スポーツ医科学によるトップアスリート支援の充実
NSGグループの新潟医療福祉大学と新潟リハビリテーション病院が中心となり、「新潟スポーツ医・科学コンソーシアム」を設立いたしました。
このコンソーシアムは、新潟医療福祉大学が令和5年度スポーツ庁委託事業「地域のスポーツ医・科学体制構築事業」に採択され、その事業の一環として設立されたものです。新潟医療福祉大学アスリートサポート研究センターと新潟リハビリテーション病院スポーツ医学総合診療センターを中心機関として、新潟県健康づくり・スポーツ医科学センターをはじめスポーツに関連する新潟県内の公的機関・職能団体、医療機関、競技団体・クラブチーム、高等学校・大学・専門学校、企業と連携・協働して、トップアスリートに対する医・科学の支援を充実させるための組織です。
女性アスリートへの支援の取り組み
以前このコラムで紹介したことがありますが、新潟医療福祉大学が令和4年度にスポーツ庁委託事業「女性アスリートの課題解決型実践プログラム」に採択されたことを契機に、新潟医療福祉大学アスリートサポート研究センターと新潟リハビリテーション病院スポーツ医学総合診療センターは連携して女性アスリートの諸問題に関する専門的・包括的な医科学的支援を受けられる医・科学支援拠点の形成に取り組んできました。
具体的には、大学と病院が連携し、新潟医療福祉大学の強化指定クラブやアルビレックス新潟レディース、新潟アルビレックスBBラビッツ、新潟アルビレックスランニングクラブ、開志学園高校や開志国際高校の選手達を対象に女性アスリート特有の諸問題や貧血、睡眠、栄養などに関する「女性アスリート検診」を実施し、専門家によるフィードバックを通じて競技復帰やパフォーマンス向上をサポートしています。また、2023年1月に新潟リハビリテーション病院スポーツ医科学診療センターに女性アスリートの健康面をケアする専門の外来を開設し、様々な症状で悩む女性アスリートの問い合わせに対して、専門医が対応しています。
スポーツ医・科学支援提供体制の構築、質の向上、範囲の拡大を目指す
この度の取り組みでは、これまでに構築してきた体制をさらに発展させ、新潟医療福祉大学と新潟リハビリテーション病院を中心機関として、現在保有している人材、ノウハウ、機器、環境を最大限に活用して「新潟スポーツ医・科学コンソーシアム」を形成し、トップアスリートの育成を目指したスポーツ医・科学支援提供体制の構築、支援内容の質の向上、支援範囲の拡大を図ることを目指しています。さらには、これらの取り組みを通じて得られたノウハウ等を隣接県に横展開することで、北信越地域における包括的で質の高いスポーツ医・科学支援を提供できる体制「北信越スポーツ医・科学コンソーシアム」の形成をも目指しています。
コンソーシアム設立を契機に各競技団体や関係機関との連携を強化
新潟県におけるスポーツ医・科学支援は、一部では取り組まれていたとしてもサポート体制が十分整っておらず、また、サポート対象となる選手は国体強化指定選手などに留まっているという課題があるとのことです。
この新潟スポーツ医・科学コンソーシアムの設立を契機に、新潟の各競技団体や関係機関が連携をますます強化し、一体となってスポーツ医・科学の支援体制を構築できることを期待しています。各競技のアルビレックスや地元の若者の全国大会や世界大会での活躍は、地域を明るくし、子ども達に大きな夢や希望を与えてくれます。新潟医療福祉大学と新潟リハビリテーション病院を中心としてNSGグループ全体で地域の皆様と共にスポーツ医・科学によるトップアスリートの支援体制の充実に積極的に取り組んで行きたいと思います。 〆