
【講評】2025年度(令和7年度)東京都立高校入試(英語・共通問題)
いつもお世話になっております。
祥平です。
今回は、タイトルの通り、
2025/02/21(金)に実施された
東京都立高校入試の英語(共通問題)を見ていこうかと思います。
やや冗長気味かと思いますが、
軽く見ていただければと思います。
問題や解答は以下のリンクからご覧ください。
↓東京都教育委員会
こちらからも問題・解答は見られます
↓産経新聞
大問1
問題の概要
今回のリスニング問題も例年通り、問題Aと問題Bに分かれており、それぞれ異なる形式で出題されました。
問題A: 短い対話を聞き、それに対応する質問を聞き、解答する形式。3つの対話があり、それぞれ1つの質問が提示される。
質問は問題文には書かれていないため、よく聞いておく必要がある。
問題B: 少し長めの放送を聞き、そのあとに2つの質問に答える形式。1つ目の質問は選択式、2つ目の質問は英語で記述する形式。
こちらも質問は問題文には書かれていないため、よく聞いておく必要がある。
放送は2回繰り返されるため、1回目で全体の内容を把握し、2回目で細かい部分を確認する戦略が使える。
ポイント
問題A
形式の特徴: 対話の流れが分かりやすく、設問も直接的なものが多いため、高得点を狙いやすい。
聞き取りのコツ:
対話が始まる前に選択肢に目を通しておくことで、どんな情報が求められているのかを把握しやすくなる。
対話のあとに質問が読まれるため、最後まで集中して聞くことが重要。
問題B
形式の特徴: 長めの放送文を聞いた後、選択問題と記述問題が出題される。
聞き取りのコツ:
選択問題は、放送文の内容と照らし合わせながら選ぶ。
記述問題は疑問詞(When, What, Where, Who, Why, Howなど)に注目し、何を答えるべきかを明確にする。
放送文では、質問に対応するキーワードが前半に出てくることが多いため、聞き逃さないように注意する。
個人的な気づき(アドバイス)
問題Aは確実に得点したい。
例年、問題Aは比較的易しめに作られているため、ここで落とさないようにする。
過去問を使って、短い対話に素早く対応できるように練習すると良い。
問題Bの記述問題に注意
都立トップ校を狙うなら得点しておきたい。
疑問詞を意識して、正確な答えを短くまとめる練習をする。
過去問を活用し、「どのように問われるのか」「どのように答えるべきか」を確認しておく。
リスニング力向上のための対策
放送原稿を音読しながら内容を理解する。
聞きながら英文を目で追い、
シャドーイング(音声に続いて発音する練習)を行う。
本番に近い形式で、実際に音声を流しながら問題を解くトレーニングを積む。
今回の問題は、特に問題Bで
「聞き取った情報を整理し、的確に答えを書く能力」が求められました。
リスニングの演習を重ね、速く正確に情報を処理する力を養っておくことが得点アップの鍵になるでしょう。
大問2
問題の概要
大問2は対話文と図表を用いた読解、およびメール文の内容理解を問う問題です。
さらに、メールの返信の一部を書く 英作文問題も含まれています。
前年と比較すると、文章量が増加しており、速読力や情報整理力がより求められる形式となっています。
前半:対話文読解(図表あり)
・Akari と Lucy の会話に基づき、フェスティバルの情報を整理する。
・パンフレットの情報(図表)と照らし合わせながら、選択肢を消去法で絞る。
後半:メール読解+英作文
・Lucy が Akari に送ったメールの内容理解。
・メールの内容に即した選択肢を選ぶ。
・Akari の返信文の一部を作成する英作文。
ポイント
対話文と図表
今回は、最初の問題に仮定法が含まれており、ここで迷った受験生も多いと考えられる。
メール文の内容理解
「それっぽい」選択肢に惑わされない。
一見正しそうな選択肢が多いが、該当箇所を精読すると部分的に異なる点が見えてくる。
英作文のポイント
・指示文を正しく読み取る
・シンプルかつ正確な英文を心がける
・文法ミスを避ける
・時間配分に注意
個人的な気づき(アドバイス)
・図表と対話の照らし合わせに慣れることが重要
・メールの内容問題は部分的に違う罠に注意
・英作文は「シンプルに・正しく」
大問3
問題の概要
大問3は、対話文を読んで設問に答える形式の読解問題です。
登場人物は日本の中学生(Koji, Yuka, Akito)とオーストラリアからの留学生(Olivia)で、星や食べ物、言葉の学習について話しています。
ポイント
1. 指示語・代名詞の内容を問う問題が多い
2. 対話文の流れを意識する
3. 一般的な知識に頼らず、文中の情報を使って解答する
個人的な気づき(アドバイス)
1. 前後関係を意識しながら読む練習をすると効果的
• 指示語問題は「直前の単語を指す」と思いがちですが、一つ前の文全体を指している場合もある ため、文章を広く見渡す習慣をつけると良いでしょう。
2. 「対話の中での変化」に注目する
• 例えば、Yuka は もともと星に興味があったのではなく、「妹の話を聞いて興味を持った」といった流れがあります。
• 同じように、Olivia も最初はただ日本食を食べただけだったが、「地域の特産品と関係があることを知って興味を持った」という変化があります。
• 「何がきっかけで変化したのか」 を意識すると、正答率が上がるはずです。
3. 「発言者の立場」に注意する
• Olivia はオーストラリアから来た生徒であるため、「日本での驚き」や「オーストラリアと日本の違い」に注目すると、理解がスムーズになります。
大問4
問題の概要
高校1年生のShotaが夏のボランティア活動を通して自信をつけていく成長の過程が描かれています。
Shotaは友人のKentoと共にボランティアのポスターを見つけ、興味を持ちますが、新しいことに挑戦することに対して不安を感じています。
その後、美術館でボランティア活動をするKentoを見て刺激を受け、最終的に地元のスポーツデーでボランティアに挑戦し、自信を得るというストーリーです。
ポイント
1. 指示語の内容を特定する力が必要
2. 時系列の整理が重要
問2の時系列の並べかえ(美術館→Kentoの影響→スポーツデー)
3. 場面ごとの具体的な描写を確認する
4. 登場人物の発言に注目する
5. Shotaの成長ポイントを意識する
個人的な気づき(アドバイス)
1. 指示語の内容を特定する力をつける
• 問1のような問題では、指示語が何を指しているかを前後の文脈から正確に判断することが求められる。
• “do that” のような表現が出てきたら、すぐに「何を指しているか?」を考える習慣をつけるとよい。
2. 物語の流れを意識する
• 問2の並べ替え問題は、時系列の流れを意識することで解きやすくなる。
• 重要なのは「どの場面が先で、どの場面が後か」を意識して読むこと。
3. 「理由を問う問題」では、本文中の意図をしっかり読み取る
• 問4のような問題では、“hope” や “good chance” などの表現がキーワードになっている。
• こうした「なぜその行動を取ったのか?」という部分を意識して読むことで、設問の意図をつかみやすくなる。
4. 登場人物の気持ちの変化を意識すると、問題を解きやすい
• Shotaは最初「新しいことに不安を感じる」→「Kentoの姿を見て刺激を受ける」→「スポーツデーで実際にボランティアをする」→「自信をつける」という流れになっている。
• こうした感情の変化を意識して読むと、話の展開がつかみやすくなる。
おまけ
リセマムの講評