『鳩の撃退法』 津田伸一役・藤原竜也さん考察
津田伸一はなぜ「鳩の撃退法」というタイトルを付けたと思いますか?
まったく分からない。
でもニセ札(の撃退法)ということでしょ。
僕も最初は全然分からなかった。現場でも、鳩、つがい?偽札?って太鳳ちゃんとバーでやっているやりとりっていうのも、もう少しシンプルだったと思うんですよね。シンプルだったんですけど、太鳳ちゃんと僕と監督の中でも何か引っかかっていて、少量のごくわずかなヒントで、ワードで、より多くの疑念を僕らが抱けるように、若干シーンも長くなっていると思うんですよ。そこで初めて気づいたんですよ。僕も。こういうことかって。鳩の撃退法というタイトルが。
非常に僕としてはハイセンスというかお洒落なネーミングを津田自身はつけたんじゃないかなと。最初で最後の大仕事じゃないかなと。
津田伸一が書いた小説は、どこまでホントだと考えるか?
物書きってずるいじゃないですか、かっこいいじゃないですか。だから書いてあることが本物になるし、書いていることが正解だし、そういうことなんですよ。抽象的ですけど。
"津田が書くもの"っていうのが正解で、舞台でも映画でも脚本家が書くものが正解だし、その人しか知っていないし、どうぞって言われたらテストされているみたいで。だから作家っていう職業=ずるい人っていうイメージなんですよ。
この映画は、本当に、ピーターパンのような、寓話の世界だと捉えてもらって良いんじゃないかな。ファンタジーのような、生々しい表現はあるけど、何か心が温まるような、描写が沢山あるわけじゃないですか。
だから実はこの物語は全てファンタジーだったんじゃないかなと、僕なんかは思いますけどね。