【選手紹介】第95回選抜高校野球大会 見たい選手まとめ【前編】
今年もいよいよセンバツの季節がやってきました。高校野球ファンとしてもドラフトマニアとしても非常に楽しみな時期です。
そんな私が個人的に気になる選手を備忘録的にまとめるのが本稿の趣旨です。注目選手、と言ってしまうと角が立つので、あくまで私の主観で選んだ選手たちであることにご留意ください。また、高校野球的に優れた選手というよりも、先々ドラフトを賑わせてくれそうな選手を中心に取り上げています。そのうえで、選手の体格や成績の数字をよく見ていて、特に投手では奪三振率やK/BB、野手は本塁打をはじめとした長打力を重視しています。
なお、本稿で示す選手の身長・体重や成績などは週刊ベースボール様の『第95回記念選抜高校野球大会完全ガイド』を出典としています。
大会1日目
東北
今大会注目の投手であるハッブス大起がいきなり開幕試合に登場します。成績的にはもう一息といったところですが、最速は145キロ、変化球も複数使えるそうで、一冬を越えての成長を見てみたいです。2番手左腕の秋本羚冴の成績がかなり良かったので、継投策が鍵を握ることになりそう。チーム打率.273と苦しいですが、2本塁打6打点をあげた4番の佐藤玲磨にどのように繋げるか。184cm/82kgと体格もよく注目しています。
山梨学院
10試合で10本塁打75打点の強力打線が武器。中でも4番の高橋海翔は打率5割で4本塁打16打点。3番を打つ岳原陵河も1本塁打11打点。187cm/85kgの体格が目を引きます。さらに185cm/90kgの徳弘太陽もいます。なんでこんなでかい子いっぱいおるの。星野泰輝はチームトップタイの12四死球をとり、打率.387に7盗塁と1番打者の仕事を果たしながら本塁打も2本放っています。全然知らなかった選手なので気にして見ておきたいです。進藤天は打率.441でこちらも2本塁打。172cmと小柄で守備力の素晴らしい選手ですがパンチ力もあるよう。8盗塁と脚もあります。直接プロという高校ではないですが、今年の市場ならあるいは… 全国では勝てない山梨学院、と言われないような活躍を期待しています。
北陸
投打ともに友廣陸が中心。公式戦62.1回で57奪三振13四死球と制球力が非常に高い。最速は142キロとのことですが、185cm/78kgとまだ細いと言っていい体格でこれですから、これからの伸びにも期待できます。打つほうでは4番を任され打率4割。他がやや寂しい印象ですが、2番手投手の竹田海士、1番を打ち打率.444を記録した水野伸星の2人の新2年生が友廣を支えます。
高知
門野結大は旧チームからの主力。181cm/76kgと体格のあるショート見てみたい。怪我で秋は満足に試合に出られなかったとのことで、このセンバツで評価を高めたいでしょう。投手成績は全体的に良くないですが、その中で気になるのは新2年生の平悠真。最速は143キロで、練習試合を含めれば49.2回40奪三振13四死球。183cmと上背もあるので、これからに期待しながら今大会で見ておきたいです。
大垣日大
エースの山田渓太は注目の投手で、最速143キロ、昨秋は62回52奪三振19四死球の成績を残しました。旧チームでは外野手兼任で打力もあり、新チームでも5番を任されて本塁打を放っています。投手にも関わらず9試合で5盗塁の脚もあります。好きなプロ野球選手が森脇亮介というのも渋い。4番の米津煌太は打率.419で2本塁打。9試合5失策のショート守備がどうか。
沖縄尚学
