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合気道 お稽古録 026


前回のお稽古録から、ずいぶん間が空いてしまった。

前回の記事から今回まで、おかげさまで欠かさずお稽古できて、年末の納会、年始の鏡開きにも、入門して初めて参加させていただいた。

そして、念願の袴も履けるようになった。
この道場では、女性門人は昇段級審査を一度でも受ければ、袴が履けることになっていて、「袴」は、いわば、わたしにとっての「にんじん」だった。

年明けのお稽古で、多田先生は大先生(開祖の植芝盛平先生)のご指導の様子を振り返って、
「大先生は、毎回僕ら全員を投げてたなぁ。あれはすごいもんだったよ。」
と、にこやかにお話して下さった。

その数分後。

多田先生は、その日参加している門人、約30名全員に、技をかけてくださった。

御年九十五歳。

門人の中には、多田先生よりも体格の大きな男性も、2-3割いる。

その全員を、一気に投げ続けてくださる。

先輩方は、「こんな稽古は、今までなかった」と口々に仰っていた。

その日以来、多田先生は毎回、その日参加している門人全員に、技をかけるようにされている。

どんな技でもそうなのだけれど、技をかけてもらい、受けを取ることで、その技がどんな技か、身体を持って知ることができる。
これは、入門して間もないわたしも、常々感じているところだ。

多田先生に技をかけてもらうと、その技がどんなものかわかる以上に、大変気持ちがいい。

今までの稽古で、先輩方が「多田先生に投げられたい」という熱い眼差しを送られている理由を、身を持って体験できた。

そして、毎回のお稽古で、それを感じられるのが、本当にありがたい。

「投げられたい」と思うなんて、側から見たら滑稽だろうけど、その場にいると、本当にそう思うから不思議。

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