冬至はゆず湯であたたまる
「あっ、ゆずを買わないと」
「今夜は鍋か?」
「違うよ。お風呂に入れる」
「んー?」
「冬至だから、ゆず風呂」
「あー」
スーパーでゆずとかぼちゃを買った。
「いつから、ゆず風呂に入るようになたんや?」
という事で調べてみると、
江戸時代の天保9年(1838年)「東都歳時記」という本に「起源は明らかではないが冬至の日に柚子を入れて風呂に入る」という記述がある。
冬至は一年で、昼が一番短い日。太陽の光は生命の源。その光が弱いと病にかかると、匂いの強いゆずをお風呂に入れて、邪気を払ったと言われている。
ゆずを融通、冬至を湯治にかけたりして、言葉遊びしていたのでは、という説もある。
「ふーん。まあ楽しんでいたんやなぁ」
日本には、いろいろな風習がある。日本人は短調な毎日を、楽しく過ごす術を知っていた。
現代人は便利になった生活を、持て余していないか?
「効率よく、時間短縮、無駄を省く」
忙しなく生きている。
「これは美味しいなぁ」
夕食にはかぼちゃと鳥の炊き込みご飯がでてきた。
息子とお風呂からあがって脱衣所で身体を拭いていると
「あっ、ゆず忘れている!」
「冷蔵庫や」
「ボクがとってくる」
そう言って、裸で台所に走った。
ダッダッダッ!
「うー、とってきたよ」
「ありがとうな」
湯船にゆずを入れて、もう一度、二人で温まった。
児童小説「クロウ・キッズ❗️」朗読26音声note封印されたエネルギー
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