何十年ぶりかの痛い思い
久しぶりに、豪快に道で転けた。
子どもの頃、よく転けて
ひざやひじを擦りむいた。
アカチンやヨウチン(これはめちゃくちゃしみる)
ぬってばんそうこうを貼った。
何十年ぶり?
かばんの中をゴソゴソと、探し物をして歩いていた。車道と歩道の境界ブロックに、つまずいて転んだ。
「あー」
スローモーションで倒れていきながら、
(これはカッコ悪いなぁ)
(誰か見てるかなぁ)
そう考えながら、落ちていく。
ほんの数秒の間に、いろいろと考えた。
(アスファルトとか、痛いやろなぁ)
(手をつかないと顔からいくなぁ)
手のひらがアスファルトに触れた。
(痛い)
(このままズルっといくなぁ)
(服、破れへんだらええねんけど)
予想通り、手のひらから血がにじんできた。
小学生の頃なら、
「イタイ、イタイ、イタイ」
と言って、半泣きで帰ればいいのだが、大人はそうはいかない。
この後、近鉄電車に乗って、大阪に行かなければならない。
幸いにも、服は破れていない。とりあえず、コンビニでばんそうこうでも買って、血を止めることにした。
トイレで傷口を水で流した。
「くーっ、しみるー」
大きなばんそうこうをレジに持っていく。
レジの女性が
「あーあ大丈夫ですか?仕事じゃなかったら貼ってあげるのに」
(ほんとですか?貼ってください)
そう思いながら、私は苦笑いを浮かべ店を出た。
転んだおかげで、いろんなことを考えた。
さあ、待っていてくれる人に、会いにいかなければ。
それにしても
痛い
これにも何か意味があるのか?
読んでくれた
あなたに
感謝します。