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自分と他者

今回は「自分と他者(組織)の関係」をテーマに社会心理学の観点から情報を共有したいと思います。

私たちは、生まれて今日に至るまで「人について考える」ことを繰り返し繰り返し行ってきました。心理学の父アドラーは、人間の悩み、問題の90%以上は「人間関係」だと言うぐらい。

「自分と他者」という関係については切っても切り離せないテーマです。

社会が混沌としている今、「自分と他者(組織)」について、「人を考える」学問の代表格である社会心理学から考えてみたいと思います。

ちなみに、この社会心理学とは、

社会の中で行動する個人または集団の意識や行動を研究対象とする心理学。対人関係、グループ間の関係、制度・習慣・文化などとの関係を個人または集団の心理的反応と関連づけて研究する(大辞林第3版より引用)

その中でも今日は2人の有名な社会心理学者の言葉を引用しながらまとめていきたいと思います。

■人の行動を変えるには「常識」を変える

まず、最初はクルト・レヴィンです。

「社会心理学の父」と呼ばれるこの分野の大御所。

みなさんも、「フィードバック」という言葉を聞いたことあると思いますが、現在、職場で使われるようになったのはレヴィンが原点のようです。

レヴィンは、人の行動は「環境」に左右されると説いています。

つまり、皆さんが就職活動の時に、「誰と」働くや、「どこで」働くかを重視したことは、行動には何が影響を与えるのかという観点を社会心理学の観点から考えても、非常に理に適っているとも言えます。

ちなみに、私のミッションステートメント(大切にしている人生の憲法)には、「Synergyを発揮する」がありますが、まさに、1+1=2ではなく集団においては、1+1<3以上にも、以下にもなると説いたのもレヴィンの「グループダイナミックス理論」がベースです。

38639622-黒板に手によって書かれてシナジー単語

ちなみに、このグループダイナミックス(集団力学)は以下に添付した「集団の力」(※あくまでもひとつの例)の記載のように色々な影響を個人に及ぼすと言われています。将来マネジメントを目指す方は、今現在組織やteamに介在価値をもっと発揮したいと考えている方は必須の知識だと思います。

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その中で、先日Twitterで少し紹介しましたが「集団の習慣を変える方法」についてレヴィンは3つのポイントで纏めています。

実は、優秀なリーダーがいて、そのリーダーから色々指示をされるより「小集団=インフォーマルな集団」の中で当事者同士が話し合い、その集団のもち価値観、信条など・・・「常識」を変えることに本人たちが納得すれば、個人の行動変容も促すそうです。

つまり、リーダーはそういった「場」の演出が必要といとになります。

学校や、会社もそうですが、意外と「部署」などの公式なグループより身近なコミュニティの存在で、そのコミュニティが健全に、活性化した方が、効果は高いということも立証されています。


このグループダイナミックス(集団力学)を通して伝えたいことは、

ご縁を大切に、そして活かす

ということです。

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縁あって出会った人たちとSynergyを発揮すべく相手を信じ、頼りましょうということです。

私自身も過去、環境に助けられ、「有難いな~」と感じるたびに何度も意識した言葉があります(私の座右の銘)

縁ありて花ひらき、恩ありて実を結ぶ

「縁を活かす」ためには「自らの成長しかない」と肝に銘じてきた言葉ですね。縁を感じるだけでなく、その後の自分の行動が大事であると。

一番の恩返しは「自己成長」であると思います。

最高の親孝行は「自己成長して社会に役立つ」って感じですね。

■ありのまま自分が力になる

次に「カウンセリングの神様」と言われるカール・ロジャーズです。

「受容」「共感」「自己一致」

この概念を日本に浸透させた人物は、間違いなくロジャーズでしょう。

カウンセリング技法の要諦である3つのポイントは、非常に有名で、奥が深いです。私も国家資格であるキャリアコンサルタントの取得に向けたスクリーングの中で、この理論と実践を繰り返しロールプレイングをして磨きましたが、これが非常に深い。

どうしても、私たちは誰かと話すとき、「自分の答えありき」で向き合っていることが多いと思います。相手が話をしている一方で、心の中では、「次はこう言おう」「これを伝えたい」「この方が正しい」等など…

純粋に、「今ここ」に向き合い、ありのまま相手を受け入れることはそう簡単にできるものではありません。

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まさに、ここでいう「受容」「共感」「自己一致」とは、その領域のことで単に「うなづく」とか、表面的に「同意する」とは程遠い領域なのです。

ちなみに、ロジャースの述べた「unconditional positive regard」を、多くの人は、「無条件の肯定的配慮」と訳しますが、大須賀克己先生は、これを「無条件の積極的関心」と訳しました。

「無条件の積極的関心」

これは、相手への気遣いをするのではなく、相手への尽きせぬ関心があることで、自ずと積極的に関わろうとする姿勢が生まれるのだと思います。

「積極的関心」とは、相手への「純粋な尽きせぬ関心」があることです。

この領域は、7つの習慣でいう「公的成功」のフェースです。第4~第6の習慣です。そのためには、「私的成功」領域の第1~第3領域を習慣化していくことが大事です。

その一歩は、第1の習慣である「主体的」であることです。

相手を理解するとは、自分を理解すること。

自己理解の深さが、他者理解の深さに比例する

まずは、「こんな人間になりたい」「こんな人間を目指したい」と自分のありたい姿をイメージして、決めたことを「やりきる」。未来において「こうなる」と決意することです。

最後に、私の尊敬するマザーテレサの言葉で締めたいと思います。

『思考に気をつけなさい、
   それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、
   それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、
   それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、
   それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい、
   それはいつか運命になるから。』
          ―マザーテレサの言葉ー

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何か質問があれば遠慮なく連絡をください。

では、また。





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