10周年を記念して…ECマスターズの歩みを公開してみました。
日本ECサービス株式会社の清水です。
2021年5月24日に10周年を迎えることができました。いろいろな方に支えられ、本当に感謝しております。
「ECマスターズ」って聞いたことがあるけど、何なの?
という方に、少しご理解いただいて、この先10年を一緒に歩んでいただければと嬉しいと思い、まだまだ10年ですが、紆余曲折あった歴史を簡単にまとめてみました。
長文となりますが、宜しければご覧くださいませ。
起業のキッカケは、人生はじめての給料ダウン
楽天を退職後、上場企業にて業務委託として働き、最初に努めた会社の買収に関わることに。その後、買収は成立し、その会社で管理職を務めながら、数々のプロジェクトを担当させていただきました。
結婚や子供に恵まれ、自宅を購入し、充実した日々を過ごしていましたが、能力不足もあり給料がダウン。毎日遅くまで働いていましたので、残業代を含めると手取りが15万円も下がることに。
急に生活レベルを落とすのは難しく…「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」の言葉に出会い、マーケティングとセールスの勉強を始めました。
夜には週2日ほど、最近上場した会社の新規事業を手伝う機会があり、ボランティアで人が集まる環境に刺激を受け、起業を意識し始めることに。
EC業界は、3年もブランクがあるため、今も通用するのかを確認しようと、昔担当していたショップの社長にお願いして、セミナー会場を無料で貸してもらい、無料セミナーを開催してみました。当時の参加者いわく、中身はともかく話し方は、グダグダだったようです。
2010年 個人事業で自宅からスタート
昔の知人と再会する中、いろいろな人と繋がり、最初のコンサル先は、すぐに決まりました。GMOグループのお仕事もご紹介いただき、会社を設立することなく、2ヶ月でサラリーマンの給与以上は、稼げるように。
会社名は画数も調べて、突然案内が届いても怪しくない「日本ECサービス」に決めていたので、個人事業の屋号として利用することしました。
毎日、何度もカフェで仕事して、コーヒーばかり飲むのに疲れ、渋谷の桜ヶ丘にあるレンタルオフィスに入居。(地下の窓のない月5万円の部屋)
もともと大阪でECコンサルタントとして働いていたので、知り合いの店長も少なく、100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路に参加しながら、ショップの現実を知り、3年間のブランクを埋めていきました。
ひとりで日本中のショップを支援するために、月額数千円の会費制サービスを「ECマスターズ」を立ち上げようとチャレンジするが、挫折。(たまたまテレビで「マスターズ」が放送されていたので、「ECマスターズ」という名称に)
今見ると、なかなか恥ずかしいサイトですね。
その後、知り合いの紹介で、アルバイトを1名採用し、月8万円の2席ある部屋に移動することに。
2011年 法人でないと契約できません…
コンサル先に、前職で利用していた適性検査を提供したく、問い合わせたら法人のみの契約となりますいうことで、法人を設立。
紹介でアルバイトを1名採用し(今も在籍中)、楽天時代の後輩も加わり、渋谷のワンルームマンションにお引越し。すべてIKEAで揃えました。
3.11後は、メルマガの送信ができなくなり、楽天SEOを代行するという業者が増えるほど、検索対策が重要に。渋谷に100名規模のセミナーを開催し、はじめて検索対策を教える有料セミナーを開催。
このために、2画面用にプロジェクターとスクリーンを購入。
2012年 有名ショップと出会い、新橋へ
楽天ビジネスに出展して、イベントに参加していると、ショップ・オブ・ザ・イヤーの受賞ショップと出会う。「稼ぎた方を教えてやる」ということで、事務所をシェアすることになり、新橋駅前の「ニュー新橋ビル」に移転。
有名ショップの影響力は強く、有名ショップやメーカーなど20〜30社ほどサポートさせていただきました。
コンサルは、自分ひとりなので、社数を増やせるわけではなく、コンサル先に提供していたツールをパックにして販売するも、営業マンを採用できるほど余裕もなく、売上は横ばい。
