接続詞ifの後ろの省略
いつもありがとうございます。祥平です。
毎週木曜日に、TOEICからメルマガで、
『【TOEIC Program】穴埋めエクササイズ!空欄に入る単語は?』
という感じでメールが来るのですが、
気になった部分があったので記事にしました。
問題
みなさんもまずは答えを考えてみてください。
できれば、その根拠も…。
選択肢を見ると、
前置詞または接続詞なのかなあ
と考えられますよね。
答え
分かりましたか?
では、解答は以下の通りです。
という内容でした。
あれ?
接続詞のifって後ろにSV(主語+述語動詞)が続くんじゃないの?
と思った方もいらっしゃるかと思います。
私も気になったので補足します。
補足1
この文の if の後ろでは主語と動詞が省略されています。
元の文を完全な形にすると次のようになります:
Employees will be charged $10 to replace their ID badge if it is lost or stolen.
(従業員は、IDバッジを紛失したり盗難に遭った場合、新しいものをもらうのに10ドル請求されます。)
ここで、it is(それが~される場合)が省略されています。
このような省略は、英語では特に簡潔な表現を好む文脈でよく見られます。
if + 過去分詞 の形は、主語や動詞を繰り返さなくても意味が明確な場合に使われる慣用的な表現です。
この文では lost or stolen だけで、「IDバッジが紛失または盗難に遭った場合」という意味が十分に伝わります。
省略される理由
1. 文脈が明確だから
前の文で「IDバッジ」が話題になっているため、主語(it)を繰り返す必要がありません。
2. 形式が簡潔になる
日常英語やビジネス文書では、無駄を省いて簡潔にすることが好まれます。
したがって、
この文の if lost or stolen は、
完全な形の if it is lost or stolen を
省略したものと考えられます。
補足2
if + 分詞 のパターンがあり、過去分詞 や 現在分詞 (ing) の形が使われます。それぞれの使い方を見てみましょう。
1. if + 過去分詞
このパターンは、受動的な意味 を表します。つまり、「〜された場合」というニュアンスになります。
例文:
• If lost or stolen, please contact the office.
(紛失したり盗難に遭った場合は、事務所にご連絡ください。)
→ ここでは主語や動詞が省略されていますが、意味が明確です。
• If damaged, the product cannot be replaced.
(破損した場合、その商品は交換できません。)
→ 完全な形は If it is damaged です。
2. if + 現在分詞 (ing)
このパターンは、能動的な意味 を表します。つまり、「〜している場合」というニュアンスになります。
例文:
• If traveling abroad, make sure to have your passport.
(海外旅行をする場合は、パスポートを必ず持ってください。)
→ 完全な形は If you are traveling abroad です。
• If using a computer, take regular breaks.
(パソコンを使う場合は、定期的に休憩を取りましょう。)
→ 完全な形は If you are using a computer です。
過去分詞と現在分詞の違い
• 過去分詞 (過去の受動): 「〜される場合」「〜された場合」という意味。受動態を示す。
• If lost, stolen, damaged, etc.
• 現在分詞 (現在の能動): 「〜している場合」「〜する場合」という意味。能動態を示す。
• If traveling, using, working, etc.
補足3: if 以外の接続詞でも可能
この省略構造は when, while, unless など他の接続詞でも使えます。
例文:
• When traveling abroad, make sure to carry cash.
(海外旅行をする際は、現金を持参してください。)
• Unless invited, you cannot attend the meeting.
(招待されない限り、会議に出席することはできません。)
このように if + 分詞 の形は簡潔でよく使われる表現です!
感想
今回みたいな省略パターンって意外といろんな場面で使われてるんですよね。
過去分詞は受動的、現在分詞は能動的ってシンプルで分かりやすいし、英語らしいスマートさを感じます。
普段の会話や文章でも使いこなせると一気に自然な表現ができそうですね!