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書籍分類/IT技術書

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ITエンジニアリングの技術書の紹介記事です。
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2023年7月の記事一覧

蔵書紹介:レガシーコードからの脱却/David Scott Bernstein

本の概要『レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス』David Scott Bernstein (著), 吉羽 龍太郎 (翻訳), 永瀬 美穂 (翻訳), 原田 騎郎 (翻訳), 有野 雅士 (翻訳) レガシーコードを作り出さないためのプラクティス、特に開発手法について書かれている。レガシーコードは問題の原因になり、事業の収益性や信用、スピードを下げてしまう。たとえば保守性が低い(メンテナンスのコストが高い)、性能が低かったり時間

蔵書紹介:Design It!/Michael Keeling

本の概要『Design It! ―プログラマーのためのアーキテクティング入門』Michael Keeling (著), 島田 浩二 (翻訳) ソフトウェアアーキテクチャを学ぶ本。入門と掲げているのは幅広いトピックが網羅されているという意味だと思うが、パッと見た感じでは入門書にしては難しいことが書かれている。オライリー特有の骨太な内容、海外原著の翻訳版にありがちな日本人の解釈の難しさ、アーキテクチャというテーマ自体のつかみどころのなさがあるため、読む時は入門の文字に油断せず相応

蔵書紹介:SQLアンチパターン/Bill Karwin

本の概要『SQLアンチパターン』Bill Karwin (著), 和田 卓人 (監修), 和田 省二 (監修), 児島 修 (翻訳) リレーショナルデータベースやアプリケーションの設計、実装、SQL記述について、ありがちな良くない例とその理由、改善方法が書かれている。エンジニア向けの書籍として非常によく知られており、内容の汎用性は高く長期的に役に立つと思われる。ただし説明が具体的すぎて完全な初学者には少し難しいので、まずはDBやSQLの基礎知識を学んで、開発を経験した後に本書

蔵書紹介:計算機と脳/J.フォン ノイマン

本の概要『計算機と脳』J.フォン ノイマン (著), John von Neumann (原名), 柴田 裕之 (翻訳) ノイマン型コンピュータで有名なジョン・フォン・ノイマンの著書であり、ヒトの脳と電子計算機(コンピュータ)の仕組みの比較考察がされている。 購入経緯と読書状況Twitterでクチコミを見て興味を持って購入した。SNSはこのような一般ウケのしないようなものでも認知・購入につながりやすいのでおもしろい。従来型のマスメディアと比べて、個人のインタレスト(興味関心

蔵書紹介:通信の数学的理論/クロード・E. シャノン、ワレン ウィーバー 他2冊

本の概要『通信の数学的理論』クロード・E. シャノン (著), ワレン ウィーバー (著), 植松 友彦 (翻訳)  - 2009/8/10 『情報理論』甘利 俊一 - 2011/4/8 『シャノンの情報理論入門』高岡 詠子 - 2012/12/21 今回は類似書籍3冊をまとめて紹介する。 情報理論とは、(私の理解では)データを0と1で表してアレコレすることで情報通信の効率化を実現する学問である。クロード・シャノンはコンピュータの父として知られる3人のうちの1人であり、

蔵書紹介:入門 Python 3/Bill Lubanovic

本の概要『入門 Python 3』Bill Lubanovic (著), 斎藤 康毅 (監修), 長尾 高弘 (翻訳) プログラミング言語のPythonについての骨太な入門書。エンジニアの中では定番の書籍のうちの一冊に挙げられることが多い。知名度が高すぎて逆に言及されづらいせいか、本書のクチコミはあまり見かけない。オライリー本のため信頼は高い。データサイエンスへの注目に伴ってPythonの人気も高まっているため、プログラミングの教科書としてよく読まれていると思われる。 サイ

蔵書紹介:AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる教科書/川畑光平、菊地貴彰、真中俊輝

本の概要『AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる教科書』川畑光平 (著), 菊地貴彰 (著), 真中俊輝 (著) AWS (アマゾン ウェブ サービス) の基本を網羅的に学ぶ本。AWSの入門書や解説書は本書以外にも多数あるが、その中でもボリュームが最上級に大きいため、腰を据えてしっかりと学ぶのに適している。また、クチコミの数や評判は良好で、読み手のやる気があるならば推奨の一冊と言える。 サイズはA5で平凡だが、500ページ以上もあるのでかなり厚い。著者が日本人であり、最

蔵書紹介:要件最適アーキテクチャ戦略/Vaughn Vernon

本の概要『要件最適アーキテクチャ戦略』Vaughn Vernon (原著), Tomasz Jaskua (原著), 株式会社クイープ (翻訳, 監修) システムのアーキテクチャレイヤーに関することと、ドメイン駆動設計に関することが書かれている(と思っている)。私はまだ読んでいなくて、さらにクチコミを見ることも少ないので、本書についてほとんど知らない。クチコミについて、Twitterでの言及をあまり見たことがなく、Amazonのレビューは0件(評価はついてはいる)、ブクログの

蔵書紹介:入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン/Mike Julian

本の概要『入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン』Mike Julian (著), 松浦 隼人 (翻訳) システムの監視について体系的に書かれている。オライリー本なので信頼があり、世間的に評価が高く、監視について学ぶ本として上位に入るだろう(一番手かどうかは正直よくわからない)。 一般的にITシステムは開発よりも運用のほうが長く、監視の生産性や改善がコストに大きな影響を及ぼす。しかしこのコスト配分や推移はあまり意識されておらず、そして運用は開発より軽視され

蔵書紹介:体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方/徳丸浩

本の概要『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版』 Webアプリケーション開発のセキュリティの教科書として有名であり、通称、徳丸本と呼ばれている。クチコミでの評判が良く、上司から勧められたこともある。本書を学ぶことでITサービスのセキュリティや脆弱性について実務的な知識を体系的に習得できると思われる。内容豊富な反面、サイズが大きくてしかも分厚いので収納スペースを大きく取る。 購入経緯と読書状況会社がシステムのセキュリティの向上に取り組み始めた時期があり、