2013年 コンサルになりたい人に教えることに
自社でコンサルを育てることの難しさを痛感し、コンサルタントになりたい人に教えようと、JECCICA(ジャパンEコマースコンサルタント協会)の特別講師に就任します。
前職の知人と再開し、月額1万円の会員制の質問し放題のメーリングリストサービスをはじめて順調という話を聞き、モヤモヤしはじめることに。
2014年 ECマスターズクラブスタート
上場会社でトップセールスだった楽天時代の後輩が加わり、月額1万円で相談し放題のメーリングリストサービス「ECマスターズクラブ」をスタートしました。
最初のセミナーには、46名が参加。その年の会員数は、50社未満。セミナーを開催しても、すぐに入会してもわらえるわけではなく、苦戦。また、メーリングリストだと匿名で質問できないため、掲示板形式に変更。
2015年 営業は、学生バイトにお願い
セミナーの開催も慣れていなくて、地方で会場費10万円の会場に10名参加するなど、先にお金ばかりでていく…セミナーを開催しても、すぐ入会してもらえるわけではなく、電話でのフォローが必要と実感。無借金で自己資金のみで経営していたので、資金に余裕もなく、学生バイトを採用することに。
セミナーを開催していると、まだ売上が伸びていないのに、いろいろなツールを年間契約されている方が多く、その代わりのツールとして「ECステーション」の特別プランを紹介しはじめました。(今では、会員の45%が利用される人気ツールに)
その後は、サービスを強化すべく、コンサル時代に提供していたツールやメルマガも追加。セミナーや入会で報酬をお支払いする「紹介制度」もスタート。
2016年 会員数500社で募集停止
順調にセミナーを開催し、入会率も3割を超えるようになった結果、2015年末には、目標としていた500社に達しました。
もともとのコンサルの売上も超え、安定して経営できるかと思ったら、お問い合わせ対応などサポート業務も増え、大混乱。6ヶ月間は、セミナーの開催を停止し、スタッフの採用と教育に注力します。
スマホ時代になり、メールでお客様と連絡が取れないという相談が多く、「SMS送信君」というサービスを開発。1通に数円載せてマネタイズするのではなく、月会費で100通まで利用できるように提供したら、督促やオーダーメイドの確認ツールとして、すぐに100社以上が利用されるサービスに。
2017年 Chrome拡張機能を提供したら、すぐ1000ユーザー突破
時代の流れでECサイトもHTTPSの対応が迫られ、楽天ショップでは、RMSで手作業で対応しなければならない現状もあり、Chrome拡張機能を開発して無料で提供することに。あっという間に1000ユーザが登録され、びっくり。
ECマスターズクラブもツールが増え、使い方がわからないという会員も増えたため、提供していたツールをChrome拡張機能に実装することに。
最初は、RMSの簡単ログイン機能とスマホ表示機能を提供。
スマホ表示は、誰でもご利用いただけます。
その後も機能を追加し続け、iPhoneのようにマニュアルがなくても直感的に操作できるのが評価され、順調に利用者数が増えていきました。
ドラゴンボールのスカウターのように、ライバルショップを確認できます。
全国でのセミナーでは、必ず会員向けの勉強会や懇親会も企画していたため、その後も繋がりが深められるよう会員専用のFacebookグループも開設。(現在は、1100名以上が参加)
2018年 2つのスマホアプリとライブ配信をリリース
スマホアプリを提供したいと思い、いろいろなサービスを検討するも、なかなかの費用とやりたいことが実装できるか不安。
楽天時代の上司の紹介で、ひとりのエンジニアを紹介され、2つのアプリを開発してもらいました。(その後、2名とも取締役として就任)
1つ目は、楽天ショップの売上が簡単にチェックできる「Rチェッカー」。完全無料で提供することに。2つ目は、プッシュ通知で最新情報が届けられるように会員専用アプリをリリース。
