【Salesforce】Pardotの主要な用語に関する説明
今回はPardotの概略と主要な用語について簡単に紹介していきたいと思います。
1. Pardotについて
Pardotは、Salesforce上に構築されているB2Bマーケティングオートメーションソリューションです。主な機能は以下の通りです。
・マーケティング活動やその成果に関するレポートを一元管理する
・Webサイト、メール、フォームといったマーケティングチャネルでプロスペクト(見込み客)を追跡する。
Pardotの役割は、「自社製品(サービス)に興味・関心を持った人たち(リード)を一人一人モニタリング・育成し、その中でも顧客としてふさわしいと思われる人を営業へと引き渡す」ことです。そのプロセスを下図に示します。
2. ビジターとプロスペクト
Pardotの中で主人公的な存在といえるのが「ビジター」と「プロスペクト」です。
簡素ではありますが、それぞれの関係を下図に示します。
Pardotに登録されている(トラッキングコードを含む)Webページに訪れた人はビジター(訪問者)と呼ばれます。
個人情報を持たない匿名の存在ですが、Pardotにおける追跡の対象となります。(主に「今日はWebサイトに何人のビジターが訪れたか?」といった統計情報などに使用されます。)
そして、そのビジターがPardotのランディングページ(※)またはフォームに連絡先情報(メールアドレス等)を入力して登録するとプロスペクト(見込み客)となります。
(ビジターからプロスペクトに変換されることをコンバージョンと呼びます。)
プロスペクトは、Salesforce上では「リード」および「取引先責任者」に該当します。基本的にプロスペクトは商談の有無で区別されていないので、両者が混在しているという形となっています。
(リードおよび取引先責任者についての説明は、過去の記事(https://note.com/shogai2359_cp21/n/nd27dbf19a846)をご参照ください。)
(※)ランディングページ : ビジターがリンクや広告をクリックした際に誘導される特定のWebページ
さらに、プロスペクトとなった後にフォームを登録する、様々なページを訪問する、リンクをクリックするなどのアクションを行なったプロスペクトを特にアクティブプロスペクトと呼んでいます。
プロスペクト一覧画面において、プロスペクトは名前の右隣のアイコンが赤色ですが、アクティブプロスペクトは緑色であり、最新アクティビティの日時も表示されています。
3. スコアとグレード
Pardotにおいてプロスペクトを評価するにあたり、必要な要素がスコアおよびグレードです。
スコアは「プロスペクトの行動」で評価し、グレードは「プロスペクトの属性」で評価します。
これら2つの要素を組み合わせることによって、そのプロスペクトが自社製品・サービスを売り込むのにふさわしい客かどうかを判断することができます。
以下、それぞれについて簡単に説明します。
3-1. スコア
「プロスペクトが自社の製品またはサービスにどれ程関心を持っているか」を示す数値です。
プロスペクトが対象のマーケティング資料に対して行なった行動に基づいて増減します。
(明らかに製品購入目的でないと判断できる行動をしたプロスペクトを不適格とみなすこともできます。)
(例)
「プロスペクトが製品紹介ページを開いた」→ +10ポイント
「プロスペクトがお問い合わせフォームから送信した」→ +30ポイント
「プロスペクトが1ヶ月以上行動を起こしていない」→ -20ポイント
「プロスペクトが配信停止ページを開いた」→ -10ポイント
「プロスペクトがキャリアポータルから送信した」→ 求人応募目的のため不適格
3-2. グレード
「そのプロスペクトが自社製品、サービスの顧客としてどれ程マッチしているか」を示します。
F〜A+の13段階評価で、初期値はDとなっています。
会社の規模や業界、プロスペクトの部署や役職など、定められた条件に一致する場合はランクが上がり、一致しない場合は下がるシステムです。
また、「特に従業員数が100〜500人規模の会社に対してアプローチをかけたい」、「(プロスペクトの)業界についてはあまり考慮しない」など、条件ごとにランクアップ・ダウンの度合いを調整することもできます。
4. Pardotキャンペーン
キャンペーンとは、「マーケティング活動を施策別に管理する機能」であり、リードを育成するにあたって重要な機能の一つとなっています。
(キャンペーンに関する説明は、過去の記事(https://note.com/shogai2359_cp21/n/nd27dbf19a846)をご覧ください。)
SalesforceおよびPardotにそれぞれキャンペーンが存在しますが、意味が異なっています。その違いを下図に示します。
Pardotキャンペーンは、「見込み客が最初に接したマーケティング施策」を指します。そのため、基本的に一人の見込み客が属するキャンペーンは一つだけです。(「ソースキャンペーン」)
一方、Salesforceキャンペーンにはそうした制限は特になく、一人の見込み客が複数のキャンペーンに属するケースも存在します。(「マルチタッチキャンペーン」)
5. 最後に
今回はPardotの概略および主要な用語について紹介しました。
今回詳しく紹介できなかった用語に関しても、今後順次紹介していければと思います。
参考文献
・Trailheadのトレイル「Pardot Lightning アプリケーションを使用した対ビジネスマーケティングの自動化」
・株式会社カルテットコミュニケーションズ ブログ記事「初心者システム管理者向けSalescloudとpardotってどう違う?【Salesforce】」
(https://quartet-communications.com/info/other-ads/67846)
・ZENoffice株式会社 ブログ記事「Salesforceキャンペーンとpardotキャンペーンの違いとは?適切なキャンペーン管理がROI管理において重要」