
【高校入試・英語】神奈川県公立入試(令和7年度/2025年度)【講評】
いつもお世話になっております。
祥平です。
今回は、2025/02/14(金)に実施された、
令和7年度 神奈川県公立高校入試の
英語の問題について
ざっと、見てみようかと思います。
(投稿が遅くなってしまいました…。)
以下に問題のリンクを貼っておきます。
こちらから問題はご確認ください。
※数年経つと見られなくなるかもしれないので、
ご注意ください。
↓神奈川県のHP
↓カナロコでも問題が見られます。
出題形式(全部で8題)
問1 リスニング
問2 語彙(4択問題)
問3 文法(4択問題)
問4 文法(語句の並べかえ問題)
問5 条件英作文(細かい条件付き)
問6 長文読解(スピーチと図表)
問7 読解(資料の読み取り)
問8 長文読解(対話文と図表)
形式はここ数年と同じでした。
個人的な講評
問1 リスニング
1. 問題の概要
今回のリスニング問題は、「対話の受け答え」「内容一致」「組み合わせ選択」 などが含まれ、幅広いリスニングスキルが試される構成でした。特に、直接言われない情報を推測する力 が求められる問題が含まれていました。
2. ポイント
• 聞き取れた単語だけで判断せず、文脈を意識する
例えば、(ウ)では「one year later」 という表現を聴き逃さずに正しく解釈し、2019年から1年後=2020年 という答えを導けるかどうかがカギでした。こういった 「言われた通りではなく、考えれば分かる」 タイプの問題は、試験で頻出なので要注意。
• 組み合わせ問題に気を取られすぎない
ウの問題は2問セットになっており、前半の組み合わせ問題に集中しすぎると、後半の問題を聞き逃すリスクがある。こういった場合は、問題の流れを把握し、必要な情報をしっかり整理する意識を持つことが重要。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
リスニングでは、「直接言われる内容」と「推測が必要な内容」を区別する力 が重要です。
特に、今回の 年号に関する問題のように、放送文そのままの単語が答えにならないケースは、普段から「一歩先を考える習慣」をつけると強くなる でしょう。
また、組み合わせ問題がある場合は、どのタイミングでどの問題を意識するかを事前に確認しておくと、後の問題を聞き逃さずに済みます。
また、対策として、放送台本を音読する(できれば、音声を聴きながら)、何度も聴くことが大切です。特に疑問文には慣れておく必要があります。対話にはよく出てくるので反応しやすくなります。
問2 語彙(4択問題)
1. 問題の概要
今回の問題は、適切な語彙を選んで文を完成させる 形式でした。文の内容を正しく理解し、文脈に合う単語を選べるか がポイントとなる問題でした。
2. ポイント
• 語彙力が試される問題
例えば、「developed(発展した)」が適切かどうかを判断するには、「インターネットが何をしたのか?」 を考える必要があります。意味を知らないと選べないため、単語の意味を正確に覚えておくことが重要 です。
• 文法的な正しさもチェックする
たとえば、「a popular statue(人気のある彫像)」は正しい組み合わせですが、「a popular pleasure」や「a popular temperature」は意味的に不自然です。語彙だけでなく、単語の使われ方(コロケーション)も押さえておく必要があります。
• 形容詞・動詞の使い分けに注意
「the most proud」は文法的に自然ですが、「the most full」や「the most bored」は不自然な表現になります。比較級・最上級の使い方を理解しているかどうかも問われる問題でした。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
近年の英語試験では、語彙力の重要性がますます高まっています。 ただ単語を丸暗記するのではなく、実際の文脈の中でどのように使われるかを意識して学習することが大切です。
また、今回の問題のように、単語の意味だけでなく、文法やコロケーションの知識も必要になるため、普段の学習では「例文ごと覚える」ことを意識すると、より実践的な力がつくでしょう。
問3 文法(4択問題)
1. 問題の概要
分詞・現在完了・助動詞・前置詞・関係代名詞など、幅広い文法知識が問われる問題でした。特に、見た目が紛らわしい文法項目を正しく区別できるか がポイントでした。
2. ポイント
• (ア)現在完了に見えて、実は分詞の後置修飾 → 文の構造をしっかり確認することが大切。
• (イ)「another cup of tea」のような定型表現を押さえる。
• (ウ)前置詞「across」を使う定型表現に慣れる。
• (エ)「exciting」と「excited」のような感情を表す形容詞の違いを意識する。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
早とちりしやすい問題が多いため、文の構造を丁寧に確認する習慣をつけることが重要。 似た表現の使い分けは、実際の例文とセットで覚えると定着しやすい。
問4 文法(語句の並べかえ問題)
1. 問題の概要
間接疑問文・関係代名詞・動名詞・第5文型の make O C など、文法知識を活用して適切な語順を組み立てる問題でした。不要な語(ダミー)に惑わされず、文の構造を正しく見抜く力が求められました。
2. ポイント
• 間接疑問文(ア):tell me what SV ~ の形を見抜くことがカギ。「疑問詞+to不定詞」にしたくなるが、問題の語句ではそれが成り立たないため、SV構造を取る必要がある。
• 関係代名詞の省略(イ):one of the places (that) SV ~ の〈名詞+SV〉は頻出パターン。
• 動名詞の識別(ウ):think learning ~ is の語順に注意。