また、「SMS送信君」も70文字だと足りないという要望も多く届いていたため、完全オリジナルで文字数無制限、期間やパスワードで閲覧制限ができる「SMS送信君プラス」を会員限定でリリース。その後、Chrome拡張機能と連携させ、R-Backofficeからワンクリックで利用できるようになり、一気に利用者が増えていきました。
毎日配信するメルマガ「サポートレター」も毎日届くとプレッシャーになるという声や読んでもよくわからないという声もあり、映像でまとめで解説すれば良いか?ということで、やったことないライブ配信「ECマスターズLIVE」にチャレンジします。(現在のサポートレターは音声版も配信)
機材選びもライティングもわからないまま、試行錯誤を繰り返し、改善し続ける日々。時間内に終わらない、音声が聞き取れないなど、数々のお叱りをいただきました。(ライブ配信は、視聴率15%を超える人気コンテンツに)
さらに海外のセミナーで行われている「ホットシート」というその場で課題を解決する企画を参考に、「公開コンサルティング」というライブ中に質問に答える配信も開始。金曜日と水曜日の週2回配信するスタイルが確立。
「ECマスターズポイント」をリリース。紹介制度は、紹介者が継続されれば、毎月1000ポイントが付与されるルールに変更したものの、交換できるのは、10000ポイントでAmazonギフト券10000円分と、完全なる見切り発射。(現在は、セミナー受講などの動画視聴、ノベルティ交換など交換可能)
2019年 会員数1000社、掲示板質問数10000件突破
掲示場以外のサービスも増え、会員数も順調に増加。比例して、掲示板への質問数も増えていきます。
弁護士ドットコムのようなサービスを参考に、質問のみを公開してみることに。すぐにGoogleにインデックスされるようになり、毎日一定のアクセスが増え、存在を知ってもらえる方が増えていきました。
その頃、楽天でのネーションズという取り組みも活発になり、全国で勉強会が開催されると、セミナーでプレゼントしているペンを持っている方が多く、会員同士の繋がりや紹介が増えていきました。
ネーションズのリーダーショップが会員というケースも多く、講師として招かれる機会も増え、2019年だけで69回登壇し、3000名が参加されました。セミナー参加者数も累計5000名を突破。
2020年 緊急事態宣言でセミナーを断念?オンラインにシフト
順調に全国でセミナーを開催していましたが、3月の緊急事態宣言で開催が困難に。会員向けには、毎週ライブ配信していたため、オンラインでの開催に変更。4月以降、1回50名規模で開催し、一度に30都道府県以上から参加されるなど、オンラインならではのメリットも実感。
ネクストエンジン契約者向けに企画させていただき、受付開始の1時間で満席になるなど、パートナー企業との取り組みも増えていきました。
また、楽天ショップのスマートフォンデザインのリニューアル対応として、無料ツールも配布。セミナー参加者も、オープンしたばかりというショップが増えてきました。
【日本ECサービス】楽天の新スマホページに対応した無料ツールを4つに拡充
まだRMSすらよくわらないという会員も増えてきましたので、Zoomを活用して、ベテラン会員が入会したばかりの会員向けに、ボランティアでサービスの活用方法を教えるという「スタートアップサポート」がスタートしました。
ネットショップでもLINEの活用が当たり前になってきたため、まずは、自社でLIINE公式アカウントも開設し、ショップ単位ではなく、利用者単位で情報が届ける取り組みもはじめました。(現在のお友だちは、1100名)
2021年 10000名と7000名を突破
セミナー累計参加者数も1万名を超えると、Chrome拡張機能は、追加するだけで無料機能が利用できるため、利用者数が順調に増え、7000名を突破しました。
実装していた文字数のカウントや画像表示とドラッグ・アンド・ドロップ、項目選択肢別在庫機能の編集なども、R-Storefrontの機能として実装されるなど、一定の役目を果たせたのかなと感じています。
この4月には、7名の新入社員が加わり、「スタートアップサポート」も「ECマスターズブートキャンプ」としてリニューアルし、さらなるサービス強化に努めています。
最後に…今後はどうなるの?