投手は東恩納蒼が中心。現地でも見ましたが、圧倒的なスピードや変化球があるわけではありませんが総合力で抑える“勝てる”投手タイプ。打撃も非常に良いので二刀流の活躍に期待がかかります。リリーフの照屋希空は三振をとれる投手。打線は総じてよく打ちます。神宮大会では仙台育英投手陣からもヒットを重ねていました。特に良かったのは知花慎之助。湯田統真のいずれも初球を捉えて二塁打を2本放ちました。打率.676で2本塁打の核弾頭タイプです。4番の仲田侑仁は現地ではいまいちでしたが、打率.472で19打点をあげています。その他のレギュラー野手陣も軒並み打率3割を超えており、好投手を擁する大垣日大との初戦は注目です。
大会2日目
東邦
宮國凌空は最速149キロとのことですが、成績を見るにもうちょいぴしゃっと抑えてほしいところ。K/BBはまずまずなので、ここぞの場面を凌いでほしい。10番の山北一颯はでかい。ライト兼任の岡本昇磨も140キロを超えるそう。例年、好投手を複数育成してくるチームなので、投手起用にも注目です。打つ方は4番の石川瑛貴に注目が集まるでしょうが、成績的に最注目は中村騎士かなと思っています。大きくはありませんが、3本塁打に打率4割、二塁を守りながら公式戦失策0と攻守に躍動。打線に勢いを与える活躍を。
鳥取城北
エースの新庄空はフォーク使いでイニングとほぼ同数の三振を奪いました。東邦の強力打線にどこまで通用するでしょうか。4番の新2年生・石黒尚はチーム最高打率で2本塁打を放っています。
大分商業
豊田顕、渡邊公人の1,2番はともに打率5割。大分商業の渡邊ってアレですかね。4番の羽田野颯未は打率こそ低かったものの、6安打中3本が長打。182cm/102kgの体格を誇り、当たれば飛ぶのでしょう。是非見てみたい選手です。投手では飯田凜琥の三振数が抜けて多くて驚きました。エースではなさそうですが出番はあるでしょうか。
作新学院
背番号は1番ではないですが、最注目の投手は新2年生の小川哲平でしょう。中学時代に144キロを出した剛腕は現在最速147キロ。来年のドラフト上位候補に挙がる。ショートの磯圭太も登板するよう。作新の磯って、君もしかして…。打つほうではまず齋藤綾介。いい体格をしていて打率は.467。投手をするわけではないですが、当時の入江大生みたいな雰囲気を感じます。4番三塁の武藤匠海は秋こそ打撃不振でしたが本調子なら。守備力が高くショートもできそうなんて評価も聞きます。1番センターの高森風我も打率.583を記録。
英明
4番センターの寿賀弘都が打率.474を記録し、マウンドに上がれば最速140キロ超の左腕として活躍します。投打ともにそこまで抜けた選手がいない(失礼)だけに、寿賀の活躍にチームの命運がかかっています。強打の智弁和歌山相手にどこまで。
智辯和歌山
昨夏に投手転向したばかりで既に最速146キロの清水風太と大型左腕・吉川泰地の二枚看板。清水は25.2回で25奪三振5四死球とキャリアの短さを感じさせない素晴らしい成績を残しています。野球センスの塊ですね。他にもサイド、アンダー、196cmの長身と多彩な投手陣がいます。関西の大学野球を見るならこのあたりも押さえておきたいですね。続いて野手。青山達史は注目のスラッガーですが、打撃成績もさることながら守備位置が気になるところ。昨夏は三塁に転向しましたが外野に戻るのでしょうか。複数ポジション制のチームなので分かりませんけど。4番の中塚遥翔は6試合4本塁打のパワーがあります。古井浩汰も183cm/100kgとめちゃでかいしこのチームなんなん?小畑虎之介と湯浅孝介は守備がいいと聞いています。
大会3日目
海星
投手では高野颯波に注目。168㎝と上背はありませんが、奪三振能力があります。将来の夢が社会人野球なのもいい。1番を打つ田中朔太郎が打率.417に加えて長打が多く出ていて注目。新2年生のサードということで、秋からの新チームでショートに回れば面白いかも…と思っていたらショートの永田晃庄も新2年生でした。下級生のセンターラインは見ておいて損はありません。
社