• 第5文型のmake(エ):make our city cleaner の形に正しく整理する。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
不要な語に惑わされず、基本の文型を正しく見極めることが重要。 特に、関係代名詞の省略は並べ替え問題で頻出 なので、〈名詞+SV〉の形を素早く見つけられるようにしておきたい。
問5 条件英作文(細かい条件付き)
1. 問題の概要
会話の流れに合った疑問文を作成する問題でした。特に、「know」と「works」を必ず含める」「6語以上の1文にする」「疑問文で終わる」 という条件を満たしながら、適切な英文を作る必要がありました。
2. ポイント
• Emmaは「バスの安全性」について質問した後、さらに仕組みについて尋ねている流れ。
• Do you know how it works? の形が適切。
• 「how it works」 という間接疑問文の形を正しく使えるかがポイント。
• 「the self-driving bus」を入れた形(how the self-driving bus works)でも正答になりうる。
• 次の発話が “Yes, I do.” となっているため、「Do you know ~?」の形が自然。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
問題の条件を満たすだけでなく、「疑問文の流れを自然に繋げる力」 が問われた問題。特に、「Do you know + 間接疑問文」 の形は、会話の中でよく使われる表現なので、しっかり押さえておくとよい。
問6 長文読解(スピーチと図表)
問題の概要
今回の問題は、高校生のハルトが 「悩みを相談することの大切さ」 についてスピーチする内容でした。本文の流れを理解することに加え、グラフを活用して読み取る力 も求められる構成になっていました。
ポイント
• 空所補充では、but などの対比表現やグラフのデータを手がかりにすること がポイント。
• 並べ替えでは、ハルトの心情の変化と出来事の順番を意識すること が重要。
• 内容一致では、グラフとスピーチの主旨が合致しているかを確認する力 が求められました。
個人的な気づき(アドバイス)
今回のように「データを含む読解問題」では、数字だけを見るのではなく、「文章の流れとどう関連しているか」を考えると解きやすくなります。また、前後のつながりを意識すると、文脈を自然に捉えられるので、速く正確に解答できるでしょう。
問7 読解(資料の読み取り)
1. 問題の概要
今回の問題は、「資料(リーフレット・予約表)を基に、必要な情報を読み取る」 ことが求められる読解問題でした。
登場人物がイベントやスポーツ練習の計画を立てる中で、「時間・条件・料金」 などの詳細情報を適切に把握することがポイントでした。
2. ポイント
• 情報整理がカギ
それぞれの資料にはよく「制約や注意点」 があるため、文章を読むだけでなく、条件を整理しながら解く必要がある。特に、
• 利用時間の制限(予約可能時間)
• 年齢制限や料金の割引
などの細かい情報に注目すると、誤答を防ぎやすくなります。
• 値段に関する問題は「無料・割引」の条件を見逃さない
例えば、Amyの支払い額を問う問題では、無料になる条件 をしっかり確認することがポイント。「自分も支払う必要があるのか」 という部分を見落とすと間違えやすい。
• 予約の問題は「使えない時間」をまず消去する
「使える時間」と「施設の制限」に注目し、候補を絞るとスムーズに正解を導き出せる。特に、「小さい体育館ではバドミントン不可」 など、明確な制約を見逃さないようにする。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
情報が入り乱れる問題では、先に「条件」を整理することが重要。
一文ずつ読んでいくと混乱するので、「料金・予約・制約」の3点に注目しながら、資料全体の関係を把握するとミスを防ぎやすい。
また、こういった問題は実際の生活でも役立つスキル(イベント予約・計画の立案) につながるので、単なる読解問題としてではなく、情報整理のトレーニングとして取り組むと良いでしょう。
問8 長文読解(対話文と図表)
1. 問題の概要
今回の問題は、「対話をもとに、図表を読み取りながら内容を理解する」 形式の読解でした。テーマは 「食料の安定供給と輸入依存の問題」 であり、日本の家畜用飼料の輸入や食肉生産に関するデータを使いながら、登場人物が議論を進める形になっていました。
2. ポイント
• 図表問題は、本文と照らし合わせれば難しくない
グラフやデータが示すポイントを、対話の内容と一致させる ことで正しい選択肢を選べる問題でした。特に、
• 価格の推移(飼料費の上昇)
• 輸入割合(どの国からの輸入が多いか)
などを正確に読み取ることがカギになりました。
• 空所補充は対話を追えば解ける
文脈上、どのような意見が続くのかを考えながら読めば、自然に正解が導き出せる問題でした。
特に、直前の文と論理的につながるかどうか を意識するとスムーズに解答できます。
• 内容一致は消去法が有効
誇張表現(not 〜 anyやperfectなど)や主語の違いなど、比較的わかりやすいダミー選択肢が含まれていたため、消去法で選択肢を絞り込む ことで、確実に正解を選ぶことができます。
3. 個人的な気づき(アドバイス)
図表を使った問題は、一見難しく見えることがありますが、本文の流れを追いながらグラフの数値や割合を照らし合わせることで、意外と簡単に解けることが多い です。
また、対話形式の問題では、登場人物の意見の変化や結論部分に注目することで、よりスムーズに理解できるでしょう。
また、最終問題なので、時間が足りなかった受験生も多いかと思います。限られた時間の中で、どう読んでいくかも、受験直前には必要なことだと思います。それまではしっかり英文を読めるようにしていきましょう。
おまけ
リセマムから講評が出ていますので、参考までに。