最初に働いた会社は、三菱電機が後発で立ち上げたプロバイダ、DTI。
自分で希望したわけではなく、親会社に入社し、1997年6月に出向。パソコンとインターネットを覚え、半年後には、サポート部署でリーダーに。
DTIは、その時代から電話やメールに加えて、掲示板のようなニュースグループでサポートし、インターネットラジオを配信したり、Javaで開発したアプリを提供するような、時代の最先端を行く、面白い会社でした。
当時、電話やメールで対応していて、ネットに接続できないという悩みから気づいたのは、新しいパソコンやモデムが販売されると、接続先との相性でみな同じトラブルに会うということ。
同じ質問に繰り返し答えることが面倒になり、会社から100万円出してもらって、秋葉原で最新のモデムを全て買って、お客様より先に検証して、対策方法を考えることにしました。
また、多い問い合わせは、CMSがない時代ですので、すぐにマニュアルを作成して、ページに掲載してもらう。それ以降、問い合わせの対応は、そのURLを案内することを徹底。
その結果、当時の業界紙4誌にて、サポート満足度No.1として評価されました。
その後、出向元に戻り、カナダで1年間のワーキングホリデーを経験しながら、住商系の会社を1年で辞め、たまたま楽天という会社に入社。
パソコンを自作するくらいオタクでもありましたので、RMSの仕組みを理解して、検索対策でアクセスと売上を増やす方法を考えては、ページにアップして、毎日メルマガを送る日々。
もともと父親が大手広告代理店のコピーライターで、自宅には、最新家電などもあり、いつかモノづくりに携わりたいという思いがありましたので、ネットショップの社長や店長と直接会話して、商品企画や販促の提案ができるのは、当時流行っていたロールプレイングゲームより楽しく、深夜や土日関係なく仕事がばかりしていました。
その後、その思いは変わらず、起業して会社を設立して、今に至るわけです。
振り返ってみると、通信とECと業界は異なるものの、結局は同じスタイルで仕事をしているわけですね。
「継続は力なり」なのか、「ECマスターズクラブ」の会員数が増えることで、対外的な評価も高まったのか、昨年は、ヤフーのギグパートナーに選んでいただいたり、今年は、経産省や海外投資家からのインタビューなどの機会もあり、必要としていただけるだけでも有り難い気持ちでいっぱいです。
また、コロナ禍でネットショップをはじめた方も増えましたので、まだまだやることが山積みになってきました。
ECマスターズクラブの会員、元会員様へ
10周年を機に、恥ずかしいサービスの経緯をお披露目させていただましたが、皆様のご協力なくして、今はありませんので、大変感謝しております。
今後もサービスが変わっていくと思いますが、今後ともお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
また、早く入会され、退会された方は、サービスが変わり過ぎました現時点では、出戻り歓迎ですので、ぜひまたご入会ください。
ネットショップの皆様へ
現在は、会員制サービス「ECマスターズクラブ」として、ポジショニングされていますが、会員の悩みを解決すべく、私自信もリリースしたことを忘れるくらい、数多くの便利サービスとツールを提供しています。
現在は、セミナー経由での入会案内がメインではありますので、ツールの紹介など、ほとんどできていません。
また、楽天ショップの30社に1社は、ECマスターズクラブの会員になりますので、会員の紹介であれば、セミナー参加費が無料となりますので、ぜひご参加ください。
支援事業者や異業種の皆様へ
「ECマスターズクラブ」というコミュニティの運営は、試行錯誤の繰り返しで、まだまだ課題も山積みです。
いろいろな企業と提携しながら、ネットショップの悩みを解決していきたいと思っています。
自分達だけでは解決できない課題に対して、すでに士業や経営コンサルの方との取り組みも増えてきています。
弊社の企業理念は、「世界中の人々に感動を与え、ニッポンを元気にする!」。ソニーのウォークマンやトヨタの自動車が世界に広がり、パナソニックの白物家電で主婦に時間が与えられたように、ネットショップから悩みや無駄な作業から解放し、素晴らしい商品やサービスが世界まで広がり、ニッポンのEC業界が素晴らしいと評価されることを目指して、今まで以上に頑張っていきたいと思います。
弊社の企業理念に賛同される方は、「ECマスターズパートナー」として募集しておりますので、お気軽にご連絡ください。
追伸
よく社名を、「ニホンイーシーサービス」と間違えられますが、大日本帝国、日本ハム、ニッポンレンタカーと同じく、古き良き日本の良さを参考に、「ニッポン」と読みます。