エース兼5番打者の高橋大和は体格があって非常に楽しみですが、投打とも成績はまだ粗いかんじ。関西圏の大学で磨かれてほしいなと思います。チーム打率.267は少し厳しいものがありますが、一冬越えてどう成長しているでしょうか。
二松学舎大付属
エースは大矢青葉だと思っていましたが、大矢を封印して重川創思でいくそうです。大矢はいい球を投げるのですが、さすがに散らかしすぎな成績。かく言う重川ももう少しぴしゃっと抑えてほしい。2人とも縦も横もあるので先が楽しみです。と言うか野手まで含めて体重しっかりある子多いですねこのチーム。強豪校でも小柄で細っこい選手がまあまあいる(貶したいんではない)のに。サードの日笠礼凰、レフトの五十嵐将斗もめっちゃでかい。4番の片井海斗は打率4割3本塁打14打点と打ちまくりました。来年の有力候補です。大矢も2本塁打を放ちました。どちらかと言えば殴り勝ちたいチームでしょうから、初戦が広陵というのは非常に楽しみですね。
広陵
1年夏に1番をつけた高尾響が投手の中心。三振をとれる上に四球も少なく、現時点でこの完成度の投球をしていたら来年はどうなるのかとても楽しみです。秋に1番だった倉重聡はテンポが良く総合力が高い左腕で、大学で輝きそうなタイプ。主にリリーフだった横川倖も力があります。秋は出番が少なかった岡山勇斗も速い直球を持っています。ドラフト1位候補とも目される真鍋慧が打線の中心。4本塁打の他に3本の三塁打も放っており、意外と(?)脚も速いようです。19四球と勝負を避けられることも多かった。41打席でわずか1三振とミート力の高さもあります。守備は頑張ろうね。4番の小林隼翔は現地ではさっぱりでしたが、練習試合を含めれば13本塁打を放ち、チーム2位の盗塁数と脚もあります。2年生捕手・只石貫太は真鍋に並ぶ4本塁打。核弾頭タイプの田上夏衣も楽しみ。大商大に進学して4年間楽しませてくれるのは誰でしょうか。
敦賀気比
高見澤郁魅は4番を打ちますが大砲というより二塁打系の中距離砲というイメージ。いい体格をしているので昨年から気になっていました。1年からレギュラーで出ている濱野孝教は二塁手だったはずですが気付けば外野手に。秋は不調だったようですが、元々はスピードのある打者として注目されていました。投手陣ではこれまた1年生から出場していた桶谷司の復活に期待。
大阪桐蔭
ベンチ入りどころかベンチ外まで全員注目しとけで有名な大阪桐蔭。前田悠伍は言わずもがな。秋の公式戦は本調子ではないような気がしていましたが、それでも素晴らしい成績でした。大阪の完成度高い高校生左腕って寺島成輝みたいだなと感じていますが、ああならないようにね。南恒誠は186cm/87kgとプロ並みの体格があり最速145キロ。大学進学な気もしますが、直プロを狙えるぐらい完成度が高まれば(逆説的ですが)、桐蔭の優勝がはっきり見えてくるでしょう。同じく最速145キロの2年生・南陽人、二刀流の境亮陽らのほか、3年生の控え投手も力があり、層の厚さは全国トップクラスです。続いて野手。15試合で17打点をあげた4番捕手の南川幸輝。182cmの上背があるショートの小川大地。新2年生ながら3番を任される徳丸快晴は高いミート力が武器。兄は元智弁和歌山の大砲ですから楽しみが大きいですね。背番号はまだ2桁ながらラマル・ギービン・ラタナヤケも。その他の選手も気にして見ておきたいですが、このチーム内では相対的に劣ってしまうのが何とも残念。例年に比べれば迫力不足な感はありますが、十分に強力な打線です。
前編はこれぐらいにしておきます。主にドラフト候補のチェックのために注目選手をまとめ始めたのですが、大学野球を熱心に見るようになり、それにあわせて注目する高校生の幅も大きく広がっています。こうして文字にするのは疲れますが、私自身が楽しむためでもあり、またこれを読んでいただいた方がより高校野球を楽しめるような何かの助けになっていれば幸いです。
それではまた次回の投稿でお会いしましょう!