戦略人事とは??
経産省のHPに【伊藤レポート人材版】がアップされました。
人事に関する書籍は近年たくさんありますが、複数の本を読むよりコンパクトに「あるべき姿」が提言されています。
自戒を込めて纏めてみました。
改めて人事の役割についての提言になりますが人事は
「持続的な企業価値の向上」
に対してどれだけコミットできるか、という内容だったと思います。
ここ最近大手企業を中心に株主通信などで役員のスキルを見える化しているケースがあります。
戦略人事とは【企業価値向上のための戦略】であると解釈しています。
だからこそ人事は組織文化を醸成することを目的にするのではなく「企業価値の向上」のための文化づくり≒イノベーティブな組織文化の醸成を「ど真剣」に経営陣として考え、構築してかなければなりません。
そのためには「非連続的なイノベーション」は必須なわけで、だからこそ「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」が求められているという流れになるわけです。
「ダイバーシティ」や最近騒がれている「ジョブ型」が目的化してはいけないということだと思います。よくあるパターンが手段の目的化です。
ここで大事なことはもちろんテックの存在だと思いますが、真の優位性は「対話≒問いかけ(愛)」による文化であり、その環境から育まれるキャリアの自律だと思っています。
同時にEX(Employee Experience)を「ど真剣」に【対話×テック】でカタチにしていくことが企業格差を生んでいくと感じます。
2016年にキャリアコンサルタントが国家資格化された価値は、自分なりにはここにあると感じます。今後、企業内キャリアコンサルティングは企業のスタンダードになるとイメージしています。
ここの優先順位を間違うとDXも含めて上手くいかないと思います。DXは手段であって目的ではないということであり、DXとは「マインドセット」ありきだと実体験から感じています。
特に労働集約型は有形資産から無形資産をベースにしたビジネスモデルへの転換が今後の大きなポイントになると確信しています。
つまり無形資産へ投資を行いマネタイズをシフトしていくことが求めらると考えます。
私なりにキーワードを5つに纏めました。
①適材適所から適所適材による人材の流動化
②組織はクローズ(囲い込み)からオープンなコミュニティ
③真新しい事は何もなくスピーディにやりきる
④人財はリソースではなくキャピタル
⑤積極的対話こそ人事における最上の策(IRならぬER)
※ER(Employee Relations)
私もこの辺りについて試行錯誤中なので人事部の存在意義をこれらの市場動向を鑑みながら更に発揮していきたいと思います。
特に上場企業の「人材戦略の見える化」はステークホルダーに対する説明責任が問われる傾向にあると思います。
今後は株主に対しても自社の「人材戦略」をどのように見える化して、どのようにモニタリングしているかが問われるということだと思います。
2020年はコロナをきっかけに以前から問われ続けた「人事の在り方」や「人事の存在意義」についてより一層問われたシーズンだっとように個人的には解釈しています。
つまり、戦略人事がいよいよ待ったなしで問われはじめたということです。
最後に・・・
2020年の振り返りと2021年の抱負もかねて、個人的に印象深かった人事関連書籍3冊をご紹介して終わりたいと思います。
①最近ブームとなっている、HRテック、DX、AIなどなど・・・
いつの時代も「流行る」ほど大した成果もない実態について楠木さんがとてもわかりやすく過去の歴史を教訓に、どう対処すれば良いかについて纏められています。
②人事の要諦は、事業戦略に基づいた「人」に関わる「事」における戦略の立案および事業推進であることから、人事とは人事にあらず。人事担当者は戦略やビジネスモデルにも精通していなければいけません。このことについて、非常にわかりやすく、名著論文ベースにまとめてくれた書籍が、HBRの「ビジネスモデルの教科書」です。
③2020年は誰もが予想していなかった事態に陥りました。個人も組織も、この想定していなかった状況に対して順応することが求められました。
変化が大きいほど、直面する問題が難しいほど、7つの習慣は有効な指針になると確信したシーズンでもありました。
2020年を振り返る中で私にとって最も価値のあるアンラーニングポイントは、
原理原則
に基づく判断です。
そういう意味では、この第8の習慣および7つの習慣は2020年において再認識されたエッセンスではないかと思います。自分自身のボイス(内面の声)を呼び覚まし、より高い次元の才能とモチベーションに到達することの大切さを同書は「効果性」から「偉大さ」というテーマで纏められています。
変化の激しい時代だからこそ、既存の価値観や過去の成功体験に固執することなく環境の変化に適応しながら、ブレない「軸」を磨き続ける必要があると思います。人事自身が自組織の中において最も卓越したリーダーであり続ける必要があるということです。
色々な仕事がある中で、「人事」という仕事は非常に幸せな仕事であると思います。なぜならば、「人」の「事」について考えるということは、結果、自分の事を考えることにほかならないからです。
共に人事で仕事をしている同志の方々と共に、この社会にとってかけがえのない、
組織づくりを通した、幸せづくり
を探求し続けたいと思います。