
【2025冬 北海道岩内町】髙島旅館に泊まることができた話
(9:40)コメダ珈琲を出発
・さっき、今日の旅先が発表された。今回は岩内町の高島旅館。完全にノーマークだった。どうやら、各ランキングでも上位常連の全国的にも有名な旅館らしい。せっかくなので、急遽noteを認めることとした。(誕生日恒当日発表型の旅!)
・モーニングとコメチキを2人で食べたが、この前に饅頭と羊羹パンを食べてきたので、お腹がハチキレソウ。

(9:53)バス停到着
・セコマでお茶を購入し、近所のトイレで用を足して、バス停へ。こうゆう時、15分前にはバス停に着いていたい性格なので、早歩き。
・10:05発のバス列の先頭を確保。バス停は北海道庁の目の前だ。長らく工事をしていたけど、ようやくビジュアルはお目見えしていた。


・岩内町行きのバスは毎時05分に出発する。北海道庁前(正確には札幌駅前〔工事中のため一時的に引っ越しているらしい〕)からの乗車は5名くらいだった。
・トイレ近いマンなので、バス移動と聞いてまず心配したのは、バスにトイレがついているかだった。正確に言うと、トイレに行けないと言う強迫観念でトイレに行きたくなるタイプ。ちゃんと調べておいてくれたようで、岩内町行きのバスにはトイレがついていた。おかげで岩内町までの2時間、安心して移動できる。
(10:05)高速いわない号出発
・バスは時間通りに出発した。途中時計台前などで人を乗せつつ、岩内へ。天気もいいし、トイレもあるし、いい日になりそうだ!
・バスでは必ず最後尾に座ることにしている。①トイレが近いこと、②背後に誰かがいるのが嫌なこと、が主な理由。飛行機でも電車でも同じ。②については、日常でも人が後ろにいるとゾッとしてしまう。前世で背後から暗殺でもされたのかと思うほどだ。そういえば、大学の授業でも決まって最後尾に座っていた。よく「前に座る生徒は意識が高い」と言われていたが、まれに前世が原因で最後尾好きの意識高い学生もいることを、世の中には周知していきたい。(学生としてはそこそこ真面目だったとは思う)

(11:17)小樽駅着
・高速いわない号は小樽経由のようだ。帰路は小樽に寄ってもよさそう。そこそこお客さんが乗ってきて、バスは8割くらい席が埋まった。

・小樽を出てからは海辺を走る。札幌発の人はぜひ右側をお勧めする。
・余市で結構な人が降りた。乗車率3割くらいになった。みんな、ワインか?


(12:39)老古美停留所着
・北海道はアイヌ文化の影響か、聞きなれない美しい地名が多いけど、その中でも「老古美」と言うのは好きな響きだ。「おいこみ」と読むらしい。当て字なのだろうが、漢字を当てた人の綺麗な感性に感動した。
(12:44)岩内バスターミナル着
・以前来た時は雪のない季節だったから、随分前とは様子が違う。前回も行った焼き魚のお店(北緯43度)に行くことにした。
・北緯43度は呼び出し音のなる札をもらい、隣接されたお土産屋で順番を待つ。5番目くらいだったが、結局50分くらい待った。たった2人で回してるから、お店側も大変そうだった。
・待っている間に、近くの道の駅へ。岩内町出身の一山本関の等身大(より少し小さい)パネルが飾ってあった。小さな町から日本の土俵に上がると言うのは、誇らしいのだろう。
・ついに番が回ってきた。この辺りだと美味しいにしんにしてみたら、骨は多いが味はしっかりしていて良かった。


・お店を出て、セコマで買い出しをして、バスターミナルへ。旅館の車が迎えにきてくれるらしい。
・バスターミナルを徘徊していたら、ハイエースの車が迎えにきてくれた
・爆速のハイエースのおかげで14:57には宿に着いた。

