第83期順位戦C級2組6回戦
11月7,14日に順位戦C級2組6回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、4勝1敗でトップを並走する上野裕寿四段と、3勝2敗で追う石川優太五段の対局です。後手の石川五段が振り飛車を匂わせる出だしから雁木に組むと、上野四段は矢倉に囲い5筋の歩を交換します。石川五段が3筋と6筋から反発すると、上野四段は2筋の歩を交換して角をぶつけます。石川五段は△6四角とかわしてから△2三歩と角を捕獲し、上野四段が角を取られる代わりに▲7三歩成と桂を取って飛車に当てると、飛車を浮いてかわします。上野四段は▲6四歩と垂らしてから角取りに▲6五桂と打ち、駒損ながら"と金"を量産して攻め込み、後手陣の銀と角を剥がして寄せ切りました。
他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
梶浦宏孝七段 - 牧野光則六段
八代弥七段 - 長谷部浩平五段
岡部怜央四段 - 横山友紀四段
池永天志六段 - 田中悠一六段
佐々木大地七段 - 遠山雄亮六段
徳田拳士四段 - 平藤眞吾七段
本田奎六段 - 森本才跳四段
私が注目する梶浦七段、八代七段、岡部四段、池永六段、上野四段を含む10人が5勝1敗でトップを並走する大混戦が続いています。佐々木(大)七段と徳田四段は4勝2敗、本田六段は3勝3敗と厳しい状況ですが、来期も見据えて次局以降の巻き返しを期待します。次の7回戦では、梶浦七段vs八代七段の好カードが組まれており、昇級を争う同士の重要な一局になりそうです。