1985 Vol.9〜タイツ TIGHTS
これも85年だったんですね。タイツ(TIGHTS)です。ご存知でしょうか?松尾清憲さんの時にもチラっと出てきたバンド、シネマ。そのメンバーでもある一色進さん率いる愛すべきポップ・バンドです。
その名も「GOLDEN POPS」!
このジャケットのイラストはPSY・Sのファーストと同じ人かな。
これはインディー盤のデビューミニアルバムですが25cmサイズというのが可愛いです。インディーの25cm盤ということで、我が家のレコード棚には他にもゼルダのメンバーがやってた招き猫カゲキ団や水族館レーベルで知ったVOICE、あるいは沖山優司のHAKONIWAなんかも一緒に入ってました。時代ですねぇ。
裏ジャケットには鈴木慶一さんのタイツ愛あふれるライナーノーツがついてます。
Side A
1. イタリアン・グッバイ
ストレートにポップな8ビート。なのにインディーズ特有のショボイ録音と絶妙に音をハズしている男女ボーカルのせいで、思いっきりB級っぽい。ですが、この味がクセになるともうたまらないのです。これはタイツの代表曲する名曲。
2. ハッピィ・ハッピィ・ドゥ
まだニューウェイヴ直前のムーンライダーズのような明るい曲。イントロのアカペラのヘタさ加減とフォークダンスのようなアコーディオン。そして、やる気のないクラップ。なんとなく、あがた森魚さんが歌ってもハマりそうな曲調です。
3. 二日酔いのコンダクター
こういう3拍子の曲にはアコーディオンが合いますね。これも前曲同様フォークダンスっぽい曲調。
Side B
1. こいするうさぎ
この時代のタイツのおける滋田みかよさんの存在感と彼女のボーカルが僕は大好きなのです。これは彼女のボーカルにスポットを当てた幻想的なバラードで、個人的にアルバムで一番好き。泣けるくらいにいい曲。ドラムレスのアレンジもいい。
2. 僕の6時、僕の12時
ドラムは打ち込みでしょうか。そのせいかデモっぽいけどクールなアレンジです。
3. デザイン
何だかお風呂で録音したような変なボーカルの音です。アコースティックギターとプログラミングされたパーカッションのアレンジで、どこかアフリカのポップスのようです。
というわけで6曲入りのミニアルバムなので多少の物足りなさは残りますが、85年にひっそりと咲いたインディーポップのひとつとして忘れがたい一枚です。
ちなみに、今回の趣旨とは違いますが翌86年に出たALBUM「いつかどこかで ITSUKA DOKO KADE」は、さらに良いアルバムになってますので是非。
あとカセットブック「東京1ダース」に収録された滋田みかよさんのソロ「Peper Romance (girl's side)」は初期Perfumeを思わせるテクノポップの名曲中の名曲。
もう、たまりません!
この曲は絶対にいつかカバーしたいと思ってます。
この曲は全キャリアを総括したようなタイツの39曲入りのベスト「GIRLIC REPLICA」にも入っていますので、入門編としてオススメします。僕はあまり知らなかった後期タイツの曲も楽しく聴かせていただきました。後期も集めなきゃ。
一色進さんといえば、ジャック達というバンドも面白いです。これもいずれまた紹介しましょうね。ではでは。