(14:59)髙島旅館に到着
・建物からは、ふんだんに使われた木の香りがする。旅館と言いつつ、洋風の建物だ。
・掛け流しで24時間入れる内湯、22:00までの露天風呂とサウナがある。泉質がいいのもここを有名にして会える所以のようだ。
・この宿は電話予約しかできないらしい。ブログによると、元日に一年分の予約が開始になるとか。(後から聞くと、元日から、翌年三月までの予約を取るらしい)そんな宿に泊まれてありがたい限りである。




・高島旅館の車で到着したのは我々だけだったので、自然とチェックイン一番乗りも我々だった。せっかくなので、一番風呂もいただくこととした。
・内湯も外湯もそこまで広くはない。洗い場も3つ。だがこのこじんまり感が心地よい。極寒の中の外湯は、東京ではなかなか感じられない、寒気持ちいい感覚を味合わせてくれる。
・サウナも当然一番乗りなので、まだ汗をかくほどには暑くなかった。ロウリュ用の水をかけてじんわり体を温めた。つららを見ながらのサウナはなんとも贅沢だ。
・夜ご飯は17:00/17:30/18:00/18:30から選べた。直前に焼き魚定食を食べたにも関わらず、17:30を選択した。ブログの著者は17:30から食べ始め、21:00くらいまで食べているらしい。空腹にするために、風呂上がりは部屋でチルした。
・クラフトビールのビールサーバーがあり、350円で小ぶりのワイングラス一杯が飲める。食前酒としていただいた。

(17:30)夕食開始
・温泉に使ったことで、満腹感も少し落ち着いた。楽しみにしていた食事が始まる。
・海の幸に恵まれた岩内ということもあり、海鮮が中心のメニュー。焼き物やお刺身、ヒラメの活け造り、海鮮鍋など、豪華なラインナップだった。その中でも、立派な鮑が3つ(刺身、焼き物、鍋物)含まれているのは圧巻だった。



・2時間かけて食事を終えたが、稀に見る満腹感。
・スタッフのお兄さんによると、元日から翌年3月までの予約を受け入れるらしい。今年も夜通し電話を受け、2025年2月の時点で9月くらいまでは満室になっているとのこと。温泉や食事の満足度を考えると、予約がすぐ埋まるのも納得だ。人生で一度は泊まってみたい、そんな宿に図らずも泊まれている幸せを噛み締める。
・19:30ごろ食事が終わり、そのあとは血糖値スパイクのおかげで21:00くらいまではぐだぐだしながら(noteを書きながら)過ごした。
・外湯とサウナが22:00までなので、再度温泉へ。外は真っ暗なので景色は拝めないが、凍える上半身と熱めの湯に浸かる下半身のマリアージュはなんとも言えない心地よさを産む。お兄さん曰く、夏はウニの季節なのでピークは夏ということだったが、温泉に心身を浸らせるにはやはり冬がベストだろう。
・サウナも2セット。普段はサウナーというほどサウナを嗜むわけではないが、あったら入る。これが私の流儀。体の深いところまでほかほかになるので、外気浴がこれまた気持ちいい。これを「整う」と呼んで良いのかは、未だわからないものの。
・風呂上がりには、持ち込んだセコマのトマトサワーをいただいた。部屋には、よく旅館に置いてある一口お菓子として、ドライみかんが置いてあった。これもなかなか美味しかったので、チェックアウトの際に購入することとなる。
・そのあとは、特に何もすることなく24:00過ぎに就寝。
(7:40)起床
・サウナに入ったあとの心地よい疲労感のおかげで、夜はぐっすり。
・7:30以降はいつでも朝食が取れるということだったので、朝食会場へ(ちなみに夕食は部屋食だった)。
・朝食は、卵に、納豆に、牛乳に、御御御付けに、全て地元の食材や旅館の自家製だった。朝食として珍しいのはイカそうめんくらいで、それ以外はある意味朝食の最強の布陣を揃えてきたなという感じ。韓国だと、カンジャンケジャンのことを「ご飯泥棒」と紹介しているテレビを見たことがあるが、髙島旅館の朝食は「ご飯泥棒のアベンジャーズ」ってとこか。(ちなみにアベンジャーズは見たことない。)
・焼き立ての鰊、出来立ての目玉焼き、炊き立てのご飯など、全てを美味しく噛み締めることができた。地元や自家製のものを、いいタイミングでいただくこと、これができれば、地球のどこにいても、そこは人生最高レストランになるのかもしれない。そして、「〇〇立て」は人を幸せにする表現ということに気付かされた。



