【魔女と獣とふたり旅】時つ風と悠久の宿り木4/5【リプレイ】【完結済】
GM
シルヴィが魔法を行使する。キミ達専用の魔道具プロメッサがキミの望みを叶える為、魔力を増幅させる。
地面に向かって、風が勢いよく吹き始め、チョン…と足で蹴るだけで旅立てそうなそんな気がする。
シルヴィ
「……!」
いつもと違う、すぐにわかる。自分たちで作った魔道具はこんなにも。
「行くわよ!つかまっててね!」
樹精を自分に捕まらせ、しっかりと地を蹴る。高く、高く。どこまでも飛べそうだ。
樹精
「……ん」
ワシッ…と掴んだ。
シルヴィ
地を蹴り、風を読み、滑らかに飛行する。雲の間を縫うように、泳ぐように。目指すは自分の家。初めて、誰かと一緒に帰る家。何を作ってあげようかしら、そんなことを思い浮かべながら。
樹精
「………ぉ~…………ぉー…………」
驚いてるのか分からないリアクションを挟み、ただただキミの背中にしがみつくのであった。
ーーー
スポット 『雲海を泳ぐ帰り道』 (スペルクラフト
ーーー
樹精
「……私………」
キミの服がチョンチョンと引っ張られる
「……肉も…好き。 ……けど……果実は…もっと………好き。」
唐突に好みを告白する。
シルヴィ
「……?……ああ!」
そういえば料理を作る話をしていたのだった。カラスを丸ごと食べるなんて言うから、肉食獣みたいな好みをしているのかと思っていたが、なんと果実の方が好きなのか。
「果実かぁ…」
そういえば木の実を探すときも積極的だったな、と思い返す。家に何かあっただろうか。肉も嫌いではないのだろうし、せっかくなら腕を存分に振るって両方食べさせたいところだ。そもそも食料も補充しようと、自分は外へ出ていたのだった。
「そうねぇ…じゃぁ、果実樹があったら教えてくれる?帰りにたくさんとって帰りましょ!」
少し高度を下げて、眼下の景色を見やすくする。家の近くなら思い当たる場所もある。少しだけ回り道をして、そこに向かおう。
樹精
「……良い知らせ……と……」
「……悪い知らせ……」
「……ある。 ……聞く?」
若干服を引っ張る力が強くなったような気がする。
シルヴィ
「えっ…?悪いのもあるの…?」
なぜ。思わず樹精を振り返る。
樹精
「……良い方は……」
振り返った先の樹精とは目が合わなかった。
「……見つけた」
視線の先にはみずみずしい果実が沢山なっている大樹があった。
シルヴィ
「ほんとだ!良かった!」
とりあえずの良い知らせに反応し、軽く旋回して大樹へ向かう。
樹精
「……そして……悪い方……」
キミの肩に顔を乗せ、共に前を見る。
シルヴィ
「……?」
樹精の視線の先へ目をやる。見ろ、ということなんだろう。
オオガラス 1d3 飛来!飛来!! (1D3) > 1
樹精
「……花には……棘がある……」
「……美味しい実には……」
「………カラス……」
コトワザでも何でもない。
GM
1羽のオオガラス。 きっと主なのだろう…身体のサイズは
6d10 (6D10) > 55[10,10,9,9,9,8] > 55
(やたら跳ねるな、ダイス)
止まっているサイズ感は、大きなワシ程度のサイズ。しかし、相手もこちらを認識したのだろうか。大きな翼をバサリと羽ばたかせ真っすぐ突っ込んでくる!
樹精
「……………。」
すっ……と キミの背に隠れた。
シルヴィ
「げっ…」
これはまずい。小物の集団なら、目的があって移動する最中である場合もあるためかわしてやればなんとかなる。しかしこいつは大物の一匹。こちらを認識して狙ってきている。
「……え~っと…」
エプロンのポケットを探る。飛行するには空の鳥たちへの対策は必要だ。
特にカラスは悪知恵も働く上に、攻撃的だ。さっきは物干しざおが折れたこともあり、焦りで集中できていなかったが今は違う。
樹精
「………丸焼き?」
のんきに呟いた@
シルヴィ
つぶやきを耳にし、にやりと笑う。食べたいと言うのなら、あれは食材だ。
左手でプロメッサをしっかり握り、ポケットを探っていた右手を取り出して確認する。
自分の魔法は魔道具であるハサミを使う。こんなときのために、飛行のときにはポケットに切り絵をいくつか入れておいた。
オオワシ。空の生態系の王者。もちろん本物のようにはいかないが、数枚あれば仕留められるだろうか。あんな大物と対峙したことはないが、やるしかない。切り絵を風に乗せるために構えた。@
GMーーー
スペルクラフト! ~晩御飯の材料集め~
術式(晩御飯)作成は
難易度0の判定です。
成功数が価値の数になります!
有利1:大鷲の切り絵(魔道具)の使用
有利2:風の守護魔女の気流操作で相手の動きを撹乱・阻害
サイコロは+3で6振れます!
それでは 覚悟がきまったら 6b6をどうぞ!
シルヴィ 6b6 (6B6) > 4,6,1,1,5,1
GM 災い3 成功2
シルヴィ
1d6 (1D6) > 1
1d6 (1D6) > 3
1d6 (1D6) > 5
GM
3バックファイア・5不気味を通す
1不安定を成功1で打ち消し
価値1のアイテム入手!
