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初めての写真展

みなさんこんにちは。
前回の投稿からかなり期間が空いてしまいました。
自分の気持ちの弱さに自分でもびっくりしてます。

8月6日から富士フォトギャラリー銀座にて1週間個展を開いていました。

初めての写真展で初めての個展。
いきなり飛び級しちゃったような人が開催する個展の裏側を覗いていきましょう。

個展までの経緯


出身はTwitter。渾身の自信作をドヤ顔でネット上に放り投げ、いいねとリツイートの数を見てにやける日々でした。
そんな中で知り合った天才フォトグラファーDaishiさん(@daishi_xxiv)にお声をかけていただき、個展を開くことになりました。

まだ写真歴3年ぽっきりのこんなぺーぺーが写真展なんてやっていいの?って感じでした。
グループ展でもないのでいやらしい話、場所代や展示物の印刷代など100%自腹で払わなければなりません。

まじでごめんなさい。正直心の中で「たっけぇ…やっぱやめよっかな…」って思ってました。

しかしこれも経験。とにかくなるようになれと準備を始めました。

準備

個展開催が決まったのは3月くらい。
5ヶ月あるのでまだまだ余裕ぶっこいてました。
夏休みの宿題は前日にやるタイプ。

1ヶ月前くらいになるといよいよデータ入稿の時期になります。
印刷はクリエイト銀座さんにお任せしていたので色味等の確認含めこれくらいが準備の期限になります。

いやー、焦る焦る。
やっぱ夏休み入ったらすぐ宿題したほうがいい。
でもイメージわかないし、直前まで展示作品の選定してましたね。減らしたり増やしたり入れ替えたり。
そういうのも大事。

データ入稿、検品

いざ、データ入稿。
大舞台へと旅立っていくデータたちを見つめながらいよいよ自分が個展を開くんだと認識し始めてきます。

印刷は意外と早く終わります。
数日してから検品に行きました。

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今回メインの作品はA0でプリントしてもらいました。
そんなサイズの紙ですら間近で見たことない。
ましてやそれに自分の作品がプリントされてるんですよ。
興奮しました。

それがこれ。

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どーん。

でかすぎ。
X100Vと比べてこれ。
自分の作品じゃないみたい。かっこいい。

Z7の作品も何枚かありましたが、GFXの作品がほとんど。
富士のデータを富士でプリントするからなのか色味なんかばっちりでした。何も言うことなかった。

「あ、おっけーです。」
「これも、おっけーです。」
「おっけーです。」

ほんとこんな感じ。

何も問題なく検品は終わりました。

個展前日

どっきどきの前日には作品の搬入、設置をします。
検品ではぺらぺらのペーパーで見たのですがもうこの日には完成品。

パネルに貼られた自分の作品たち。
もう感動もんですよ。

そして重要なのがレイアウト。
どれをどこにどういうふうに飾るか。

自分は予め決めていきました。
PCで会場の縮小図を自分で作って、その比率に合わせて作成した作品の画像を並べる。
そうするとイメージしやすかった。

このレイアウトの図面をプロの方々に見せてあれやこれやと設置を進めていきます。

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入り口はこんな感じ。
これも自分で作りました。

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今回、300円くらいで気軽に買っていただけるようにポストカードも作りました。

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おしゃれに名刺なんかも置きました。
100枚作ったんだけど3日でほぼなくなった。
もっと作るべきだったと反省。

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物販エリアはこんな感じ。
いい感じにまとまった。

自己紹介ポスターも自作。
かっこよくできた。

個展が始まる

さあ、いよいよ個展当日です。

個展ではA2サイズを20枚、A1サイズを5枚、A0サイズを1枚展示しました。

いざ始まると色々な方が来ました。
自分のことを知ってる人なのか、何も知らずたまたま立ち寄った人なのか全然わかりませんでした。
なので自分から声を掛けずただただ立っていました。

洋服屋さんでただフラッと寄って見てるだけなのに店員から「よかったら試着してくださいね。あ、これとか似合いそうですよ!あとこれ新作なんですよー」と、がつがつ来られると買う気なくなりませんか。

写真展とかだとまた違うのかもしれないけど、静かにゆっくり見たい人もいるかなと思って積極的には話しかけず、気になって質問していただける方だけに答えるスタイルにしていました。

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森や木の作品だけにフォーカスして揃えた今回の個展。
SNSで知って来てくれる人は大体風景界隈の人だと思っていました。

ただ実際に蓋を開けてみると、

人物撮ってる人、創作ポトレの人、心象風景撮ってる人、星撮ってる人、Cityscapeの人、登山中心の人、トラベルスナッパー、カメラなんてそもそもやってない人、レイヤーモデルさんなどなど。

