靴屋が伝える、靴は永く履けるものを選んでほしい理由
最近、サブスクが流行りのようで、バッグや服、果てには自動車やタイヤまであるのだとか。
上手に賢く借りることは、これまでのものであふれかえるような時代からすればある意味合理的なのかもしれません。
自分で所有するのは本当に好きなものと本当に必要なものなど最低限にして、あとはサブスクで貸してくれるところを自分のクローゼットのように思えばそれでよいということ。
だいたい、モノをたくさん所有しているとそれらを保管する場所が必要になり、それらに何か問題が発生したら(服なら洗濯の問題であり機械なら故障の問題など)煩わしくて仕方がないわけです。
サブスクの場合は、そんな煩わしいことが激減するので、煩わしいことが嫌いな人には適していますね。
とは言え、全部が全部サブスクにするのはまた別の問題が出てくるわけで、所有した方が良いというものも当然にあります。
その中のひとつが靴なのです。
その理由はいくつかあって、例えばこれまでに履いていた靴が履き込んでいくとだんだん足になじんで履きやすくなったという経験をしている方も多いはず。
ほとんどの靴は、特に革で作られている靴は履き込んでいくと足に馴染んでくるので履きやすくなり、そこからが靴が本領を発揮する時なのです。
でも、せっかく馴染んで履きやすくなってきたころになると、なぜか靴が壊れて捨てなくてはいけなくなったということが起こります。
多くの靴は、表側の素材に革を使っているので表の革は丈夫なのに、ほかの部分はコストダウンで耐久性のない素材を使っていることが多いため、そのようなことが起こるのです。
作り手からすると、矛盾しています。
ここまで読んでいただくと何となく先が見えてくると思うのですが、靴は馴染んでからが本領発揮となれば、一定期間で交換してしまうようなサブスクには適していません。
さらに、馴染んでからが履きやすいわけですから、永く履けるように修理ができるようなものを選んで購入するのが賢い選び方なのです。
最低限必要な靴の数は、靴屋が考えるところでは5足以上、できれば6~7足あると靴にかかる負担が減って永く履くことができます。
せっかく永く履ける靴を買っても、過酷な環境で履いてしまうと、思っているよりも早く弱ってしまいます。
その環境が一度できてしまうと、靴ってなかなか弱らないし、カカトも思いのほか減らないし、ランニングコストが激減します。
安い靴を履きつぶすような使い方よりもおそらくランニングコストがかからないですし、何よりも足のストレスが少ない快適な環境であることが大きな違いです。
お勧めするのは丈夫な革靴ですが、すべてが革靴じゃなくても、永く履けるものを心がけて選んでいただけば、メリットは大きいはずです。
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