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AIを活用して起業を目指す方をサポート~CLIP長岡と新潟人工知能研究所の取り組み~

皆さんご存じの通りAI(人工知能)は経済、社会の発展に欠かせない技術であり、AIが様々なところで活用されるようになっています。NSGグループでもAI活用に取り組んでおりますが、今回はグループ内の連携で開発した身近な事例の一つを紹介したいと思います。

NSGグループは事業創造による地域活性化に取り組んでおり、グループ内外問わず、起業家支援に力を入れて取り組んでいます。NSGグループの一般社団法人 新潟県起業支援センターでは新潟県長岡市において、起業したい方や起業して間もない方を応援する新潟県スタートアップ拠点「CLIP長岡」を運営しています。長岡市や新潟県などと連携しながら、起業の手続き、補助金の申請、事業計画の作成まで、幅広い情報の提供と相談を実施しています。そうしたサポート活動を通じて起業家を輩出することで、地域経済の活性化に貢献することを目指しています。

求められる起業支援のスピードアップ

新潟県だけでなく全国的に起業したいという機運は近年高まってきています。しかし、起業を目指す方の相談に乗りサポートする担当者は不足しています。また、相談内容は、資金調達、開業手続き、マーケティング、事業計画書の作成等々多岐にわたるため、幅広い知識を持った専門スタッフしか対応ができない業務でもあります。そうしたことから電話や面談で対応するまでに時間を要する状況で、それが課題の一つとなっています。新潟県は新規起業数が下位に位置しており、起業相談への対応のスピードアップが解決策の一つになっています。

そこで「CLIP長岡」では、同じくNSGグループの株式会社新潟人工知能研究所と連携して、24時間自動応答で質問に答える「起業相談AIチャットボット」を開発しました。このチャットボットは、起業に関するキーワードを入力すると関連する項目を提示する機能や、起業準備のクイック診断を行える機能を備えています。相談ニーズの中には、チャットボットで回答にたどり着けるものがあります。そのような質問にAIが回答することで、質問者は素早く回答を手にすることができるようになり、相談員は様々な要素が絡み、多岐にわたる方法論が考えられるような複雑な相談により多くの時間を割くことができるようになります。また無料相談を希望する場合には、画面に表示される「クイック診断番号」を伝えると、担当スタッフが相談される方の状況をある程度把握した上で対応できるので、初回の相談が効率よく実施できるという利点もあります。

大学等と連携しAI人材の育成に取り組む

このチャットボットの開発を担当した株式会社新潟人工知能研究所(NAIL)は、2017年8月にNSGグループの企業として設立したベンチャーです。人工知能を活用したプロダクトの開発やデータ分析事業とともに、新潟におけるAI人材の推進しており、大学や専門学校などの高等教育機関との連携、社会人向けセミナーの実施、教材開発を積極的に行っています。今回のチャットボットの開発においても、開志専門職大学情報学部や新潟大学工学部共創経営プログラムの学生が、AIチャットボットの頭脳となるナレッジベース(質問応答のデータ)を作成やシステムテストに参加しました。

新潟人工知能研究所では、今後このチャットボットを発展させて、起業相談の支援者向けのサポートシステムの開発も考えています。経験の浅い相談員でも、質問をチャットで入力すれば今まで蓄積したデータからAIが回答を導き出すことで、幅広い知識を持った相談員に近い対応が可能にもなります。そしてデータが蓄積されればAIからの回答の質もさらに高くなります。そして、起業相談のスピードアップが図られ起業が促進されれば地域が活気づきます。このシステムを様々な地域に広め、利用してもらうという角度からも起業を目指す方々の支援に取り組んでいきたいと考えています。

人にしかできない仕事に集中

少し前に、「今ある仕事の半分はAIに奪われて、人間の仕事がなくなる」と言われていたことがありました。しかし、昨今は様々な分野で人材不足が課題となり、AIなどのテクノロジーが課題解決の方法として期待を背負う時代になりました。そして国内では少子高齢化が進み人材不足は今後ますます大きな問題となっていきます。
AIで代替できることをAIに任せることで効率化を図ることができ、それと共に人にしかできない仕事に集中できるようになります。例えば今回例に挙げた起業相談をされる方々の事業プランにはそれぞれ違った背景があり、一人ひとりの夢や思いも詰まっています。AIによる画像認識や音声認識の精度は向上し、また多様なニーズに対応できるようにもなっていますが、非言語の情報を感じ取ることや、アイデアをプラスするといった事は、まだ人の役割であるように感じています。人が得意なことに時間を割いていくためには、AIを活用することが大きな助けとなります。これからも様々な分野においてAIを積極的に事業活動に取り入れていきたいと思います。             〆

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