinanceもLearn & Earnプログラムを提供しています。プログラムに参加するためには、いくつかの条件があります。
報酬を獲得するためには本人確認が必要
取引所は常にLearn & Earnキャンペーンを実施していない。定期的に確認して、ライブキャンペーンに参加する必要がある。
バイナンスは定期的に新しい人気コインを追加していますが、過去に提供されていたコインとトークンの例としては、ALGO、POLYX、TRU、BNB、BUSD などがある。
使い方は至ってシンプルです。コースを選択し「コース開始」をクリックします。指示に従って学習し、クイズに答えてください。クイズに合格すると、トークンバウチャーがもらえます。
細かいプログラム参加条件などはこちらのページをご覧ください。
他にも、CoinMarketCap、CoinGecko、Revolutなど、取引所ドメイン以外のサービスでもlearn and earnを提供しているので、興味のある方は調べてみてください。
CoinGeckoでの事例↓