魔女の子はからだORこころORまほうに
1ダメージ入れてください
それでは、大ガラスをぶちのめす描写を
行ってみようか!
ーーー
樹精
「………撃ち落とす……?」
キョトンと首を傾げた気配がする @
シルヴィ
「そう」
言葉少なに答える。数枚のオオワシの切り絵を掴み、魔力を込める。相手は大物で、かなりのスピードで向かってきている。多めに魔力を込めないと押し負けてしまうだろう。
ここは空で、風の中だ。これほど自分にとって有利な戦場はない。心配事といえば、これまでの影響で切り絵がよれてしまっていること…破れているわけではないが…。
樹精
「……撃ち落と…されない?」
落ちてきたキミしか見ていない樹精 @
シルヴィ
「……そうならないように祈ってて」
振り返って苦笑して、また前を見る。イメージ改善のチャンスでもあるようだ。
「さあ!行って!!」
3枚のオオワシを風に乗せる。大きく羽を広げ、獰猛なツメが露わになる。
肉食らしい、ぎらりとした眼がオオガラスを捉える。乱気流に乗ってオオワシが三方向に展開する。
オオガラス
「ガァ?!」
シルヴィ
「……ッ!」
魔力の込めすぎか、切り絵がよれている影響か。オオワシが飛翔する際に真空が発生し、右手に切創がいくつかできてしまう。それでも。目線は獲物を捉えたままだ。シルヴィも、オオワシも。
オオガラス
オオガラスは、標的が一瞬で増えたことに動揺したのかスピードが一瞬遅くなる。だが、奴もヌシ。戦い慣れているのだろう、戦いの急所をキミと定め、今一度、力強く羽ばたく!
シルヴィ
この機を逃すものか。風を送りオオワシを後押しするため、傷ついた手を横になぐように動かす。その手を合図に、オオワシ三匹がいっせいにオオガラスに滑空する。狙うは風切り羽。
自分が急所だというのなら、狙ってくるがいい。器用に上昇、旋回を繰り返し、オオガラスを翻弄する。
やがてオオガラスが姿勢を崩す。それを見て、指笛を高く一声鳴らす。3羽のオオワシのツメや嘴がそれぞれオオガラスを強襲する。1羽が風切り羽を折った。1羽がのど元を裂いた。1羽が飛ぶ力を失ったであろうオオガラスに上から滑空し、地へと落とす。
樹精
「…………。」
血で滲むキミの手に、手を重ねた @
シルヴィ
「…あっ…」
戦闘への緊張と昂ぶりが、柔らかい手の感触に一気に落ち着いてきた。
「ごめん、私ったら、つい…」
勝てる見込みはあったものの、今は二人でいるのに危険な選択をしてしまったのかもしれない。左手だけでプロメッサを支え、ゆっくりとオオガラスの落下地点を目指す。万が一また攻撃してきたときのために、オオワシもゆっくりと旋回させておく。
大樹の近くに落ちたのでちょうどよいだろう。緊張感を保ったまま、近くに寄っていった。
樹精
ゆっくりと擦って、傷をいたわる素振りを見せた後、視線は大樹の方へ。
「………ん。 …綺麗に…ぶら下がってる………。」
シルヴィ
「綺麗に…」@
樹精
傍から見たら、中々にグロテスクな状況になっている。見事に喉元をかっさいた為、血抜きが出来たのだが、果実のなっている大樹が一部、血に塗れていた。
「…………。」
新芽が嬉しそうに揺れている。
シルヴィ
「ありゃ……」
落としたところが樹だったので、枝やらに引っかかりながら落ちちゃったんだなぁと推測する。
「うーん、まぁきちんと死んでるみたいだし…いっか…」
血抜きも出来てるなら手間が省けたようなものだし、あまりにぐちゃぐちゃしているところはハンバーグかボロネーゼか何かにしてしまおう。森で生きる身としては、仕留めた生き物はきちんといただくべきだ。
「もういいわよ。お戻り。」
オオワシたちに声をかけると、ひらりと少し敗れた切り絵が落ちてくる。
「……ありがと」
それらを優しく撫で、ポケットに入れる。
「さて、お肉も果物も手に入ったわね!」
くるりと樹精を振り返る。
「持って帰って、ご飯にしましょ!」
腰に手を当て、にっこり笑って声をかける。何を作ろうか、食べたらどんな顔をするか。思考は切り替わり、そんなことばかり考える。こんなにわくわくした気持ちで家に帰るのは久しぶりだなぁ、なんてことも思いながら。
樹精
服に再度しがみ付いて、お腹の音を響かせながら
「………ん」
「……楽しみ」
のんきに呟いた。
GM
帰りの道すがら、食材を入手した二人は穏やかな空を ゆったりと飛んでいた。家までもう少しといった所だろうか?
シルヴィ
「材料も手に入ったし良かった良かった」
「酔ったりしてない?大丈夫?」@
樹精
「……ん」
後ろで小さく頷く
「……問題ない」
「………問題は………」 くぅ
「……ここにある」
お腹を指し示した
シルヴィ
「ふふっそうよね」
本人よりはっきり主張するお腹の音に微笑んでしまう。
「そしたらささっと帰りましょ」
「私の家はね、けっこう可愛いんだから!」
「少しずつ直したりして…」
そういえば、人を招くなんて初めてのことだ。こんな風に家のことを自慢するなんてことも無かった。むずがゆいようなくすぐったいような。自然と口が笑みを形作りながら、家路に向かった。
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