”日々の生活に足しになるかもしれない”中国史逸話シリーズその一〜「覆水盆に返らず」〜
まいど!おーいけです。
おーいけは中国史も好きなことで有名です。
専門家の先生方には及ぶべくもないですが、小学生の頃に三国志にハマり、以来中国史の話になるとつい熱くなってしまう武将になってしまいました。
その趣味の範囲は殷周易姓革命から三国時代、そして飛び飛びで隋唐易姓革命、南宋の岳飛まで、となっております。
(馴染みのない人にとっては、ちんぷんかんぷんな言葉達ですね笑)
そんな中国史の中から「これはみんなの足しになるかもしれないぞ!」というエピソードを紹介していくのが、こちらのシリーズになります。
第一回目は「覆水盆に返らず」の故事です!
意味は「一度起きてしまったことは、元に戻らない」です。
この言葉がどのような経歴で生まれたのか?!
それを紹介していきます!
わかりやすくするため、くだけた文体でいきますが、専門家先生方、すいません!!
それでは早速いってみましょう!!
みなさんご存知?太公望
日本でもジャンプで連載してたことにより、一定の認知がある「封神演義」。
読んだことがある方は、主人公が「太公望(たいこうぼう)」ということはご存知でしょう。
「太公望」はあだ名で、本名は「姜尚子牙(きょうしょうしが)」。
「姜」が姓で、「尚」が名、「子牙」が字名(あざな:昔の中国で大人になったら付ける名前。成人したら基本字名で呼ぶ。名で呼ぶのは非常に失礼。斬られてもおかしくない。つまり太公望の本名の呼び方は「姜子牙」)。
(ちなみに「呂一族」の出身だったから「呂尚」と呼ばれたりもするよ。名前多すぎだね)。
まあ、そんな太公望。
漫画はここでは置いておいて、世界最古の軍師として、殷王朝を倒し、周王朝を建てた立役者となった、約3000年前の超有能人物です。
3000年も前の人物なので、正確な年齢等は計りかねるのですが、なんと50〜60歳近くまでニート生活だったとのこと。
その時の王様、紂王(ちゅうおう)は非常に悪い王だったため、太公望は嫌がって就職しなかったそう。
就職してもすぐ辞めて、「俺はこんなとこで終わるやつじゃねえ!」「王がダメなんだ。俺は悪くない」と言いまくってふらふらする始末。
見かねた友達がお見合いを設定して、半ば無理矢理、宿屋の娘と結婚させられる。
嫁さんに「あんたいい加減働け」と言われても「今じゃない。ここじゃない。」と言い続けました。
現代でもここまで駄々こねるおじさんがいるだろうか、、、
とんでもないダメ男っぷりである。
そしてある日、「本当にもうやってられんわ。他の王様のところに行く」と言いだし、完全辞職。
家に帰った嫁さんと勿論大げんか。愛想を尽かされ、遂に離婚される。
そして現在の西安市より、もう少し西の方の山奥で釣り三昧。
ニートここに極まれり。
齢60でこの有様である。
伝説は始まった、、、最古の天才軍師誕生
釣り三昧中に、川に迷いこんできた西の王様(さっきの紂王は全国を統べる王様)、文王(ぶんおう。西の方の知事だった。のちに王様に)と運命の出会いを果たす。
文王と意気投合した太公望は就職先がその場で決まる。
文王の採用の決め手が「話してみたら、こいつマジぱねえ思想と大局眼持ってるわ」と思ったことです。
太公望という通称も「太公(文王の祖父)の時代から待ち望んでいた人材だ」と言われたことから付いたあだ名です。
就職した役職はいきなり総理大臣(宰相)である。
無職から総理大臣とは、さすが中国である。スケールが違いすぎる。
しかし3000年後にもこうして名前が残る太公望、能力は本物だった。
紂王を倒すため軍隊を率いて東の都に攻め込み、見事殷王朝を倒してしまう。
(細かい戦役は省きますね)
本当の天才軍師・天才大将だったのだ。
めちゃくちゃ、ハードボイルド。『覆水盆に返らず』
殷王朝を倒して、新しい国を作った太公望。
それになにより驚いたのが元妻である。
なんたって無職ニートが総理大臣になって凱旋してきたわけである。
あの捨ててやった元夫が、今や一国を率いる立場。
復縁すれば玉の輿どころか、栄華を極めることができる!
早速、いじらしく太公望に会いに行ったのである。
元妻「あんたさあ、、、すっかり立派になって、、、よかったら、私たち、やり直さない、、、?」
それを聞いた太公望はおもむろに立ち上がり、お盆に入った水を床にこぼした。
太公望「この水が二度と盆に戻らないように、俺達ももう戻ることはできない」
いやハードボイルドかよ!
元妻は黙らざるを得ず、復縁は無しになったとさ。
こんなエピソードから「覆水盆に返らず」(一度起こってしまったことは元には戻らない)という故事ができましたとさ。
まとめ〜太公から待ち望まれる存在〜
如何でしたでしょうか?
明日からちょっと男女問わず、ハードボイルドな気分になった時に
「覆水は盆に返らねえ、、、」と使えるようになったのではないでしょうか?
故事としての面白さもありますが、なにより太公望のとんでもない出世が、僕らに希望を与えてくれますね。
しっかりした信念や考えがあるならば、耐え忍んでチャンスを狙い続ければ、いつか太公望のように”大きい魚”を釣ることができるのではないでしょうか。
これを読んだあなたが!「太公の時から待ち望んでいた人だ!」と言われることを願って、末筆とさせて頂きます。
読んでくださり、ありがとうございました!
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