オーディションやコンテストは慎重に選ぼう!①
こんにちは!
白田将悟@令和歌謡&City Pop作曲家・編曲家です。
いつもありがとうございます。
最近「オーディションやコンテストにエントリーするために編曲と伴奏のトラックを制作して欲しい」というご依頼が結構ありまして、この記事を書こうと思いました。
今回の記事は、オーディションやコンテストを突破するためにどんな音源を作るべきか?といった内容ではなく、もっと初歩的な「チャレンジするからにはこういうところを選ぼう!」といった内容です。
※音源のポイントについてはまた追って記事にしたいと思います。
あとは、ここ数年SNSでも「ミュージックプラネット」なる歌手デビューオーディションの広告を何度も見たことがあると思います。
これがまた言葉選びが非常に難しいぐらい「微妙」なものだと思っておりましてw
このあたりの事例、そして私の経験も踏まえて、いろいろお話したいと思います。
まずはじめに
私がこういったオーディション・コンテスト関係の運用の仕方に注目したきっかけが、前述した「ミュージックプラネット」です。
これについては私はエントリーしたことも関わったこともないので、オーディションサイト記載の情報や、エントリーされた方によるSNS等で発信されている経験談等を元に、考察したいと思います。
※誹謗中傷の意図は全くありません!
このオーディション、詳しくテキストで説明するのが難しいのですが、サイト上には、
「一人ひとりの輝きを発掘し、飛び立つ力を支援する。
新発想のボーカリスト・スタートアップ・オーディション。」
このように記載されています。
これだけでは何のことかピンと来ない方も多いと思うのですが、「スタートアップ」という言葉に注目してください。
「スタートアップ」=「プロジェクトの立ち上げ」
といった意味ですね。
音楽系でよくある「デビュー」という言葉を使わず「スタートアップ」を使っているところが大きなポイントです。
そう、これはメジャーデビューとかそういった音楽業界でよくある「デビュー」ではなく、歌手活動目指す方を「立ち上げる」ためのオーディションなのです。
このオーディションを通過することで、
・メジャーデビューできる
・ドームとか武道館といった大きなステージや有名音楽フェスに立てる
・芸能プロダクションに所属できる
・プロミュージシャンになれる
といったものでは一切なく、単純に「歌手になる」ためのスタートラインに立つためのものなのです。
問題点
この「ミュージックプラネット」について、大きく分けて2つの観点から問題点があると思ってます。
問題点①(運営側)
オーディション(人材発掘)と謳っておきながら、オーディション通過者がプロジェクト参加のために多額の費用(最大税込847,000円)を負担する。
これは一番大きな問題点かなと思います!
オーディションというのは、「人材発掘・育成」が本来の目的のはずです。
所がこの場合、オーディションを通過した方(=将来性のある良い人材)が「プロジェクト参加のために費用がかかる」というのです。
これは、オーディションサイトの方には「合格後、プロジェクト参加が決定した場合は、費用をご負担いただきます。」と書かれているので、決して「詐欺」ではありません。
※前述した「微妙」という言葉が出てきたのはこういう点があるからですねw
そして決定的なのは、サイトにも載っているこれ…
ここではっきりと、
「販売する商品・サービスの内容」
「販売価格」
とハッキリと載せてるんですねw
これで皆さん、もうおわかりですね…
「このオーディションに通過したら、これらのサービスをこの金額で購入できる権利があります!」
というものなのですね…
こういう運用の仕方で、「オーディション」と謳うことが適切なのかどうかというところがポイントです!
他に気になった点としては、これは表に出ている情報だけでは判断できない所もあるのですが…
オーディションサイトに載ってる有名プロデューサーが手厚いサポートするように見えるけど、実際はそうでもないんじゃね…?
という所でしょうか…。
これは私の推測ですが、オーディションの審査や、通過最初の面談(活動の方針を決める部分)だけはこのプロデューサーが対応し、あとはスタッフや無名のクリエーターが残りの対応するのかなと。
というのも、このオーディション通過して曲をリリースした方たちの情報をいろいろチェックしたのですが、
「どのプロデューサーが担当した」という情報が見当たらないのです。
それどころか、楽曲制作者のクレジットも…
つまりは何らかの理由で「これらの情報は公開したらダメ」というのがあるのでしょう。
なので、これから受けようとされる方がイメージされているであろう「あの有名な〇〇氏のプロデュースで歌手デビュー!」みたいなことは、言わずに活動していかないといけないのでしょう…
問題点②(受ける側)
前述したような「オーディションの目的や趣旨」や「オーディション合格後に費用が発生すること」を理解せずに受けている方が多い。
これ、とても問題だと思います…
ネットで少し検索しただけで、「オーディションの最終面談で高額な費用がかかることを知って辞退しました」といった経験談がたくさん出てきてます。
オーディションやコンテストは、自分の夢がかかったとても重要なイベントです。
受けてから「これってひょっとして詐欺?」とか不安になって調べるのではなく、受ける前にサイトの情報だとか、経験談をしっかりリサーチしてから受けるというのは徹底しましょう。
ここでリサーチのポイントですが、
・オーディションサイトの情報は隅々まで読み込んで理解する
→お金のことは特に!
・SNSやブログ検索で、オーディションについてのリアルな経験談に耳を傾ける
→ポジティブ・ネガティブ両方の情報をチェックしてなるべく客観的に判断すること
・オーディション出身者のSNSや音源、活動状況をチェック
→音源は誰から提供を受けてどれだけのクオリティか自分の耳でしっかり聴く、どれだけの実績を積んでいるか、自分の求めている活動スタイルと合っているか等。SNSのフォロワー数や稼働状況も参考になると思います。
今回の記事のまとめ
今回はミュージックプラネットさんへの批判のような記事になってしまいましたね…w
前述しましたが、このオーディションは詐欺ではなく「オーディションの考え方や運用の仕方が適切であるか?」というところに疑問があるだけです。
シンプルに言ってしまうと…
これから音楽活動をしたいけど、どのように動いたら良いか全くわからないから、予算847,000円をかけて、自分にあった活動スタイルを提案してもらい、楽曲だけでなく、他に必要なツールや技術を提供してもらう。
というものになるので、このコンセプトに共感できる方はどんどんチャレンジするべきだと思います!!
このオーディション経験者のとある動画のコメント欄に、こんな意見がありました。
この意見、とても重要なことが詰まっているなと思いました。
オーディションについての趣旨をきちんと理解して「価値を感じている」と読み取れるので、この点はとても評価できるなと。
ただ、「自分で色々しようと思ったら相当な労力と知識がないとできないと思う。」という点についてはその通りなんですが、これからの時代は「なるべく自力で相当な労力と知識を得られるように努力する」というのが大切な考え方だと思うので、この点は少し残念…
なるべく自力で様々な情報を得て、
「自力でやるべきこととそうでないことをしっかり整理する」
というのが第一歩です。
そうすることで、自分のやるべき音楽活動のスタイルや、受けるべきオーディションも自ずと見えてくると思います。
次回は、そのあたりの「活動スタイルに合わせたオーディション・コンテストの選びのポイント」についてお話したいと思います!
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