危険物取扱者乙4とは?試験内容、難易度、業種を解説

「危険物取扱者乙種4類」という資格が気になる方は、多いことでしょう。

資格を取る際に気になることとして、どのような試験なのか、難しいのか、仕事で役立つのかという点が挙げられます。

乙4は、多方面で役立つ資格でありながら、難易度はそれほど高くないことが特徴です。

しっかり勉強すれば、合格も十分に可能です。その理由を、これから詳しく確認していきましょう。

危険物取扱者乙種4類とは

まず危険物取扱者乙種4類とはどのような資格なのか解説します。

乙種4類の範囲

乙種4類が対象となる危険物は、引火性液体です。以下のとおり、多種多様な物品が該当します。

品名 該当する物品の例
特殊引火物 ジエチルエーテル、アセトアルデヒド等
第一石油類 ガソリン、ベンゼン、トルエン等
アルコール類 メチルアルコール、エチルアルコール等
第二石油類 灯油、軽油、酢酸等
第三石油類 重油、ニトロベンゼン、グリセリン等
第四石油類 ギヤー油、シリンダー油、タービン油等
動植物油類 ヤシ油、パーム油、ヒマシ油等
出典:危険物保安技術協会「危険物関係用語の解説(第15回) P16

上記のなかには生活や産業に欠かせない物品も含まれています。

暖房に使われる「灯油」
自動車に欠かせない「ガソリン」
トラックなどで使われる「軽油」
ボイラーや船舶で使われる「重油」
このようなこともあり、乙種4類は危険物取扱者のなかでも注目度が高くなっています。

危険物取扱者乙種4類が役立つ業種


乙4が役立つ業種は、さまざまです。

ここでは主な5つの業種を取り上げ、どのように役立つか解説します。

石油貯蔵タンクを持つ企業


石油プラントや石油精製工場は、石油貯蔵タンクを持つ企業です。

商品として大切に扱うことはもちろん、事故を防ぐためにも適切な管理と取り扱いが重要です。

この点で、乙種4類は役立つことでしょう。

化学工場

化学製品には、石油やアルコール、動植物油などを原料とするものが多数存在します。

これらの引火性液体は、事故を防ぐためにも適切に管理し、取り扱わなければなりません。

乙種4類の有資格者はこれらの物質を知る者として、仕事に役立てます。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドはガソリンや灯油、軽油といった代表的な引火性液体を貯蔵し、来店者に対して給油などの方法で提供しています。

施設の運営に、乙種4類などの有資格者は欠かせません。

特に近年増加中の「セルフ式スタンド」では、重宝される資格です。
それは一般の方が給油する際に、管理・監督する方が必要なためです。

この業務は丙種では行えないため、乙種4類の有資格者が活躍できる場面です。

タンクローリー

タンクローリーで引火性液体を移送する場合は、甲種、丙種、乙種4類のいずれかの有資格者が乗務しなければなりません。

もしドライバーが乙種4類の有資格者ならば、1人乗務も可能です。
1人で運転も危険物の取り扱いもできる人材は、会社にとってありがたいものです。

乙種4類は、タンクローリーの職場でも役立ちます。

ビル管理

ビルには、非常用発電機が設置されている施設も多いことが特徴です。これらは軽油などを燃料とするため、乙種4類の資格が役立ちます。

危険物取扱者乙種4類の試験概要


さまざまな仕事に役立つ「危険物取扱者乙種4類」(乙4)は、ぜひ取得しておきたい資格のひとつです。

どのような試験なのか、詳しく確認していきましょう。

受験資格

乙種の場合、受験資格はありません。誰でも受験できます。

過去には、小学校1年生で合格した方もいます。

試験科目と試験時間

試験科目には、以下の3種類があります。
試験時間は2時間 です。

試験科目 問題数
危険物に関する法令 15問
基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問
引用:消防試験研究センター「試験科目及び問題数」

すでに他の乙種危険物取扱者免状を持っている方は、申請により一部免除を受けられます。

その場合に受験すべき科目は、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」10問のみ、試験時間は35分と短時間での受験となります。

危険物取扱者乙4試験の合格基準

危険物取扱者の合格基準は60%です。

但しすべての科目について、60%以上正答しなければ合格できません。

たとえば以下の正答数だった方は、正答率60%未満の科目があるため不合格になってしまいます。

試験科目 問題数 正答数(正答率)
危険物に関する法令 15問 8問(53%)
基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問 8問(80%)
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問 8問(80%)
合計 35問 24問(68%)

一方で以下の方は、上の方よりトータルでの正答数が少ないにも関わらず合格できます。

試験科目 問題数 正答数(正答率)
危険物に関する法令 15問 9問(60%)
基礎的な物理学及び基礎的な化学 10問 6問(60%)
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問 6問(60%)
合計 35問 21問(60%)

このため不得意科目に対して重点的に時間を割いて学習するなど、まんべんなく得点するための取り組みが求められます。

危険物取扱者乙4試験の合格率・難易度

近年、乙4試験の合格率は上昇しています。

平成28年度までは30%未満でしたが、平成30年度以降は40%前後の合格率。

5人に2人は合格する試験となりました。

年度 合格率
平成27年度 29.4%
平成28年度 28.9%
平成29年度 34.4%
平成30年度 39.0%
令和元年度 38.6%
令和2年度 41.7%
引用:消防試験研究センター「試験実施状況」

4割前後の合格率は、他の試験と比べて低い数字ではありません。また、勉強せずに受験する人も一定数いるため、勉強すれば7、8割くらいの方は合格できるのではないかと思います。

難関資格よりも合格率はかなり高いため、しっかり学習すれば合格できる試験といえるでしょう。


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