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女王バチの羽は切りません

ここ最近は雨続きで、また大雨の日が多く思ったように外仕事ができずにヤキモキしていましたが、やっと晴れの日が続きますね。

毎日日中30℃近くまで気温が上がり、働きバチたちは巣箱内の換気をするために一生懸命に羽を振るわせてがんばっています。

今日はおそるおそる巣箱内を確認してみると、今育成中の女王バチの交尾が完了し元気よく卵を産み始めていました。この最初の卵を確認できた瞬間はうれしさで毎回胸がいっぱいになります。
交尾は外に出て空高くへ飛びながら行われます。そのため雨の多い梅雨の時期は交尾成功率が急激に下がりなかなかうまくいかないと言われていますが、ぼくの女王バチたちは雨にも負けず風にも負けずに頑張ってくれました。

こうして交尾が終わった女王バチは毎日家族を増やすために卵を産みつづけ、子どもたちでいっぱいになり家が狭く感じるようになってくると、新しい女王バチを産みはじめます。そしてもともといた旧女王バチは家族の半分を引き連れて別の住み家へと飛んで逃げていってしまいます。この現象を分蜂(ぶんぽう)と呼びます。(人間界では娘が家を出ていきますが、ミツバチ界は母親が飛んでいってしまいます)

分蜂は養蜂家にとって大きな損失になるため、一般的には交尾が完了した女王バチの羽を切って分蜂を未然に防ごうとします。

しかし、しっかりと巣箱内の様子を把握し分蜂をしそうな兆候があればうまく事前に処置をおこなうことで、女王バチの羽を切らずとも分蜂を防ぐことができます。

ぼくは養蜂としての作業効率よりも、どうしても人間の都合でからだの一部である羽を切ることに抵抗があります。
養蜂家さんそれぞれの考え方やスタイルがありますが、『女王バチの羽を切らずに同じ生き物として尊重する』ということが、ぼくが養蜂をしていく上で大切にしていることのひとつです。

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