見出し画像

第82期順位戦B級1組1回戦

6月15日に順位戦B級1組1回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、今期こそA級への復帰を果たして欲しい羽生善治九段と、3期連続昇級でB級1組まで駆け上がってきた大橋貴洸七段の対局です。先手の大橋七段が角換わりに誘導し、相早繰り銀の将棋となります。羽生九段が7筋から仕掛けると、大橋七段は2筋を継ぎ歩で攻めます。羽生九段が飛先の歩を交換して四段目に引くと、大橋七段は1筋を端攻めし、香を吊り上げて▲1二角と打ち込みます。大橋七段は更に銀を前進して圧力を掛けますが、羽生九段は飛車取りに△2七角と打ち、金を食いちぎってから△1一香と飛車角を田楽刺しにします。大橋七段は構わず▲3三香から攻め込みますが、羽生九段は3手続けて玉を早逃げし、6筋まで逃げ込みます。最後は香で角を取った羽生九段が飛車を2筋に転回して竜を作り、銀のタダ捨てで鮮やかに寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 糸谷哲郎八段 - 近藤誠也七段
 澤田真吾七段 - 屋敷伸之九段
 三浦弘行九段 - 木村一基九段
 増田康宏七段 - 山崎隆之八段
 千田翔太七段 - 横山泰明七段

大注目の羽生九段が幸先良く白星発進し、私が注目している中では、千田七段と増田六段も好スタートを切りました。B級1組は長丁場ですので、近藤七段と大橋七段にも巻き返しを期待したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?