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書籍分類/IT技術書

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ITエンジニアリングの技術書の紹介記事です。
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#アーキテクチャ

蔵書紹介:ITレジリエンスの教科書/大和総研

本の概要『ITレジリエンスの教科書 止まらないシステムから止まっても素早く復旧するシステムへ』 ITサービスのシステム障害について完全な予防を目指すのではなく、発生率の抑制や迅速な復旧を目指すという考え方や方法論が書かれている。近年のITシステムはシステム間連携による外部影響や利用者・アクセスの多様性の広さにより、完全な予防は難しく、コストも見合わない。このため、現実的には一定確率の障害は許容して、むしろ障害時に備えた準備をおこなうことが望まれる。本書ではシステム構築時や運用

蔵書紹介:ドメイン駆動設計入門/成瀬允宣

本の概要『ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる! ドメイン駆動設計の基本』 ドメイン駆動設計(DDD)の入門書。ドメイン駆動設計といえば『エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計』が有名で、用語の難しさが知られているが、本書はエヴァンスよりも初心者向けにやさしく書かれている。海外著者の日本語訳ではなく最初から日本人が書いているため、日本人にとって読みやすくなっているだろう。 本書はエンジニアの理解のために、モデリングされた概念を実装へ落とし込むパターンに重点を置いて、

蔵書紹介:絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク/木村達也, 西田光志, 鳥嶋一孝, 田中彰人, 小田圭二

本の概要『絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク 新装版』木村 達也 (著), 西田 光志 (著), 鳥嶋 一孝 (著), 田中 彰人 (著), 小田 圭二 (著, 監修) OS/ストレージ/ネットワークのアーキテクチャと原理/原則について、これらを使う側であるデータベースから見た特定の製品に依存しない解説が書かれている。豊富な図解で初心者・若手エンジニア向けに書かれているが、内容は本格的なので(つまりそれなりに難しいことが書かれているので)本書を理解すれば大きく成長

蔵書紹介:絵で見てわかるITインフラの仕組み/山崎泰史, 三縄慶子, 畔勝洋平, 佐藤貴彦

本の概要『絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版』山崎 泰史 (著), 三縄 慶子 (著), 畔勝 洋平 (著), 佐藤 貴彦 (著), 小田 圭二 (監修) ITインフラの全体像や基本的な知識について、図解を豊富に用いて、初心者・若手エンジニア向けに書かれている。章立てとしては、インフラアーキテクチャの種類、物理サーバー、3階層型システム、個別の理論(同期/非同期、排他制御、データ構造、アルゴリズム、キャッシュ、レプリケーションなど)、ネットワーク、冗長化、性能など実

蔵書紹介:BIシステム構築実践入門/平井明夫

本の概要『BIシステム構築実践入門 (DB Magazine Selection)』 BI(ビジネスインテリジェンス)のアーキテクチャの基礎知識や上流工程からの導入方法について書かれている。前半は基礎編として汎用的な知識や方法論の説明があり、後半は実践編で会計・販売・在庫・財務のアプリケーションの具体的な構築方法や考え方が説明されている。BIシステムはITシステムの中でも業務に比較的近い位置にあり、ユーザやデータをよく理解する必要があるため、各業務の一般的なデータ構造や分析要

蔵書紹介:Design It!/Michael Keeling

本の概要『Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門』Michael Keeling (著), 島田 浩二 (翻訳) ソフトウェアアーキテクチャを学ぶ本。入門と掲げているのは幅広いトピックが網羅されているという意味だと思うが、パッと見た感じでは入門書にしては難しいことが書かれている。オライリー特有の骨太な内容、海外原著の翻訳版にありがちな日本人の解釈の難しさ、アーキテクチャというテーマ自体のつかみどころのなさがあるため、読む時は入門の文字に油断せず相応

蔵書紹介:要件最適アーキテクチャ戦略/Vaughn Vernon

本の概要『要件最適アーキテクチャ戦略』Vaughn Vernon (原著), Tomasz Jaskua (原著), 株式会社クイープ (翻訳, 監修) システムのアーキテクチャレイヤーに関することと、ドメイン駆動設計に関することが書かれている(と思っている)。私はまだ読んでいなくて、さらにクチコミを見ることも少ないので、本書についてほとんど知らない。クチコミについて、Twitterでの言及をあまり見たことがなく、Amazonのレビューは0件(評価はついてはいる)、ブクログの

蔵書紹介:入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン/Mike Julian

本の概要『入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン』Mike Julian (著), 松浦 隼人 (翻訳) システムの監視について体系的に書かれている。オライリー本なので信頼があり、世間的に評価が高く、監視について学ぶ本として上位に入るだろう(一番手かどうかは正直よくわからない)。 一般的にITシステムは開発よりも運用のほうが長く、監視の生産性や改善がコストに大きな影響を及ぼす。しかしこのコスト配分や推移はあまり意識されておらず、そして運用は開発より軽視され