・朝食後にはコーヒーも出してくれた。ロビーでコーヒーを飲みながらチルしていると、館長が大きな木箱を受付に運んでいた。はっ!(ブログ情報によると)そういえば、焼きたてパンが売られるのだった!
・焼きたてパンは全て一つ250円。こしあん、つぶあん、くるみ、レーズン、シフォンケーキなど、シンプルだが間違いない、パン界のアベ…(略)。ただ、誰もがお腹いっぱいになったであろうこのタイミングなので、持ち帰り用にいくつか購入した。

・お風呂が9:30、チェックアウトが10:00(我々の送迎も10:00)なので、最後に朝風呂へ。朝はサウナはやっておらず、内湯と外湯だけだが、あのマリアージュを朝からも堪能できて、体も心もポカポカだ。
・部屋に戻ると9:40ごろだったので、そそくさと片付けをして部屋を出た。
・すでに送迎の準備がしてあったので、チェックアウトして車へ乗り込み、岩内バスターミナルへ。
・館長が直々にお見送りをしてくれて、最後の最後まで、おもてなしの暖かさを感じる宿泊だった。


,10:03にはバスターミナルへ到着。10:18の札幌行きのバスに乗り込み、帰路に着く。
(10:18)岩内バスターミナル発
・前日の札幌発に比べると、始発から4割くらいが埋まっており、想像よりも人が乗るんだなと思っていたが、町内のバス停でどんどん降りていった。おそらく、便数が少ない中で、路線バスの役割も兼ねているのだろう。特に雪道の運転は危険なので、地元のシニアの方が、交通の足としても高速いわない号を活用していると思われた。すごいぞ!いわない号!
・岩内町ないで随分のシニアが降りていったので、気づけば二割くらいまで減った。しかし、そのあとの余市で10人ほどが乗車してきたので、バスの席は結構埋まってきた。
・昼便は右側から日がさすのと、左側が海側になるので、バスに乗る時は左側がおすすめだ。
・結局、帰りは小樽で降りず、帰路に着いた。伏線は回収しない。これが私の流儀。

・髙島旅館の人気の秘密は、多くの方が筆に残している通りだろう。食事も、温泉も、おもてなしも、この上ないものだった。ただ、(当然ながらいい意味で)高級すぎておそれ多いということもなく、実家や仲のいい友達の家にいるような親しみやすさが随所に感じられる、それがリピートしたくなる気持ちを彷彿させるのだろう。
・実は、今回は筆者の誕生日ということで、全て払ってもらったため、いくらかかったということはここには書けない。ただ、本当にこんな価格でいいんですか…というくらいお得感も満載なのも、リピート精神に火をつけているのは間違いない(ちなみに、苦しいながら、近々値上がりもあるだろうということ。いや、むしろ持続可能な価格にしていってください!)
・地理的なアクセスは決してよろしくない。観光資源も多くはない。ひっそりと佇む旅館には、「また来たい」「あの人と一緒に来てみたい」と思わせる幸福があった。
・私は毎年、その年のテーマの単語を決めている。今年2025年度の目標は”Niksen”。オランダ語で「あえて何もしない」ということらしい。ちょっと前に流行った、ヒュッゲやリトリートと同じように、ここのところ流行り始めた単語である。
・この髙島旅館まさに、この”Niksen”を体現できる場所だ。何をするわけでもなく、ただただ舌鼓をうち、お湯に浸り、星を眺め、雪に想いを馳せる。それがどれだけ幸せなことか。
・髙島旅館は”Niksen”な施設だ、と流行りの単語で表現するのは少し滑稽かもしれない。しかしながら、「あえて何もしない」ことが人類の(概ね)共通の贅沢だと信じて疑わない私には、また髙島旅館を訪れる理由が十分すぎるほどある。