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【感想】じんぶんTV 大脇幸志郎著『「健康」から生活を守る』読書会 2021年2月7日 #大脇読書会

関西クラスタの生みの親とも言っていい大脇さんの読書会ということもあって、ほとんどこれ同窓会じゃないかってぐらいの集まりだった。

それもこれも大脇さんの人望というか、と言うと大脇さんは謙遜するのだろうけど、とはいえ凄い盛り上がりだった。本人もこのようにツイートしてた。

コロンブスさんの司会力というか、淡々と精読するスタイルは、久しぶりにみたけど、やっぱりあーいう読み方ができる人ってなかなかいないよなあと完全に視聴者としてみてました。

ここでしか聞けないと思われる大脇さんの真意に迫る部分が随所に見られたのが非常に良かった。

考えたこと

この読書会を通じて、私が考えたのは、医師も人であるという当たり前のことだった。

私たちは「お医者さん」をある種神様のような存在として見てしまっている。もちろん当たり前に人なのだけど。お医者さんは医学的に正しいと思ってしまっている。医学的、科学的という言葉にみんなは弱い。だが、それがもつ本当の意味をちゃんと理解しなくては「健康」に生活が脅かされる。

医学は、いくらエビデンスに基づいていても、実はいくつもの人の判断、解釈によって、選択されている。そのことを大脇さんは重要なことだと言っていた。

これは私の考えだが、医師は、一人の患者を匿名的かつ顕名的に扱っている。そして、その二律背反に常にさらされる存在である。つまり、医師は、医学的に統計的に正しいこととその人が求める治療の間に常に揺れ続ける存在である。

さらに言えば、トロッコ問題もとい救急車問題という問題もあるだろう。

一人の患者に対して寄り添うという治療はよく聞こえるが、100人の命を犠牲にしてもなお患者に対して寄り添うのだという医師はいないだろう。だが、一方で患者にとってこの「医師」はほとんどの場合は変えられない存在であり、絶対的なものとして映っている。この非対称性、矛盾にも答えを出すことはできない。

大脇さんは読書会の中で、自分の本が難しいと繰り返し言っていた。それはある種の失敗だったのかもしれないという話もしていた。もう少しわかりやすく書くこともできた。が、あえてそうしなかった、と。

私は、この本の戦略が失敗だとは全く思わない。

それは大脇さんが常に「医師」として誠実であろうとすること、迷いがあるからこそ、かんたんに答えが出せない問題に対して、大脇さんの出せる最大限の処方箋だったと思うから。

わたし達がその処方箋をどのように受け取り、どう生かしていくのか。そして、生きていくのかを考えていかなければいけない。そんなことをなんとなく考えた。


ちなみに、カバーイラストは、昔タイで食べたカツカレー。多分1キロぐらい。これはもちろん1人前だ。飲みの〆に食べたのだが、やっぱり食べすぎは良くないとこの写真を見るたびに思う。


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