祝再発 ザ・プラネッツ
ザ・プラネッツ(The Planets)とは、デフ・スクールのメンバーのスティーヴ・リンゼイが結成した英国のバンドのことですが、嬉しいことに彼らの2枚のアルバムが日本独自にCD再発されたので今回紹介したいと思います。デフ・スクールも含め70年代中期の英国モダン・ポップ的なバンドの多くは、やがて80年代へ向けてパンク/ニューウェイヴなサウンドへと少しずつ変化しました。その橋渡し的な時代の中でもザ・プラネッツは特にサウンド面でも完成度が高く、筆者にとっても思い入れの深い印象的なバンドのひとつでした。
まずはファースト「GOON LILLY DOWN」(1979)から。サウンドはパンク/ニューウェイヴを横目に意識しながらも、それでいて英国特有の憂いを秘めたメロディアスな曲調が魅力的です。シンセサイザーや効果音などを隠し味的に散りばめたアレンジなど、サウンド面でも独自のセンスが際立っています。当時は日本盤LPも出ませんでしたが、ムーンライダーズの鈴木慶一が絶賛したり一風堂が彼らの曲調を独自に取り入れたりと、日本の先鋭的なミュージシャンの間でも少しは話題になっていたようです。
ファーストからヒットした 「LINES」です。当時のPVでしょうか。
セカンド「SPOT」(1980)では更にホワイト・レゲエ的な感覚が強くなります。こちらは当時、日本盤LPも出ました。ミュージック・マガジンのクロス・レビューでも取り上げられ、あの辛口の音楽評論家で知られる中村とうよう氏も「どの曲も実によく出来てて、それが単にコマーシャルなヒット性という意味でじゃなく、通好みっぽくよく出来てるのだ」となかなかの高評価しています。ファーストに比べると幾分シンセサイザーの比重が減り、スタジオワークに凝るよりもライブ演奏に近いストレートなロックバンドサウンドに変わったという印象があります。しかしながら楽曲のクオリティは高く、こちらもファーストと並んで名盤だと思ってます。
ザ・プラネッツは大学生の頃、新宿のVINYL JAPANで輸入盤レコードを手に入れて以来、ずっと今まで愛聴してきました。それだけにボーナストラックと詳細なライナーを加えた今回のCD化は本当に嬉しい快挙です。ムーンライダーズ好きな方も是非。
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