怖い撮り鉄さんは来ませんでした。
まじで色んなジャンルの人が来ました。

同じジャンルの方とはそりゃもう話は盛り上がりました。
ただ今まで自分の撮影してるジャンル以外は興味はなく、ほとんど見る機会はありませんでした。

でも実際そういう方たちが来て話をするとめちゃくちゃ興味深くて気づいたら自分の方がたくさん質問してたりしました。

やっぱり使うツールはカメラということで表現方法は違えど表現者としての信念みたいのはみんな同じでした。
これがすごい面白くてどういう見せ方をしてるのか勉強になることしかなかったです。

ほんとに刺激になりました。

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個展を開いてみて


僕の尊敬するフォトグラファーが言っていた言葉。

「作品はプリントをして初めて完成する」

こんな言葉が今回個展を開いて本当に胸に刺さりました。そりゃもう串刺しですよ。滅多刺し。痛いくらいに。

正直、見る分にはスマホやパソコンで十分だと思ってました。だって綺麗なもんは綺麗だもん。しかも簡単にネットで見せられるし。反応もらえるし。承認欲求満たされるし。

いやいやいやいや

時間とお金をかけてプリントして、パネルで展示して、ライティングもしっかりして、みんなにわざわざ足を運んでもらって、感想をいただく。

これこそ至高なんだなって思いました。

いかに自分が低次元なレベルで一喜一憂してたのかと思い知らされました。
いやSNSで活動するのが悪いとは言わないけど、フォロワーが減ったとか、いいねが30分で100いかないとか、なんであの人が伸びて俺は伸びないのとか、そういう次元の話。

まじであほらしくなった。

そして本当にこれは展示して気づいて驚いたこと。

え、3Dになるよね…?

どゆこと?って感じですが、みんなが口を揃えて言ってた。

「この立体感と奥行きってなんなんですかね?」

この質問めっちゃ多かったです。
僕はこう答えました。

「ほんとですよねー。すごいですよねー。」
答えになっとらん。なんなら見に来た側の感想になってる。

展示してる自分でもよくわかってない。

なんかね、もうこれ実際に見てもらわないとわからないです。

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最後の10分

1日目が終わって立ちっぱなしで腰痛いし疲れたし毎日在廊しなくてもいいかなーと思ってたけど結局一週間、毎日在廊してました。

そして個展終了最後の10分…
自分の作品たちをゆっくり眺めました。

ありがとう。

俺はただ突っ立って言葉添えをするだけ。
君たちが皆さんを楽しませてくれた。
一週間に渡るライブが幕を閉じようとしていました。
長いようで短かった。

誰かの元へ旅立つ子もいる。
最後になってやっぱ渡したくないって思った。
嫁入りを見送る父親はみんなこうなのか。
でも嬉しいことだから笑顔で見送る。
撤収のため業者の人が来てすぐ無表情に戻った。

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最後に


なんでこんな記事を書いたかと言うと、海外と比べると日本は芸術文化に対する考えが遅れていると思っていたから。特に写真。

ある有名なフォトグラファー(丸メガネかけて変な顔晒してる山好きな変態)とよく話す内容だけど、日本って作品をプリント(購入)して額装して部屋に飾るっていう習慣がないよねって。

収入や家の広さとか比較すれば海外とは違うんだけどもうちょっと身近にするためにどうしたらいいのかなって。

こういう写真展などを通じてもっともっと飾るという習慣を日本で広めていけたらなって思いました。

最後の最後に


今回個展に来てくれた方、本当に本当に本っっっ当にありがとうございました!

見る人がいて初めて写真展が成り立ちます。
本当に感謝しています。

そして今日までのアホな俺。誰かの写真展があった時も「別にネットで見れるからいいし」と、自分の撮影を優先して行きませんでした。ばかでした。土下座します。どんな思いでその方は写真展を開いたのか、実際自分で開くことでわかりました。開かないとわかりませんでした。浅はかですよね。恥ずかしいことですね。笑ってください。

そしてこれからは積極的に写真展に行きたい。

その人のその写真展はその期間しかやらないから。

そして

行かなきゃ感じられない、わからないことばっかだから。

誰かの写真展に行くのもいい。
自分で写真展開いたっていい。

高いからやめよっか?そんな馬鹿な事も最初に言ってましたね。

僕は金額以上の何かを手に入れた気がします。


ってなわけでSNS出身のデータ至上主義者が個展を開いてどう思ったのか、正直にさらけ出してみました。

めちゃくちゃ貴重な経験をしました。
ほんとに個展をやってよかったです。

この記事を見て少しでも考え方が変わった人がいたらいいな。

次回はいつになるかわかんないです。

では。

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