入社後のギャップって何?
■本記事の目的
入社後に起こり得る症状を事前に知っておくことで、「リアリティショック」=入社後のギャップが緩和され、キャリア形成のヒントにしてもらえれば幸いです。そのためには、その原因について事前に理解しておくことが大切。数多くの若手社員と関わらせていただいた観点からまとめました。
大前提として、
キャリアに「正解はない」
ということです。繰り返しますが、あくまでもこれが大前提の話です。
ここでいう「リアリティショック」とは、
理想と現実のギャップがあることによりショックを受けること
いわゆる、入社後のギャップですね。
入社前の方は、とても気になることかと思います。
入社1年~3年目の方は、すでに悩んでいる方も多いかもしれません。
就活中であれば、ほとんどの方がこの「リアリティショック」を避けるために社員との面談や、企業研究、口コミサイトのチェック等々、様々な方法を駆使して「リアリティショック」を回避するために動いていたと思います。
しかし、事前にどんなに調べても、未来のことは
「やってみなければわからない」
「入社してみなければわからない」
という現実と向き合わざるを得ない実態があります。
日本では新卒入社の方が入社3年未満に離職する割合はずっと約30%前後をキープしており、特に改善傾向は見られません。
この理由は何なんでしょうか?
もちろん、キャリア選択における情報不足もあったかもしれません。
職場環境の問題、上司の問題もあるかもしれません。
ただ、本当にそれだけが原因なのでしょうか?
ちょっと、視点を変えて考えてみましょう。
今日は、この「リアリティショック」の原因となっているポイントについて1年目~3年目前後の若手社員の実態から考察したいと思います。
■結論から言います
ポイントは、
いかに「選ばれるか」をまずは、徹底して考える
ということに尽きます。
やはり、仕事とは常に「相手」があることです。
なぜ、だれもが知るアスリートたちは偉業を達成できたのか?
それは、「選ばれ続けたから」です。
スポーツであれば、試合に出場「する」、「しない」は選手だけではなく監督が決めること。どんな優れた選手でも選ばれなければそのチャンスは巡ってこないのです。
キャリアに関する代表的な観点として、エドガー・シャインがわかりやすいと思います。
「キャリアアンカー」を探る3つに問いは、
・自分は何が得意か
・自分は何がしたいか
・自分は何に意味を感じられるか
その問いを可視化したものがこちらですね。
私たちは、この3つの円をそれぞれ成長させ、重なり合わせることで「自分らしさ」や「やりがい」を見出しているということです。
そして、この3つの円のバランスが極端に崩れる時に、「リアリティショック」も発生しているという話になります。
それでは、「リアリティショック」に陥りやすいパターンについて解説します。
大きくわけて3パターンの特徴があると思われます。
主な3つのタイプとは、
①WILL拡大タイプ
②CAN拡大タイプ
③MUST拡大タイプ
この3つパターンを1つずつ説明したいと思います。
パターン①WILLが大きい場合
●実力不足に気づいていないタイプ
症状:やりたいことはあるけれども、やりたくないことも色々ある。自分はできると思っているが、周囲からは「任せられない」と思われている。当の本人はそのことに気づいていない。したがって、会社から中々チャンスが回ってこない。自分は「できる」と思っているのでフラストレーションがたまり続ける。
処方箋:どうすれば「選ばれるか」を考え、実力不足を受け入れる。そして、どうすればやりたいことを「任せてもらえるか」に集中する。また、周囲から客観的な意見を聴いてみる。素直にアドバイスを実践してみる。
パターン②CANが大きい場合
●孤高の一匹狼タイプ
症状:できることはある。力もある。でも、自分から「前にでること」「アピールすること」はしない。意志表示をしない。いずれ自分の実力を理解してくれる人(救世主)が表れると信じている。プライドの高い人に多い。過去の栄光に浸っている傾向がある。
処方箋:学校と違って、社会(プロ)生活では自分でアピールする姿勢が必要。「能ある鷹は爪を隠さず」どんどん「主体的」に仕事を取りに行くことが求められる。組織では意外と「できる人」も大事にするが、主体的に「やりたい人」に任せてみようと思うことも多々ある。
平成の経営の神様である稲盛和夫さんはプロジェクトの成功の秘訣は、
覚悟を決めた「やる気」のある人に任せるれば上手くいくとも言っている。
パターン③MUSTが大きい場合
●セルフマネジメント欠落タイプ
症状:やるべきことはちゃんと理解している。期待もわかっている。貢献したいという気持ちも人一倍強い。でも、どうすれば良いかわからない。方法がわかない。日々、時間に追われ●●しなけれならないという気持ちに押されている。また、主体性に欠け言われたことしかやらない「現状維持」や「損失回避」の傾向がある。完璧を求める人にも多い。
処方箋:ロールモデルのマネを実直にやる。慌てず、一つ一つの階段を上る。他人と比較しない。または、自分のゴールを他人に強要しない。また、言われたことだけを実行するのではなく、その意図を考えたり、自分の意見をきちんと準備しておく。「どうしますか?」ではなく、「自分は■■と思います」をセットで持っておく。
以上、3つのパターンの特徴になります。
もちろん、この内容がすべて当てはまっているとは思いません。
ただ、この3つの円のいずれかが極端に大きい場合に「ギャップ」が発生していると思います。
ちなみに、私は、パターン①×パターン②のミックスタイプでした・・・
本当にひどかった…
実力があると勘違いしていましたし、変なプライドが邪魔をして、素直にマネすることや相談することを拒んでいました。当然、全く上手くいきませんでした・・・猛省の毎日です。ただ、上司に救われました。
そんな経験を振り返りながら今回は書かせていただきました。
■まとめ
もちろんこの3つのパターンだけでリアリティショックを説明することは出来ないかもしれません。
ただ、15年間、後輩たちを見てきて感じたことを「ストレート」に表現させていただきました。少々きつい表現もあったかもしれませんがご了承ください。
じゃあ、どうすれば良いか??
ポイントは、
いかに「選ばれるか」をまずは、徹底して考える
ということに尽きます。
そして、すぐできることは、上手くいっている人の「マネ」をすることです。マネは行動もですが、思考(考え方)にも注目してください。
それに加えて、もう1つ大事なポイントが「マーケティング思考」です。
次回(いずれ)は、この「マーケティング思考」について書いてみます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
では。